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ニノキン像のディープワールド! 横浜の市立小学校に二宮金次郎像は全部で何体ある?

ココがキニナル!

横浜市立の小学校で、二宮金次郎の像がある学校はどれくらいなんでしょうか。(だいさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜市立小学校全343校のうち、現段階で確認できている二宮金次郎像は37体。その中で、特に貴重と思われる作品を3体ご紹介

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ライター:河野 哲弥

「左利き」モデルがここにも、子安小学校像



横浜市内には、1872(明治5)年に発布された学制を受けて、その翌年に創立された歴史のある市立小学校が何校かある。『神奈川県二宮金次郎像特集 金次郎MAP』を見ていたところ、その中のひとつ、横浜市立子安小学校に貴重な像があることがわかった。
 


JR新子安駅から徒歩約4分、同校の入口


生徒数は本年度で882人。学校長の服部信雄(はっとりのぶお)先生によれば、子どもたちの心をひとつにするため、特に「合唱」に力を入れているそうだ。毎年2月に横浜みなとみらいホールで行われる「ヨコハマ・コーラルフェスト」では、唯一子どもたちによる歌声を披露している。
 


学校自慢は、大正時代に作られたとされるステンドグラス


「子安はかつて漁師町で、父親が長期の漁に出ている間、地域で子どもたちを育てる文化が根付いています。一説には、『子』が『安』心してくらせるから『子安』と呼ばれているそうです」と服部先生。そんな同校に建つのは、歴史を感じさせる金次郎像だった。
 


今までの分類をすべて無視する、超絶した像


まず、「左利き仕様」であることに驚いた。そして、足の出方も、銅像の典型とは逆の「左足前」。これは、1924(大正13)年に寄贈された小学校に残る最古の像、愛知県豊橋市立前芝小学校像と同じ意匠なのだ。

どのくらい古い像なのだろう。そう思って服部校長に確認してみたところ、設立された年代など、詳しい資料は残っていないそうだ。
 


実物をかたどったかのような、芝のリアル感


垂れ下がった本や一本一本の枝など、ディテールにかなりのこだわりを持つ作者が、うっかり左右を間違えたとは考えづらい。あくまで比較の上での話だが、前芝小と同じ時代に制作されたとしても、不思議ではない。
 


人名のような文字が確認できる


土台の部分には、大きさ1cmほどで、制作者と思われる「綾夫」などの文字が彫られていた。銅像制作技術が発達すると、原材料を節約するため、ひな形を3分の1程度のサイズで作成するようになっていく。

もしこの像が同様の造られ方をしているなら、ひな形には3mm程度の文字が彫られていたことになるが、あまりに細かすぎて考えづらい。つまりこの像は、目伸ばしという技術が広まる以前に、原寸で造られた可能性がある。

ほかにも初期の作品と思われる形跡が多く、ニノキンの歴史を塗り替えそうなポテンシャルを秘めた、大変貴重な像といえるだろう。
 


仏様のような柔和な表情、鉄(くろがね)小学校像



次は、一風変わった石像を拝見することにしよう。青葉区にある「鉄小学校」も、1873(明治6)年創立の、横浜で最古となる市立小学校。学校長の小林広昭(こばやしひろあき)先生によれば、同校では30年ほど前から、付近の田んぼを借りて稲作に取り組んでいるのだとか。
 


生徒数180人の同校外観


毎年11月に行われる「収穫祭」では、刈り取られたもち米を蒸し上げ、保護者にも参加してもらいながら約200kgに及ぶ餅をつくのが恒例。雑煮やきな粉餅などにして、秋の味覚を楽しんでいるそうだ。
 


緑が残る、同校周辺の上空からの様子


「青葉区は新興住宅地というイメージがありますが、古くから続く農地もたくさん残っています。子どもたちには、『収穫祭』を通じて、地域との関わりや生活の知恵などを学んでほしい」とのこと。そんな同校には、比較的新しい、1992(平成4)年設立の金次郎像がある。
 


