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四角いピザで有名な本牧のバー「IG(イタリアンガーデン)」の今と昔について教えて!

ココがキニナル!

本牧通り沿いに昭和の時代から取り残されたような「IG」というバーがあります。いかにも駐留米軍が通っていたようなバーで、横山剣さんにも縁があるようなのですが凄くキニナル!(sakuraさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「IG」は本牧エリアが最も輝いていた1960~80年代の名店、「イタリアンガーデン」を引き継ぐ古き良きアメリカンな雰囲気のバー

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ライター:大和田 敏子

横山剣さんとの深い縁!



いよいよ、キニナル横山剣さんとのつながりを八木さんにうかがってみる。
横山剣さんと出会ったのは、旧イタリアンガーデンの経営にかかわるようになる前、八木さんが洋品店をやっていたころ。当時17歳くらいだった剣さんは、「ロックンロールのバンドをやるんですけど、ステージ衣装にいいやつないですかね」と言いながら店に通い、八木さんを慕っていたという。

剣さんがバンドホテルのシェルガーデンなどでライブをやるようになってからは、八木さんは、まだそういうライブの楽しみ方を知らない客をリードし、紙テープなどを持参してライブを盛り上げに行っていたそう。
 


旧イタリアンガーデンは収容人数約80人。ライブのできるスペースもあった

 
八木さんが旧イタリアンガーデンを営むようになってからは、剣さんは月に2回(1回はライブ、もう1回は山崎廣明さんやIKURAさんらとともにDJとして)店のステージに立っていたという。ここを「伝説の地下室」と命名したのは、横山剣さんだ。
 


以前、はまれぽのインタビューに応えてくれた横山剣さん

 
旧イタリアンガーデンでライブをやった5年の間に、剣さんはいくつかのバンドを結成・解散し、イタリアンガーデン閉店の年にクレイジーケンバンドを結成。今の「IG」になり、ライブのスペースがなくなってからは、残念ながらライブの場を長者町「FRIDAY」に移す。

クレイジーケンバンドの2012(平成24)年発売のアルバムタイトルは「ITALIAN GARDEN」。同年に「ITALIAN GARDEN」と銘打ったツアーを行った。
 


横浜で行われたツアーラストステージの後での記念写真

 
ステージには、旧イタリアンガーデンがあった当時の建物がセットとして再現され、演出に使われた。イタリアンガーデンと横山剣さんの縁の深さを物語るエピソードだ。



四角いピザとオリジナルのホットドッグ!



リキシャルームや旧イタリアンガーデンで誕生した四角いピザは現在のイタリアンガーデンに引き継がれた。
その四角いピザをいただくことに。作っていただいたのは、定番人気のミックスピザ(1300円)。
 


八木さんが自ら作った生地にピザソースを塗る
 

玉ねぎ、ピーマン、マッシュルーム、ハム、サラミをのせる

 
「本牧といえば四角いピザだから、本牧で店をやる人には、ぜひ四角いピザを出してほしい!」と八木さんは言う。今では10軒近くの店が四角いピザを出しているそうだ。
 


焼き上がった熱々のピザ

 
薄い生地に、生地と同量なのではと思うほどたっぷりチーズが乗っている。パリッとした食感で、チーズと具材のバランスも良く、いくらでも食べられそうなおいしさ!

もうひとつの人気メニュー、オリジナルのホットドッグも作っていただいた。
 


使うのは、こんなに長いソーセージ

 
実はこのオリジナルのソーセージとの出会いには、ひとつのストーリーがあった。
八木さんが幼いころ、何度か連れていってもらった後楽園遊園地。一番の思い出は乗り物ではなく、そこで食べたホットドッグのおいしさだった。時は流れ27歳のころ、インテリアデザイナーをしていた八木さんは祐天寺のカフェ出店にかかわる。当時、八木さんは、内装だけでなく、メニュー作りから仕入れをする食材屋さんとの交渉にまでかかわっていた。

そこで、何と、後楽園遊園地にソーセージを卸す会社にいた営業のおじいさんに出会う。製造中止になっていたソーセージだったが、どうしても食べたいという八木さんの熱意に動かされ、幸い残っていた当時のレシピで、ソーセージを作ってくれた。いわば後楽園遊園地のソーセージのリバイバル版。
これが、同店のホットドッグのソーセージになった。パンもたくさんのパン屋さんを回って、ソーセージに合う甘くなく柔らかすぎないパンを作ってくれる店を探して、特別に作ってもらったのだという。
 


