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1日4便しか運行していない激レア路線、和田町~保土ケ谷駅間の市営バス22系統は採算が取れているのか?

ココがキニナル!

保土ヶ谷駅と和田町駅から出る22系統が、一部区間が激レアらしく一日の限られた時間帯にしか通らないみたいです。なぜ開通したのか利用者はどのくらいか市営バスのコメントは!?(藤塚町さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

相鉄線和田町駅とJR保土ケ谷駅を結ぶ22系統は1日4便、仏向原坂経由の利用者は平日約40人。住民の要望によって開設された!

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ライター:すがた もえ子




とたんに訪れる静けさ
 

振り向いても誰もいない・・・


雨予報が出ていた取材日はどんよりとした雲に覆われていた。雲行きが怪しいのと、誰もいない様子にちょっとだけ不安になってくる。
予定では地元の方からお話を伺う予定になっていたのだが・・・。
 


「仏向地域ケアプラザ前」時刻表。


平日午前9時36分、午前11時08分、土休日午前10時40分、午後0時17分。
反対路線のバス停には・・・
 


運行ルートと時刻表が貼ってあった


平日午後2時8分、午後3時43分、土休日午後2時44分、午後4時42分となっている。和田町駅行きの便は、午後に集約されているようだ。

さて、どうしようかな、と途方にくれてしまった。
ごくまれに車が走り過ぎていくだけで、人通りは多くないようだ。ひょっとしたら時間ギリギリでないとバス停に人は来ないのかもしれない。思案していると、バス停の名前にもなっているケアプラザに車が入って行くのが見えた。おお、人がいる!
 


横浜市仏向地域ケアプラザ


だがしかし、声をかける間もなく車から急ぎ足でケアプラザに入っていってしまった。ここで働いている人かもしれない。
そもそも車を運転している方なのだから、わざわざ本数の少ないバスを使うだろうか。
・・・これは、まずい。

数少ないバスが出たばかりというタイミングの悪さに加え、今にも雨が降りそうなお天気だ。用事がなければ外出も控えるかもしれない。
 


そう思っていると、筆者の前を通行人が通り過ぎた


通りかかったのは近所に住むという女性、Y・Kさんだった。ケアプラザにヨガの教室で訪れたのだという。仏向地域ケアプラザは公民館のようにさまざまな教室や講座が開かれており、地域の憩いの場になっているようだ。

「バス? たまに乗りますよ。なくなっちゃったら困る! ケアプラザに来て、帰りにバス乗りたくても本数が少ないから無いのよね。ここから少し坂を降りたところのバス停まで行かなくちゃいけないの」と話してくれた。
 


急ぎヨガ教室へ向かうY・Kさん


この辺りにお住いの方には、22系統は重要な足なのだと教えていただけた。

その後もしばらく待ったが、通行人は通らず。
筆者はY・Kさんの言っていた、少し坂を降りた所にあるバス停へと向かってみることにした。
 


この風景。かなり高い位置にいるということが分かる
 

カーブする坂を少し降りて行く


ケアプラザから5分ほどで「橘中学校」と書かれたバス停が見えてくる。
 


このバス停は、よく見るタイプのものだ
 

黒丸がついているのが仏向原坂ルート和田町駅行き


ちょうど通常ルートの22系統が到着するようだ。
 


到着したバスはやはりミニバスだった


ここから和田町駅前を経由し、22系統の終点となる保土ケ谷駅へと向かうため、筆者はこのままバスに乗り込む。

バスは坂道をずんずん下り、和田町駅前へと到着する。そのまま、星川駅前を通って終点となる保土ケ谷駅へと進んでいく。
 


終点のJR保土ケ谷駅到着
 

こちらが22系統のバスが止まるバスターミナル


見ていると、この22系統の乗り場には結構頻繁にバスがやってきているようだった。
 


黒丸が付いているのが今回の逆ルートとなる大門通経由和田町駅行き


ちなみに保土ケ谷駅西口を発車する仏向原坂経由の22系統は、平日が午後1時49分発、午後3時24分発(土休日午後2時25分発、午後4時23分発)の2本でどちらも午後の発車になる。
本当に、なぜこの2本だけなんだろうか。
 


保土ケ谷駅西口にあったルート図

保土ケ谷駅から出発する大門通経由の路線は、仏向原坂を通る路線のひとつのようだ。
レア区間である仏向原坂経由の22系統を乗車した筆者はさまざまな疑問を解決するために、路線を管理している横浜市交通局へと向かうことにした。



横浜市交通局にお話を伺う



横浜市営地下鉄ブルーラインの高島町駅に到着すると、予報通り雨が降っていた。それでも凍えるような冷たい雨ではなく、季節の移り変わりを感じるお天気だ。
 


横浜市交通局が入っている横浜花咲ビル
 

本日はこちらの6階へお邪魔させていただく


今回ご対応いただいたのは横浜市交通局自動車本部路線計画課長の真籠俊彦(まごめ・としひこ)さんと、同じく路線計画課路線計画係長の木嶋幹(きじま・たかし)さんのお二人だ。
 


路線計画課長の真籠さん。木嶋さんは写真NGだった


それではさっそく、さきほど乗車してきた和田町駅と保土ケ谷駅を結ぶ22系統のバス(仏向原坂経由)についてお話をお伺いする。
仏向原坂経由の22系統は2010(平成22)年3月23日に、もともとあった22系統の路線に追加ルートとして開通した。