足はほぼ平行、これもまたパターンを打ち破る見どころ
 

着ているものや表情に、仏教の思想が感じられる


地蔵や大仏に見られる「法衣(ほうえ)」のような衣装を着ていることについて、小林先生は、「仏具などを扱う石材店が制作したので、もしかしたら、仏教の影響が出ているのかもしれませんね」と話す。
 


芝の造りが、衣装とは対照的におおざっぱ


足元に切り株のようなものを配置しているのは、上述したように、石像ならではの特徴。しかしこの物件の場合、足がほぼ平行なので、実質2点支持となる。前方への転倒が気がかりだが、大きなランドセル状の芝があるので、意外と安定しているのだろう。
 


戦時供託を免れた、日吉台小学校像



鉄小学校の小林校長は以前、港北区にある日吉台小学校に赴任していたことがあるそうだ。「日吉台小には、貴重な金属を回収した戦時供託によって多くの金次郎像が消えうせる中、当時の校長が隠したとされる金次郎がある」というので、伺ってみることに。もしそうなら、戦争を生き延びた、全国でもまれな物件ということになる。
 


こちらも、1873(明治6)年創立


「当校では、生徒たちの一体感を育むために、創作ダンスに力を入れています」と話すのは、日吉台小学校の学校長、小磯喜久治(こいそきくじ)先生。毎年11月に行われる「日吉台フェスティバル」に向けて学年ごとに勝ち抜き戦が行われ、当日は優勝したダンスを、全校生徒622人で踊る。
 


1935(昭和10)年ごろに作られた、学校の宝物


ちなみに、前回の優勝曲は、ORANGE RANGEの「ZUNG ZUNG FUNKY MUSIC」とのこと。
では、問題の金次郎像に案内していただくことにしよう。
 


着物で右足前、銅像系金次郎像の典型
 

表情も豊か、富山県産の特徴がいくつか確認できる


小磯先生によれば、9年ほど前に校内を整理していたら、たまたま発見したのだという。例の戦時供託の件を聞いてみたところ、実は、そうではないらしい。
 


1947(昭和22)年ごろの同校の写真、金次郎健在


像の台座には、「皇紀2600(1940・昭和15)年寄贈」とあったので、戦前に立てられた像であることは間違いない。そして上記のように、戦後も引き続き残っていたことから、没収そのものが行われなかった可能性が高いとのこと。

「1962(昭和37)年に校舎を鉄筋に造り替えたので、そのとき一時的にしまわれ、忘れられてしまったのでは」と小磯先生は続ける。どうやら、意図的に隠した訳ではなさそうだが、貴重な像であることには変わりがない。
 


意外と名作ぞろい? 横浜市の金次郎像



何だか、論文のような記事になってしまったが、金次郎像の奥深さがわかっていただけたらうれしい。それにしても、以前紹介した西平沼の「瀬戸物金次郎」といい、横浜には驚かされるばかりだ。
 


着物なのに左足前の、渡邊直治商店像


もし要望があるなら、川崎編、湘南編も続けてみたい。また、金次郎の故郷である小田原市周辺には、座っている像、わらじを配っている像、ひざまずいて祈っている像などのレア物件がひしめいている。
ぜひご紹介したいと考えているのだが、いかがだろうか。


―終わり―
 

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  • 服部校長って1〜6年生のプールを炎天下でも必ず見に来るって噂の校長先生で、デマかも知れないけど校長室で女子小学生と卑猥な事して辞めさせられたのに、横浜市発表では円満退職みたいな事書いてあった。

  • 緑区の三保小にある二宮金次郎像は近所の地主のお宅の庭にあったものを寄付されました。

  • 歩き携帯禁止 歩きスマホ禁止 歩き読書禁止ってことで 撤去され始めていると聞いたが まだこんなにあるのか 驚いたよ

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