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横須賀の横須賀海軍施設付近に堂々と人種差別をしている英語の看板があるって本当?

ココがキニナル!

横須賀の米国海軍基地のそばにある諏訪大神社は、鳥居手前に「米軍関係者は立ち入り禁止」と英語で看板を掲げています。人種差別的な処置に思えます。過去に何かあったのですか?(にゃーさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

看板は神社側ではなく米軍側が設置。1972年に近隣で酔った米兵などが住宅地や施設などに侵入して来ないようにする注意喚起のため設置した

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ライター:小方 サダオ

米軍基地周辺の住民と米兵との間にトラブルはあるのだろうか?(つづき)
 
つづいて基地問題の事情について伺うため、横須賀市役所の基地対策課を訪れた。
 


横須賀市役所


担当の飯島さんは、「これらの看板は、米軍の軍人が入って来ないように、“ここから先が私有地であること”を知らせるために、米軍のほうで作っています。近くのバーなどで飲んだ米兵が私有地に入ってきたりすることのないように設置しています」と答えてくれた。
 


市立汐入小学校の前に掲げられた立ち入り禁止の看板
 

市立汐入小学校


このような問題は多く起こるのか、と伺うと「住民と米兵との間で問題が起こった場合は、当事者同士、住民と防衛省もしくは米軍との間で話し合って解決してもらっています。基地対策課に住民からの看板の設置に関する依頼が来ることはありません」とのこと。

最後に米軍側にこの看板についての回答を飯島さんにお願いした。後日いただいた回答が以下のものだ。

横須賀防衛事務所が米海軍横須賀基地へ照会して得た回答は「諏訪神社への看板は、米軍が諏訪神社や町内会などと協議し、了解を得て設置した。このほかのOFF LIMITの看板は、基地周辺の市街地の学校や私有地等に誤って入らないよう地元町内会等と協議し、了解を得て設置している」とのこと。
 


ドブ板通り商店街に設置された監視カメラ
 


警察によって設置された監視カメラだろうか?


「誤って入らないように」とは敷地の境目が外国人だから判別できない、ということではないだろう。やはり酒に酔った上で敷地内に無断で入り込み、問題を起こす米兵がいるからなのではないだろうか?

ふたたびドブ板通り商店街に戻って住民の方に話を伺った。



住民たちは米兵をどう思っているのか



ドブ板通り商店街で町内会に関わっているM・Kさんに、看板と米兵との問題について伺った。

「看板は米軍の指導のもと、米軍の兵士が学校内などに入らないように、と設置しているものだよ。でも立ち入り禁止の看板の先に住んでいる外国人もいるし、必ず外国人が入れないというわけではないよ」
 


米軍関係者への不動産物件を中心に扱っているようだ


「米兵の振る舞いは今も昔も変わらないね。引っ越しの時など勝手なところに荷物を置きっぱなしにしたり、ゴミの分別を言っても守らないしね」と答えてくれた。
 


駐車場の前の自作の看板

 

住宅地の前の自作の立ち入り禁止看板


ある山のふもとに、「立ち入り禁止」看板を発見した。その先にはお寺や住宅が斜面に建っていた。近くの民家に住む人に話を伺った。Sさんという男性は怒り交じりの調子で次のように答えてくれた。
 


山のふもとの立ち入り禁止の看板


「この看板は外国人が山のほうに入って行かないようにするものだよ。飲み屋で酔っ払った外国人が女の子を山のほうに連れて行って悪さをしたりするからね。山が逃げ場所のようになっているんだ。警察としても外国人を山のほうに入れさせたくないんだよ。以前は警(けい)ら板があって警官が巡回にきたけど、今はなくなったから不安だね」
 


住宅地の手前の看板


「昔はひどかったよ。酔っ払った外国人がうちを旅館と間違えたのか、ずかずかと入ってきたりしたし、20年以上前にはさいか屋の前でナイフ振り回したりした事件もあったしね。外国人目当ての日本人の女も悪いんだよ。外国人が今は経済的に厳しくてお金がないのか、女のほうがおごったりするんだよ。それでトラブルに遭ったりしてる・・・」とのこと。

