テレビなんかの企画でネタがなくなると、道の駅にタレントを送り込むだけでワンコーナーできるという話もある。それくらい、今、道の駅がブームだ。

しかし、目下ブームになっているのは、長距離運転のドライバーが休憩するための通過点としての道の駅ではなく、地域の新鮮な農産物などを販売する商業施設としての道の駅だと思う。いまどきの道の駅は、そこで買い物をしたいという明確な意志を持った人たちの目的地としての魅力を兼ね備えているのだ。
　

南部市場の前を走る国道357号線。交通量は多い

ここで勝手に妄想してみた。コストコやベイサイドマリーナに行く途中、南部市場の所に、美味しい国産野菜や海産物を購入できる「道の駅」ができたら・・・。

これ、だいぶ嬉しい。
　

道の駅過疎地、神奈川

筆者のふるさとである九州や、かつて住んでいた千葉県の場合、郊外で少し車を走らせるだけで道の駅があったものだ。そこで、東京近郊の県における道の駅の数を調べてみた。

千葉23、埼玉19、山梨17というのがその結果。やはり結構な数があるんだなぁ。そして、神奈川を見てみると・・・
　

！！！（国土交通省HP）なんと、静岡寄りに2ヶ所しか無いのだ。もっとあってもいい気がする。

そのようなわけで、個人的にも道の駅の設置をお願いしたい！　というぐらいの気持ちで、南部市場を管轄する横浜市経済局へ取材をお願いし、金沢区の南部市場へおじゃました。

市場の統合計画

現在南部市場を管轄している、横浜市経済局、市場再編整備ご担当の服部さんと丸山さん
にお話を伺った。
　

気さくにお話してくださった、服部さん（左）と丸山さん

横浜市には、青果と水産物を扱う、神奈川区山内町の本場（ほんじょう）と金沢区鳥浜町の南部という二つの中央卸売市場が併存しており、その両方を市が管理監督している。ちなみに、中央卸売市場は、各地方公共団体が管理しなければならないらしい。
　

みかんの季節です

そして、二つの市場の再編計画が進行中であり、2014年度を目処に市場としての機能を本場に集約し引き続き横浜市が管理。一方で現在の南部市場内の施設は民営化し、本場の補完的な機能を担うとともに、商業施設を併設するプラン（＝にぎわい策）を検討中なのだそうだ。このにぎわい策こそが、キニナルで指摘されていた道の駅設置の話に関係しそうだ。

本題の南部市場の今後について詳しいお話を伺った。
　

上空から見た南部市場（横浜市HPより）

南部市場の広さは約17万平方メートル。東京ドーム約3.5個分の広大な敷地だ。これだけ広ければ道の駅を作るのに充分な駐車場面積も取れるはずだし、道の駅計画もすんなり進むだろう！　そう思って、少し前のめりで道の駅の設置可能性についてお伺いする。
　

道の駅の駐車場ぶんのスペースくらいならいくらでも取れそうなのだが

「南部市場の各事業者の意見が集約されていない段階なので、現時点ではっきりしたことは言えませんが」と前置きされた上で、服部さんがおっしゃった。

「道の駅を設置することは、もしかしたら難しいかも」

え・・・！？

なんで！？