「地域の方からのご要望があったので、運行することになりました」という真籠さん。
実際に乗車した時にも感じたが、仏向原坂経由の追加ルート区間は坂道ばかり。
和田町駅との高低差が最大で80メートル。上り下りするのも一苦労のため、地域住民のみなさんからバス路線を開通してほしいという要望が寄せられていたそうだ。

こうした声を受けて検討を重ねた結果、実現したのが仏向原坂経由の追加ルートだったのだという。
 


22系統仏向原坂経由の所要時間は約27分


「要望があれば路線を開通してもらえるんですか?」と尋ねてみると、必ず開通できるとは限らないとのことだった。

まずは利用者はどう見込まれるか、開通にあたって必要となるバス車両や乗務員をどうやって捻出するか、などを判断しなくてはならない。また物理的な問題として、バスの車体が通れる車道か、バス停を設置できる広さの場所があるか、設置の了承を取れるかなど、条件はいろいろとあるという。

バスは通ってほしいが自分の家の前にバス停を置いてほしくないとか、バスは便利だけどスクールゾーンだからこの道は走ってほしくないとか、理由はさまざまだ。
 


要望があってバスを開通するにも、検討することはたくさんあるのだ


今回取材した22系統の追加ルートを開通するにあたっても、全体的に道が狭いためミニバスでの運行となり、バス停の置き場所にも困ったため、横浜市交通局で使用されている最小のバス停を導入したとのことだ。だからあの区間だけ停留所の標識が違っていたのだ。

もともと緑区の一部で使われていたタイプのものを導入。最小のバス停というが、それでも設置場所には苦労されたようだ。

「仏向原坂経由のバス停は、地域の方と一緒に考えたんです」という真籠さん。
目印になるものもほとんど無いため、地域の方がわかりやすいバス停名をと地域の方と相談しながら決定した。
 


確かに「消防器具置き場前」などユニークなバス停名があった


どこにあるのだろうと思った「福田園芸前」の福田園芸さんはビニールハウスのことらしい。福田園芸さんが運営している畑(直売もあり)が目印というのは、地元ならではだろう。



それでは、どれくらい利用者がいるのだろうか?



22系統仏向原坂経由の利用者は、1便につき平日で1日50~60人。ただし追加ルートのみに限ると10人ほどだという。たしかに取材で乗車した日もそれくらいだった。
4便運行なので、単純計算で1日に40人ほどの方が仏向原坂ルートを利用されているということだ。

地域の交通不便を解消するために開通された路線は、利用者もほとんどが地域の方に限られているのかもしれない。
 


午前と午後のルートに分かれている運行ルート


「バスの本数や時間帯なども地域のみなさんの声を元にして決めました」と教えていただく。

バスの時間が和田町駅が午前、保土ケ谷駅が午後とかたよっているのも、朝は相鉄線和田町駅から出かける方のため、午後はJR保土ケ谷駅から帰ってくる方のためという理由からだ。

和田町駅→仏向原坂回り→橘中学校→仏向町団地→和田町駅→大門通→保土ケ谷駅西口(保土ヶ谷駅発は逆ルート)というルートを運行するため、和田町駅と保土ヶ谷駅の二つの駅を利用できるようになっている。

だがしかし、仏向原坂ルートの利用者が1日40人程度とは、採算は取れるのだろうか?
 


ずばり聞いてみると「赤字です」という答えが返ってきた


各路線ごとの収支は横浜市交通局のホームページで公表しているとのことで、採算はとれなくても地域の交通不便の解消のために運行している。そのため本数を増やすことは難しいらしい。

この仏向原坂ルートを追加開設するにあたっても、もともとあった22系統の本数を減らすなどして調整にあたったのだという。もともとのルートの住民の方と追加ルートの住民の方で話し合いを重ねた結果、現在の形に辿り着いたそうだ。

待望のバス路線は地域のみなさんの無くてはならない足となっている。




取材を終えて

今回現地で取材させていただいて感じたのは、地域の方の大事な交通機関になっているということだ。
車を運転できる方はそうでもないだろうが、運転できない方にとって高低差最大80メートルという坂道の続く環境はかなり厳しそうだという印象を受けた。

また運行しているミニバスだが、赤い色の車体はかなりレアなのだそう。
管轄の保土ケ谷営業所に2台しかなく、どのルートを走るのかは固定でないとのこと。
ただし22系統には比較的多めに運行しているそうなので、ほかの路線と比べて出会える機会も多いようだ。

レアな路線でレアなバスに乗るのもおもしろいかもしれない。


―終わり―
 

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  • また横浜市交通局に多数存在する「子系統」ですね。慣れていない利用者だと同じ系統番号なので、市内各地で乗り間違えも発生しているようです。最近は多少整理されているが41系統なんて酷いものでしたよ。トータル系統数が増えてしまうものの、違うルートを走行するなら個々を全て独自の系統番号にすれば明確なのに!と常に感じているのですが。日常的に利用している方は何も気にならないと思われますが、不特定多数の方が利用する公共交通ですからね!

  • こう言う、住宅地の中を走るマイナールートは、端から採算割れ前提の地域サービス路線でしょ?

  • 実は実家の一番近くを通るようになった公共交通機関。だが普段は和田町駅から徒歩15分で帰省してます。まだバスを見かけたことすらないのであった。(^^;今回の記事で「仏向原坂」よりも「消防器具置き場前」停留所からのが実家は近いことが判りました。ありがとうです。機会があれば乗ってみたい。

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