オリジナルのホットドッグ(600円)。「IG」と焼き印のついたパンもオリジナル

 
普通にイメージするホットドッグより長く、ソーセージの赤みが強い。キャベツと好みで刻んだ玉ねぎとピクルス、ケチャップ、マスタードをつけて食べられるようにして出される、昭和の味。

八木さんのお話をうかがったせいなのかもしれないが、どこか懐かしい味だと感じる。パリッとしたソーセージは味が濃すぎることなく、パンとの相性も抜群。文句なしにおいしい!
「ホットドッグで600円は高いとは思うけど、全てオリジナルでコストがかかっているから、安くはできないんだよね」と八木さん。

メニューを眺めていると、キニナルカクテルがあった。
 


35年前に「ジミーさん」が作ったオリジナルと書かれたカクテルのメニュー

 
Siberian tool kit(シベリアンツールキット)というカクテル。ジミーさんとは、ハリーさん時代のイタリアンガーデンのマネージャーで、現在中華街にあるウィンドジャマーのオーナーだ。「Limit is three」と書かれているのもキニナル。
 


Siberian tool kit(1500円)を作っていただく

 
甘いカクテルが「ジンフィズ」ぐらいしかない時代に、ジミーさんが考案したカクテルだという。ウォッカ、ウイスキー、コーヒーリキュール、アイスクリームが入っているこのカクテル、確かに甘い! 甘いとは言っても、アルコール度数はかなり高いはず。「Limit is three」は、甘くて女の子が飲み過ぎてつぶれてしまうので、「3杯以上飲んじゃダメ」という忠告だそう。45年前から、このカクテルで酔いつぶれた女の子はどのくらいいるのだろうと思いめぐらす。

ピザやホットドッグをいただいた後、店の2階に準備中だという八木さんの事務所を見せていただく。
 


階段横には、横濱帆布鞄とコラボのIGオリジナルバックをディスプレイ
 

棚いっぱいのレコード。段ボールの中にはCDが詰まっている
  

本牧通りを見渡せるベランダに立ってみる

 
「このベランダからの景色は最高!」と八木さんは言う。本牧のさまざまな歴史を見てきた八木さんにとって、思い出がぎっしり詰まった本牧通りを見渡せるここに立つのは、ひときわ感慨深いことだろう。

開店時間、午後7時を30分ほど過ぎたころ、今日1人目の客が店に入ってきたのを機に、尽きることのない本牧の話に区切りをつけて取材を終えた。

「やっぱり、いい店だね。僕は鎌倉から来ているんだよ」と話し始めるお客さんに、「そうでしたね、覚えていますよ。またいらしてくれたんですね」と八木さんが答える。
「IG」の心地よい空間を名残惜しく感じながら、店をあとにする。
 


夜が更けるほど魅力が際立つ「IG」。まだ宵の口の午後8時前

 


取材を終えて



「IG」には、日本全国からお客さんが訪れるという。「ケンちゃん(横山剣さんを八木さんはこう呼ぶ)のおかげかな」と八木さんは言うが、きっとそれだけではない。どこか懐かしく落ち着ける店の雰囲気、個性的でありながら温かな八木さんの人柄に触れると、また来てみたいと思うお客さんも、きっと多いことだろう。

八木さんの多彩な経歴の中でつくられてきた人脈はすごい! 本牧から生まれたたくさんのミュージシャンや有名人の話、横浜にかかわるおもしろい話をたくさん聞かせていただいたが、ここに書き切れないのが残念!
いつかまた、そうしたエピソードを伝えられる記事が書けたらと思う。


―終わり―

 
IG(Italian Garden)
住所/神奈川県横浜市中区本牧町1-106-2
電話/045-623-6901
営業時間/19:00~翌3:00
定休日/日曜日(三連休挟む日曜日は営業)
 

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  • VENICEのピザは確かに美味しかったですが、わたしはビザの出待ちに必ずサラダを食べていました。若かったせいもあってお代わりしたこともあります。VENICEのドレッシングは格別でした。あれから35年、あのドレッシングを超えるものにまだ出会えていません。

  • 昔よく食べにいった本牧のピッザ店VENICEの消息を知りたくてGOOGLE検索からこの記事(I・G)に到達しました。この記事をよんで、近々、き時代の本牧の香求めて歩き回ってみたいと思いました。

  • 写真にありましたピッザ店 VENICE にはよくピザを食べにいきました! 懐かしいですね、もう一度あの味を食べてみたいです。かなり前に閉店しましたが、どなたかその後の消息をご存知ないですかね? 

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