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ぴおシティ地下の立ち飲み屋「はなみち」の日本酒が特別な理由は?

ココがキニナル!

桜木町ぴおシティ地下の立ち飲み屋さん「はなみち」には200円を入れると自動的にコップに日本酒が注がれる自動販売機が。他の店では見たことないが特注品?なぜあのような販売システムに?(ときさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

日本酒の自動販売機は、特注品ではないが手軽さが受け「はなみち」の前身「キンパイ」時代から愛されて続けている

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ライター:ほしば あずみ

お客を愛し、お客に愛され45年



3年前に「はなみち」と名前を変えた同店は「キンパイ」という酒場が前身で、ぴおシティ誕生と共にその歴史を歩み創業45年。
 


ぴおシティのテナント案内には今も残る「立飲処キンパイ」


常連客も「キンパイ」時代から通い続けている人が少なくない。常連のみなさんが口をそろえるのは、「海鮮物の美味しさ」。「キンパイ」のころから変わらない確かな目利きだという。
 


常連さんおすすめの「マグロ(300円)」。2切れは中トロ!
 

同じくおすすめの「カマカツ(300円)」 絶対頼むべき一皿
 

野毛の飲み屋の店主(左)と白楽からお越しの常連さん


「日本酒の自販機? 珍しいかなあ。昔はどこにでもあったよ」と2人とも口をそろえる。
「昔は100円だった。どれくらい前かわからないけど」という証言も。値上がりは時代の流れとして自然なことだと思うが、オーナーによると、現在は昔より日本酒を注ぐ時間を長く設定しているという。すごいコストパフォーマンスだ。
 


「おごってあげるよ!」と野毛の店主さんに日本酒マシーンでご馳走になる
 

たっぷり入って200円


オーナーも常連さんも「珍しくない」というこの日本酒マシーンだが、本当にそうだろうか。製造元である株式会社サンシン(本社:東京都練馬区)に問い合わせてみた。
 


(株)サンシンは酒燗機などを自社製造・販売するメーカー
(カタログより)
 

「考える頭脳」をもった酒燗機


すると、販売時期は古くて記録が残っていないものの、メンテナンス記録と型番から「はなみち」の日本酒マシーンは「少なくとも20年以上は経っていると思われる。30年近くなるのでは」とのこと。
また、現存する同様の日本酒の自動販売機はほかに、東京の日本橋茅場町にある「ニューカヤバ」という立ち飲み屋にしかないということがわかった。
 


やっぱり、今や相当珍しいみたいですよ、みなさん
 

珍しいとわかったところで安心して「あん肝(300円)」をいただく
 

「ほたるいか(250円)」もいただく


お酒も食べ物もすべてキャッシュ・オン・デリバリー(注文のつど支払う)スタイル。
レジは、たとえ壊れていなくても、おそらくあまり用をなさない。注文のたびに手際よく小銭が出し入れされ、皿が運ばれ、声がかかる。
 


きびきびとした身のこなしで接客する諏訪さん


横に細長くごった返す店は、スタッフ4人で切り盛りされる。その1人、諏訪さんはキンパイ時代からの勤続35年。ぴおシティの中でも最も古くから働き続けている1人だそう。
 


常連さんたちからは「グンちゃん」と慕われている。


諏訪さんの通称は「グンちゃん」。その由来を、「軍曹だったから」「シベリアに3年抑留されていた」と常連さんたちが口々に教えてくれる。グンちゃんは微笑んで本当かどうかは語らない。年齢を伺うと「数年前に88歳だったよね」「そろそろ100でしょ」とまた常連さんたちが口々に言う。グンちゃんは黙って微笑んでいる。

常連客の1人は言う。
「ここは古くからやっていて、値段もほとんど変わらない。短冊の色の変わりよう見た? ずっと変わっていない証拠だよ」
 


すっかり色が変わってしまっているメニューの短冊は「キンパイ」時代から変わらない
 

創業時から変わらない味だという「もつ煮込み(270円)」。たっぷりの七味がたまらない


また、「お客も古くからの常連が多いしね。昔は港湾労働者が仕事帰りに立ち寄っていた。ここ10年くらいで来るお客さんも多彩になったね」とも。
オーナーによると、1人で来店する若い女性もいるそうだ。
 


平日でも17時には売り切れてしまうという「マカロニサラダ(250円)」を
 

2ヶ月通いつめてやっと注文できたというお客さんもいた

 


取材を終えて



長年愛されてきた「キンパイ」を継ぎ、「はなみち」と名前こそ違えど変わらぬスタイルで営業を続けるオーナーは、お店の信条を「常連客を大切にすること。それだけです」ときっぱり。

それは新規客を締めだすとか、歓迎しないという意味ではもちろんない。誰でも最初は新規客だ。そこから通い続けるお客になってもらいたい、お客がお客を呼ぶお店でありたいという思いが、変わらぬ値段と待たせない接客に現れている気がした。
 


17時半を過ぎると店の外までお客でいっぱいになる


お客さん側も、「“みんなの力で続かせる”っていう思いがあるんだよね。安くて美味くて雰囲気のいいこんな店、今や貴重だよ」と語る。

ぴおシティ地下の、お客を愛しお客に愛される、古き良き立ち飲み酒場。貴重な日本酒マシーンが現役で稼働しているのはそんなお店だからこそだという気がした。


―終わり―
 
はなみち
住所/横浜市中区桜木町1丁目1(ぴおシティ<桜木町ゴールデンセンター>B2)
TEL/非公開
営業時間/12:00~20:30 (土曜:12:00~19:30)
定休日/日曜・祝日
 

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  • はなみちさん、居心地良いですよ〜。飲兵衛はハマります(笑)

  • 40数年前に居酒屋で働いていた時、自動販売機ではないが酒かん器は使っていました。キンパイもゴールデンセンターの頃には何回か行った事があります。

  • 時を経て記事を見に来れば、お酒の販売機なんて珍しくないし店が残ってて残念という人が圧倒的ですか。どういう感想を持とうが自由だけど店を中傷したりサイトの品位を傷つけて楽しいのかね?

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