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神奈川県で唯一100年近く活版印刷を続ける「築地活字」のすごさを教えて!

ココがキニナル!

横浜で昔ながらの活版印刷で名刺を作ってくれる印刷所の取材をお願いします。(小鳩さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

1919年創業、南区の「築地活字」は、神奈川県で唯一活字を鋳造している印刷会社。デジタルでは再現できない「ものづくり」の原点が今、注目を集めている

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ライター:河野 哲弥

やけどなんて当たり前!?  活字の鋳造現場



では、活版印刷にはどのような特徴があるのだろう。
その話に進む前に、活字がどのように作られるのかを見ておいた方が、全体像についての理解が進むと思われる。今度は、大松さんに説明していただいた。
  


これが活字を作る鋳造機
 

上部にある、亜鉛やスズなどの合金を溶かす炉
 

炉の温度は約350度に設定されている
 

注文に応じて「母型」を選ぶ
 

文字の大きさに合わせて機械を微調整するダイヤル
 

機械に直接メモ書きしてある、活字ごとに異なる調整具合
 

セッティングが完了したら、鋳造開始
 

注文どおりに、さまざまな活字が生まれていく
 

余分な活字は再生可能、再び炉の中へ
 

木枠の中に組み込む、スペースの開け方にもセンスが問われる
 

スペース専用の「コミモノ(クワタ)」と呼ばれる活字
 

活版による名詞の完成

 
大松さんによれば、種類によって太さや大きさが異なる活字には、機械の調整作業が欠かせないそうだ。高温を発する鋳造機を前に、やけどなどは日常茶飯事とのこと。まるで当たり前であるかのように淡々と語るその口調に、センチュリー企業を支えてきた職人のプライドが感じられた。

こうしてプリントされた手作りの名刺は、文字の持つ温かみが断然違う。活字の魅力がここにある。まさに「手作り・ものづくり」以外の何ものでもない。
こうした活版印刷の持ち味を、平工さんは、次のようにまとめてくれた。

・オリジナルの美しい書体で個性が表現できる
・硬い金属による直接的な印刷方法なので、輪郭がすっきりしていてシャープ、小さい字も得意
・柔らかい紙質を選ぶと、印刷面に凹凸を付けることができる
・職人による長年の勘に基づいた空白に哲学がある

お分かりいただけただろうか。
同社では定期的に、社内見学体験会を開催している。写真では伝えきれない生の現場を、ぜひご自分の目で確認してみては。
 


木枠に書かれた暗号のような記号、これらを見ているだけでも飽きない


なお、肝心の名刺だが、100枚で5500円から発注できる。
あらかじめ、だいたいのデザインを決めておいた方がいいそうだ。紙質や花形のような飾りは、打ち合わせなどをしながら絞り込んでいくとのこと。
 


個性を活字で打ち出せ



こうして活気を取り戻しつつある同社だが、今後の展望などはあるのだろうか。
平工さんは、「今までは商業印刷がメーンだったが、これからは個人が活字を楽しむ時代になるのでは」と予想しているそうだ。
 


スタンプ感覚で使える活字専用ホルダーも開発
 

例えば、「活版工房喫茶室」のような、活版印刷の体験ができるイベントにも全面協力している。第6回となる今回は12月7日(土)、都内の墨田区にある「東向島珈琲店」で開催し、活字拾いやコースターへの印刷が楽しめる予定。

また、平工さんのポリシーは、「文化は地方に根ざしてこそ広まる」なのだそうだ。「活版、横濱二〇一三」のような横浜や地元を巻き込んだ企画も、随時行っていきたいとのこと。

コンピューターでは再現できないヒトの領域。それが横浜から広まることに、今後も期待したい。そのためには、若い世代の関心を引くことが必要となってくるだろう。創業100周年をめざした「築地活字」の新たなチャレンジは、まだまだ続きそうだ。
 

―終わり―
 

株式会社築地活字

住所/横浜市南区吉野町5丁目28-2(三進興業ビル1F)
電話/045-261-1597
URL/http://tsukiji-katsuji.com/kappanyokohama/

 



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  • 単なる情報を入れる器・メディアとしての印刷は、DTPとオンデマンドとオンラインに多くが持って行かれてしまい、残ったものもダンピングに晒されて衰退する一方。 生き残るには、印刷物もモノとしてのバリューがあるものでなければならない……ということですね。 それができれば、かっぱんでも生き残ることはできると。

  • 何十年か前に、印刷ではないのですが、活字を使ってゴム印を作る仕事をしていたことがあります。その時も、たしか築地の方が注文をとりに来ていたと思います。まだやられていたとは…その頃、他に、同じく吉野町に吉田活字、高島町に千代田、関内にモトヤが有ったんですが、みんななくなっちゃったんでしょうね。

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