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伝統の味を守る「横浜醤油」とは!?

ココがキニナル!

横浜で味噌を作っている日本味噌さんと醤油を作っている横浜醤油さんを取材してください。気になります。(にゃんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

今回は「横浜醤油」をレポート。横浜の市章「浜菱」を冠した醤油は、昔ながらの無添加、手作り。その味は、深いコクと香り高い伝統の味だった!!

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ライター:吉澤 由美子

1937(昭和12)年創業 戦時中も醤油を作り続けた横浜醤油



明治時代から醤油を作り続けていた横浜醤油。横浜醤油株式会社としての創業は、1937(昭和12)年。東急東横線「白楽」駅前の白幡上町に広大な敷地の工場があった。

醤油の製造工程は、次のような段階を経る。
大豆を蒸して種麹(こうじ)を加え、煎ってひき割にした小麦と混ぜて麹を作り、塩水を加えたもろみにして熟成。熟成が終わったら、もろみを絞り、加熱して色・香・味を調える。

白幡上町の工場には大きな樽が並び、こうした工程の全てを手作りで行う醤油製造を一貫して続けてきた。

戦時中も休まず創業を続けてきたが、戦後の高度成長期を迎え白楽駅周辺は住宅地として発展していく。再開発もはじまり、徐々に広大な敷地の工場を続けていくのが難しくなっていった。

「もう会社をやめようかという話も出たけど、浜菱を背負っている醤油を絶やすわけにはいかないと。それにウチの醤油でなければというお客様もたくさんいる。それで、2000年にここに移転したの」


筒井さんは続けて、「麹を作り、もろみを熟成させる規模の工場を横浜市内に新たに作るのはもう無理だから、それは別の場所でやって、ここでは熟成の終わったもろみを絞って加熱した後、色・香・味を調えて瓶詰する作業をやっています」
 


手前にあるステンレスの機械はスチームで加熱、殺菌を行うもの


詳しくうかがうと、同じように手作りや無添加にこだわって醤油を作り続けている小さな会社がいくつか集まって岐阜にもろみ工場を作ったとのこと。その工場では、それぞれの会社のレシピで麹やもろみを作って熟成させ、熟成の終わったものをタンクローリーで各会社に運んでいるのだそう。
 


タンクローリーから天井のパイプを通って、このタンクに原料が入る


醤油づくりで一番の要となる色・香・味を調える作業はこの工場で筒井さんが自ら行う。それは横浜醤油の味を守るために必要不可欠なこと。

途中の工程までは離れた工場で行っているとはいえ、大手醤油メーカーでは2~3ヶ月で終わらせてしまう熟成を1年近く行うなど、こだわりの製法をそのまま使っている。

この工場では、まずもろみを絞って、生揚(きあげ)醤油にする。これは、まだ麹が生きている。そこで、スチームで加熱して麹を殺菌し働きを止め、1週間くらいかけて自然に冷ます。
 


時間をかけてゆっくり濾す。無理に絞らないので雑味が出ない


昔通り、各工程にじっくり時間をかけることで、深いコクや香りが生まれる。
「麹ももろみも生き物。言ったとおりに作らせてもダメなことはあります。タンクローリーで運ばれてきたものを見てダメだと思ったら、それはウチの醤油にしない」、それが筒井さんの職人魂であり、伝統ある味を守る3代目の矜持なのだ。
 


お中元の時期だったので、次々に入る注文にラベル貼りも大忙し




豆腐にかけてビックリ! コクと香りがたまらない



味見した醤油の深いコクや香りにも驚いたけれど、一番びっくりしたのは横浜醤油「本醸造こいくちしょうゆ」を豆腐にタラリとかけて食べた時。

そこらへんのスーパーで売っている安い豆腐なのに、豆の味や香りが醤油に引き出されて実においしい。醤油自体のおいしさももちろん素晴らしいけれど、豆腐の味が抜群によくなるのは驚きだった。

横浜醤油では、基本となる「本醸造こいくちしょうゆ」の他にも、いくつかの醤油を作っている。
 


100ml入りの小瓶を詰め合わせたセット(2500円) はお試しにピッタリ


濃縮の「めんつゆ」は、北海道真昆布と羅臼昆布に焼津のかつお節を使ったもの。だししょうゆとしては「あわせしょうゆ」がある。

最近、リピーターが増えているのは「ハイ辛辛辛醤(はいからじゃん)」だ。栽培を頼んだ特別な香りと辛味の赤唐辛子と青唐辛子(ハバネロ・ボンバイ)のエキスを本醸造こいくちしょうゆに合わせて寝かせたもの。強い辛味を寝かすことで爽やかな後味に代わっており、さまざまな料理に使える。

セットには、横浜醤油独自のレシピで昔懐かしい味を再現した「濃厚ソース」も入っている。

セットに入っていないものの中では、「食べる醤油」がイチオシ。これは、筒井さんが長い開発期間を経て完成させた自信作だ。プレーンとニンニク入りの2種類はどちらも、そのままアツアツご飯に乗せたり、生野菜につけたり、BBQや焼き肉のタレにしたりと幅広く使える。人気が高く売り切れのことも多いので、確実に手に入れたいなら電話で在庫を確認して直接工場に買いに行く方がよさそう。
 


「あ゛っ」がプレーン、「に゛っ!」がニンニク入りの「食べる醤油」(1つ880円)
 

味見用の「食べる醤油」は、もろみに秘密の工程が加わったもの


「これ以外にも新商品の開発をやっています。肉を漬け込むと100円の肉が1000円の味になっちゃうすごいものなんですよ」と、とっておきの秘密を教えてくれる男の子のような顔になって筒井さんが笑う。完成が楽しみだ。
 


開発中の商品について話す筒井さん。何年もかけて納得できるものを作る




取材を終えて

浜菱を冠した横浜醤油は、ハマっ子の心意気と職人魂を持った3代目の筒井さんが守り続けていた。

横浜醤油の小瓶を詰め合わせたセットの外函には「浜で生まれて 浜育ち 文明開化の味がする」と書いてある。
醤油は地域性の高い調味料。地方によって味がかなり違う。それだけに、横浜で生まれ育った醤油が、今も昔ながらの手作りで製造されているのはうれしい。

有名メーカーに比べたらお値段は少し高めだけれど、無添加で手作り、しかも丁寧に時間をかけて作られた醤油は、コクがあって香りがよく、驚くほど素材の味を引き出してくれる優れものだった。

次回は、横浜にある「日本味噌」をご紹介。お楽しみに!


― 終わり―


◆横浜醤油株式会社
神奈川県横浜市神奈川区松見町3-1-6
TEL:045-401-9317
FAX:045-401-9319
営業時間:9:00~17:00
定休日:土・日・祝日
http://www.yokohama-syouyu.com/
※ネット販売の他、営業時間であれば直接工場で購入も可能
 

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  • 妙蓮寺のハグカフェの記事(2015年10月29日)で、この記事を知りました。白幡上町にあった醤油会社がどうなったか気になっていましたが、移転して操業しているとわかりました。存続していてうれしい。

  • 横浜番長さんの言っていた通り私も昔の味の方が良かったと思います。工場が白楽にあった頃、工場見学で行ったことがあるのですが、工場内の樽や機材を見た時に歴史を感じたのを覚えています。帰りにお土産でもらった醤油がとても美味しかったので最近購入してみたものの微妙な味だったのでちょっと残念でした。

  • 以前、大口駅の大口通商店街のはずれにあったお味噌屋さん(現在ローソン)かと思ってお邪魔しました。その時はお味噌目当てでしたが、今度はお醤油目当てでお邪魔しようと思います。

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