さらにすぐ近くにお店を構える男性K・Mさんに話を伺う。

「そこの看板がついているのは、ふもとに飲み屋があって山には住宅地があるからだよ。2年前、酔っ払った黒人の水兵が日本人の女の子のカバンをひったくって山のほうに逃げたことがあったからね。米兵は問題を起こすことが多いから、看板もあるしMP(米軍警察)が毎日巡回したりしてるよ。でもある外国人が休みの日に友達をお寺に案内しようとしたとき、看板の先のお寺を見れなかったことがあったそうで、かわいそうだったね」と答えてくれた。
 


この階段を登ると多くの住宅が建っている

 

山のふもとの寺院・良長(りょうちょう)院


そこでその山を登ってみた。すれ違った通行人に米兵の事件に関して伺うと、「最近の米兵が起こした事件だと、米が浜(よねがはま)の女性殺人事件と汐入駅裏のタクシー運転手の殺害事件が問題になったよ」と答えてくれた。
 


大勝利山(だいしょうりやま)


後日、読売新聞の記事を調べると、米が浜の女性殺人事件は2006(平成18)年の1月、タクシー運転手殺害事件は2008(平成20)年3月に起こっていた。

どうやら看板は、ドブ板通り商店街で飲む米兵をふもとで食い止め、住宅地の多い山のほうに入れないようにするためのもののようだ。

つづいてドブ板通り商店街の裏手でお店を経営する、元気な年配の女性Nさんに、住民と米兵との問題について伺った。

「十数年前だけど、ドブ板通りで結婚式のパーティーをしていた日本人の団体の中の振袖を着た女の子に、酔っ払った外国人がからかって声を掛けたのよ。するとそれに日本人が怒り、最初は数名同士だったんだけど、周りにいた日本人たちと外国人たちが加勢していって大喧嘩になったの。MPも警官も大勢来たけど、止められなかったほどよ」
 


日本語と英語で書かれた小便禁止の看板


「日本人は外国人にけがをさせられて病人が出たから、自分の息子も一緒になって訴えたんだけど、米軍ともめたくなかったからか、警察は『被害届けは出ていません』なんて言ったのよ。息子も怒って、ドブ板通りに読売新聞の支社があったからそこに訴えたの。すると一転して警察は『被害届けは出ています』と言い出したのよ。昔は問題が起こっても情報が(米軍の)司令官まで行かないで途中で切れていたみたいね。でもこのときは司令官が市長に謝りに来たわ」
 


アパートの入り口に掲げられた「立ち入り禁止 日本人のみ」の看板


「酔っ払った外国人といえば、十数年前のこと、自宅の屋根に白人が上ってタバコを吸っていたことがあったわ。そこで基地に電話するとMPが来て引きずりおろしてくれたわ。その後本人が上司と一緒に謝りに来たわ。苦情でよく電話しているから受付の人も『またNさんね』っていう調子なのよ」
 


横須賀海軍施設


「また自宅の前に外国人バーがあったときは、店からあふれて道端で飲んで騒ぐのよ。外国人にぶら下がってくる日本人の女の子なんかも一緒に。『そんなところにいるな!』ってよく注意してたわ。でもそれも外国人が多かったころのことで、今は外国人相手のバーも少なくなったし、静かになったわね。東京に家族を持っている軍人なんかは、このあたりで飲まなくなったしね」と答えてくれた。
 


金曜日にもかかわらず人影はまばらだ。午後9時を過ぎるともう少しにぎやかになる
 

アメリカンカルチャー的なセンスのバーが多い


後日読売新聞の記事を調べると、1994(平成6)年10月2日の記事(抜粋)に、「米兵と日本人男性のけんかから双方百数十人がにらみ合い負傷者七人が出た。九月二十五日深夜の事件を受け、同基地の司令官が市長を謝罪訪問、夜間巡回するMPの強化を約束した・・・」というものがあった。

他県などでも問題を起こした米兵の身柄を警察に引き渡さないなど、事件捜査のペースは米軍になってしまうことはよく聞くので、警察の難しい立場も理解できる。
 


ドブ板通り商店街通りから数分の距離に横須賀警察署がある