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災害に強い人づくり!横浜市の「防災ライセンス事業」ってなに?

ココがキニナル!

横浜市の防災ライセンス事業はいい取り組みだと思いますが、市民でないと講習が受けられません。横浜在勤や横浜で活動する団体にも対象を広げる予定はないのでしょうか?(ちぐささんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

災害時における応急活動のリーダーを育成して地域防災力の向上を図ることが目的で、横浜市民以外も講習は受けられるが、備蓄資機材は各自治体で異なる

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ライター:はまれぽ編集部

講習会の様子は?(つづき)


共進中学校では生活資機材取扱リーダー講習会を実施。2万人の市民1日分(一人当たり3リットル換算)を蓄えている「応急給水栓」の開栓方法と、一度で120食分を炊ける「移動式炊飯器」の取扱い方法のほか、仮設トイレの設置方法を学んだ。
 


応急給水栓には約6万リットル貯水している
 

蒸らす時間を入れて約40分で120人分の米を提供できる


仮設トイレについては和式・洋式と二種類の備えがあるが、衛生面を考えると、まずは5000回分の凝固剤と消臭剤による簡易トイレ(トイレパック)の使用を優先させているという。
 


和洋2種類の仮設トイレが備蓄されている


日枝小学校の救助資機材取扱リーダー講習会は、レスキュージャッキやエンジンカッター、投光器を実際に扱った。

ガソリンを使用した発電機は、エンジンで発電し、投光器などの電源として活用、連続で約3時間周囲を照らすことができる。ただし、発電機の取扱い時には、換気の悪いところでは使用しない、燃料のガソリン及びその気化ガスは、爆発性が高いので、事故などを起こさないように十分な注意が必要という指導があった。
 


曇り空でも充分な明るさ


重量約8kgのエンジンカッターで、金属を切断する際に火花が10メートル近く飛ぶんでしまう。そのため、周りに可燃物がないかを確認することや、危険防止用の保護具を使用すること、操作中はカッターの前後には、人を近づけないなどを徹底した。
 


サポートは必要


約 1トンの重量を27cmほど持ち上げられるというレスキュージャッキの指導では、倒壊家屋に見立てた屋根部分を準備。資機材取扱指導員が「実際に壊れた建 物などの重量物を持ち上げる場合には、建物の中心と左右の端どこの部分にジャッキを置くべきか」などの確認をしながら作業を体験した。
 


誤った使い方をすると使用者が重量物の下敷きになってしまう恐れも


参加者からは、「自分の住む地域や職場に戻って体験したことや、取扱いマニュアルなどの情報を共有したい」などと好評だった。
ただ、中高年層の参加者が多かったことから「実際に機動力がある若い人にも、もっと参加してほしい」という声も上がった。
 


「もっと幅広い世代に参加してほしい」という声も


同事業は行政でなく、意欲のある講習会を受けた市民が、「資機材取扱指導員」として市民の方々に指導するのも特徴。


指導員は市民で、すべてボランティア


このことについて、同課の池谷充隆(いけのや みちたか)防災拠点・帰宅困難対策担当課長は「講習会を受けた人が幅広く関わってくれている。共助の気持ちが広がっているのを感じる」と話している。


「もっと共助の輪が広がってくれれば」と池谷課長


当日、指導員のリーダーを務めた永山浩司さんは10年前に同僚を心筋梗塞で亡くしたのをきっかけに「万が一の時に何かできることはないか」と防災に興味を持ったのだといい、5年前に資機材取扱指導員講習会を受講。3年前から市民の指導に当たっている。


防災士の資格も持つ永山さん


永山さんは「東日本大震災以降、横浜でも市民の防災意識が高まっていると感じるが、同じ市内でも温度差はある。『自分たちの住んでいるところは自分たちで守る』という意識を持ってほしい。興味本位でもいいので、講習を受けてもらえれば」と話している。



取材を終えて



災害は発生しないのが一番だが、万が一発生した場合、迅速な対応ができるかが生死の境目となることも少なくない。その的確な判断をするためには、やはり日ごろから防災について考えておくことが重要だろう。

今年は関東大震災から90年であり、12月4日は、あの東日本大震災から1000日を迎えた。
この機会にもう一度自分の身のまわりの安全安心や防災、減災について考えてみてはいかがだろうか。
また、さらに興味がある人は講習に参加してほしい。そういった意識の高い人が増えることが、地域の防災には重要なことだと思う。


―終わり―
 

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  • 地域防災拠点の備蓄庫を開ける場合、そのカギを 当該庫が設置されいる学校の校長,自治会長 等の数人の方のみが預かっていると聞いたことがあるのですが、有事の場合 速やかに活用できるのでしょうか ??   危険予知の1コマとして備蓄庫を開けるため施錠をエンジンカッターで切断する姿が思い浮かびます。

  • 良い事業だと思います。ただ『講習会』『リーダー』『ライセンス証』とか制度化して敷居が高くなってるように思いました。固いこと抜きで気軽に参加できる仕組みのほうが良かったんじゃないでしょうか。

  • このライセンスとると、絶対に地域のイベント(自治会、町内会など)を手伝わないといけないというオマケ付きです…。取得はできるでしょうけど、サラリーマンには難しいかも、と思っています。

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