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居酒屋のキャッチについて行ったらどうなる?その1

居酒屋のキャッチについて行ったらどうなる?その1

ココがキニナル!

横浜駅周辺で「安い店ありますよ!」と声をかけてくる強烈キャラぞろいのキャッチのオニィさんたち。怪しい匂いがプンプンするが着いていったらどうなってしまうの?(はまれぽ編集部のキニナル)

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ライター:はまれぽ編集部

横浜の歓楽街や飲食店密集エリアに夕方になると現れるキャッチ。寒くなるまでビーサン、半ズボンという軽装が浮きまくっているのもさることながら「色黒で恐い」「しつこい」「着いていったらとんでもないぼったくりの店に連れていかれそう」と、評判も良くない。はまれぽでも過去に関内周辺でさまざまな店のキャッチの方と触れ合ったことがある。また横浜駅西口ではエステの勧誘の「キャッチ」にまんまと引っかかったことも良い思い出。
 


あれは2012年のこと・・・

 
最近のキャッチの皆さんはどんな感じなんだろう?評判は良くないが、実はすごく良い店に連れて行ってくれたりする人もいるのではないだろうか?そもそも決めつけるのは良くない。
 
何より、久しぶりに引っかかってみたい・・・。
 
そんな欲望に駆られ、我々は
横浜駅西口へ向かった。今回は一般的な人が最も連れて行かれやすい居酒屋の「キャッチ」に的を絞り、わざとキャッチされることに。
 


平日・今にも雨が降り出しそうな天候という環境ながらかなりの賑わい

 
 
 
午後5時30分 ビブレ前の橋 南幸橋
 
横浜駅西口のキャッチのメッカと言えば、ビブレ前の南幸橋(みなみさいわいはし)。
いるいるキャッチの皆さんが今日もわんさといる。
 


居酒屋キャッチのおにーさんたちは雨の日も風の日も待ち受けている

 
放っておいても店に人が来る週末とは異なり、平日は呼び込みの声にも力が入るのだろう。次から次へと道行く男女に声をかけている。
 
 
 
午後5時40分 運命の男「チャンスをください君」にひっかかる
 
これだけキャッチの人がいると「どの人にひっかかる」か非常に悩む。いきなり恐い店に連れていかれて、売り飛ばされたらどうしようとか、なーんだ、ただの居酒屋だった・・・という事でネタにならんわい!なんてことは避けたいとか、思惑も錯綜する。
 
そんな時、「オレにチャンスをください!」という甲高い声に思わず振り返る。見ればまだ10代のようなあどけなさが残る男性だった。
 


店のチラシやメニューを手に声をかけているのが居酒屋のキャッチの皆さん

 
「俺、大学生で、8月にこのバイトはじめたばっかなんすよ~」
と屈託なく話す彼・・・なんという人懐っこさだろう。しかし間髪入れず「どんなお店探してるんですか?」と叩き込んできた。
 
ここは最もらしい返しで、「チャンスをください君」の取っておきの店に連れて行っていただこう。
 


背後のベストやスーツのアダルト組はキャバクラのキャッチだそう

 
「どこでもいいんだけど安い店が良いんだよね~」
そう言うと
「オレが契約している〇〇〇っていう店は安いっす。ただ、お客さんの要望で、違う店にも送客できるんすよ。もちろんマージンは契約している店より低いっすけどね」
とのこと。むむ、まるで「送客代理店」のようではないか。
 
「せっかくなんで、にーちゃんが一番マージンもらえる一番安い店に連れて行ってよ」
 
そう言うと、飲み放題が絶対条件で、店で必ず一人2品頼まなければいけないという、うさんくさーい事を言ってくる。
いや、仕事上さくさくキャッチされまくりたいので、飲み放題は迷惑なのだが・・・
 
「飲み放題ではない方がイイんだけど」
「飲み放題以外受け付けてないんですよ」
 
なにそれ?軽いジャブのつもりが、いきなり一発目から怪しい。
 
更に・・・
 
「オレ、アルバイトなんすよ。とにかくキャッチしろって言われてるんで、店に同行できません。ここで前金1000円いただくので直接行ってください。場所は・・・」
 
と連れて行ってくれない上に、店への道順だけ説明する。ついて行ったらどうなるか、の企画じゃなかったっけ?
 
「えー?この1000円絶対にかえってくるの?怪しくない?」と詰め寄ると
「絶対に絶対に返すんで!これを店の人に渡してください」と少年はノートに何やら走り書き、引きちぎって我らに渡してきた。
 


ノートを引きちぎった必死感漂うメモ

 
確かに歩いているうちに、他の店の方が良くなって、違う店に入られたら、彼はマージンをもらえない。
いろいろ怪しいが2時間1300円で飲み放題というのは安いかな?という事で、行ってみることにした。
 
道すがらメモを片手にうろうろしていると、いきなり迫力のある色黒イケメンが現れ「どこ行くんすか?」と声をかけてきた。どうやら彼もキャッチの仕事をしているようだ。店の名前を告げると「ふっ」と鼻で笑われ、何というか・・・同情に満ちた目で見送られた。何か嫌な予感がする。
 
 
 
午後5時50分 一軒目入店
 
南幸橋から小路を歩くこと5、6分。ここまで奥まっていればキャッチを使わないと厳しいなあと同情しかけた頃、その店が入っている雑居ビルに到着。大衆居酒屋を名乗るその店の看板には280円のメニューもあるようで、一人2品ずつでもたかが知れているだろう。と、この時は思っていた。
 


ビル自体年季が入っている

 
店内に入ると、意外なほど揃った焼酎のボトルの棚に汚れた灰皿が洗わず突っ込んであるのが目に入る。客が最初に目にする店先にいくらなんでもこれはない。ガムテープで貼り付けられたプロ野球選手のブロマイドコレクションの中にはベイスターズの選手が一人もいない。横浜なのになぜ・・・?
 


灰皿を洗わず汚れたまま焼酎の瓶の横につっ込んである

 
広い店内は空席しかなく、数人の客しかいないというのに、なぜか狭い1フロアに客全員が押し込められている。更に壁紙は、はがれたままベロベロの状態だ。
 


我々以外の客は恐ろしく若い気がする

 
見渡したところ、若い客しかいないことに驚いた。まさか10代?
最近の大手居酒屋チェーンはあまりにも見た目が若いと身分証明書を提示させる。それを避けての来店だろうか?それともこの店のファン?
 
あやしい・・・
 
店のボロボロ加減に、ありとあらゆるものが疑わしく感じてしまうが、これは良くない。
そもそもここは「大衆酒場」なのだ。安くて美味い料理と酒を堪能できればればすべて許される。店の装飾を極限まで抑え、売り上げのほとんどを料理に割いている店だって珍しくない。
壁にイヤってほど貼ってある説得力抜群の永ちゃんの「プレミアムモルツ」ポスターを見れば、2時間1300円飲み放題だってかなりお得なはず。
 


永ちゃんはボロボロのまま「惚れたっ。」と呟いていた

 
しかし、我らが南幸橋を出発した時には既にセッティングされていたと思われる、このカスのようなものは何だろう。
 


お通しの中では最低カースト「もやし」

 
もやしのようだ。いくら激安店と言えど、店に入ってきた客の顔を見ながらお通しを出すのは常識だと思うのだが・・・。そしてもやし一袋30円程度と仮定しても、一口で食べられるこの量では1円程度の原価だろう。