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ひと声かければ全国の酒人が集まるという、謎の店主がいる関内の「丸十酒店」に突撃!

ココがキニナル!

関内にある丸十酒店の店主がキニナル。店の中心に巨大な冷蔵庫。通路には山積のお酒。この店主が一声かければ全国の蔵人が集るとか。人となりや希少なお酒を扱えるようになった経緯を調査して!(HAMA虎さん)

はまれぽ調査結果!

1988年開業の丸十酒店の酒を愛する店主は、酒問屋から独立。酒蔵を大切にしていきたい、と全国の酒蔵に直接足を運んでいるため稀少な酒がある

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ライター:はまれぽ編集部

美味い酒を求め、自身の足で蔵元へ



「午後7時ぐらいからやってるから、おいで」と優しく案内してくれた広段さん。10月某日、再び丸十酒店を訪れた。
 


ただ飲みにきただけではない、そう言い聞かせても心が浮立つ

 
すっとビールを用意してくださり、にこやかに迎え入れてくれた。
 


筆者の顔に「生ビールください」と書いてあったのだろうか
 

コップをくいっと傾けているのは「酒を愛する仲間(写真右)」。名前は麻生さん

 
麻生さんと広段さんはもう4年ほどの付き合い。なんと、麻生さんも過去にはまれぽに登場していた。
 


家系ラーメン店「ぱるぷん亭」のオーナー麻生達也(あそう・たつや)さんである

 
麻生さんは目下、上大岡にて10月下旬開店予定の日本料理、江戸前鮨の店「まほとら」のオープン準備中とのこと。繊細な日本料理に極上の酒を合わせたい。そこで以前から信頼している広段さんに、店で出す日本酒の相談をしに来ているとのことだった。
 


「まほとら」もキニナル

 
「広段さんは酒が好きだからね、ゼッタイ飲みながらここで話を聞いたほうがいいよ」。そう豪快に笑う。酒が似合うなあ。しばしの談笑で酒が進む。
 


あっという間にビールのコップが空いた

 
続いていただいたのは富山の蔵元、富美菊(ふみぎく)酒造の日本酒「羽根屋 純吟煌火(きらび)生原酒」。ひとくち口に含むとふわあっとフルーティーな香りがする。すっ、と喉元を通るときには透明な味になり、また口の中に甘さが広がる、といった印象。
 


まあ、飲みなよと続いて「十四代」を注いでくださる
 

数が少なく市場に出回ることの少ない山形、高木酒造の「十四代」

 
そろそろ、酔いがまわってきた。取材だということを忘れないうちに、広段さんの経歴を聞かなくては。

広段さんはもともと、酒問屋の営業職だったという。ゆっくり、静かに語りだす。

「酒の流通の仕組みは知ってる? 酒蔵があるでしょ、そこから問屋に売られ、酒屋に流れてくる。昔はそういう販売の仕方がほとんどだったの。でもね、そこで酒蔵さんと知り合ううちに“安売りはしたくない”と思ったわけ」

広段さんは酒問屋で働きながらいい酒をつくる杜氏の思いを知る。問屋が大量に酒を買い占め、安く流通していく様子を見てこう思った。「価値が下がる・・・」
 


宮崎、黒木本店の焼酎「たちばな原酒」も出てきた

 
「安く酒が手に入ることは消費者にとって悪いことじゃない。だけど、杜氏が何年も何年も研究して作った酒、いわば“わが子”、そしてそれを生み出す技術が安売りされているように思えて、心が痛んでね。直接仕入れて、マージンがかからないようにすれば、適正な価格で販売できるて、いいと思ったんだよ」

そこから広段さんはメーカーから直接酒を仕入れられる免許を取得し、独立。「丸十酒店」を開業した。以後、全国の酒蔵に直接足をはこび、自身の舌で味わい「これだ」と思ったものを仕入れることにしている。

蔵元が集うイベントなどにも積極的に顔を出した。「一つひとつの蔵元のことをとても大事にしていきたい」と静かに、同時に強く、語る。

現在丸十商店に置かれている酒は、酒蔵から直接仕入れているものが8割を占めるのだそう。
 


「あとね、うちに置いてる酒には“カラー”があるの」

 
カラー?

「“女酒”って自分では言ってるね。ようは“飲みやすい酒”。キレがよくて口あたりがさらっとしているものが好きなの。酒屋もラインアップに個性を出していかないとね」

なるほど。最初にいただいた「羽根屋」なんかはとくにそうだった。香りが華やかだけど、すっと喉におちて「するする」飲める。

和やかに時間は過ぎていく。酒の話をしながら酒を飲む。いい時間だなあ・・・。

ここで、麻生さんに広段さんの「お人柄」について伺ってみる。
 


ご本人は静かに飲酒

 
麻生さんは間髪入れずに「変人だよ!」と答え、広段さんと一緒に大笑いしていた。
 


いつの間にかお寿司も登場
 

「十四代 中取り大吟醸」などはなかなか手に入らない品。極上

 
「なぜ、全国の酒蔵さんを集めるだけのつてをお持ちなんですか?」。ほぼ、もう答えは分かっていたが、あらためて問いかけてみる。

広段さんは優しく「ふっ」と笑って答えない。代わりに麻生さんがこう言った。

「酒好きだからだよ」



取材を終えて



取材中、広段さんは何度も何度もこう言った。

「杜氏が一生懸命作った酒を、本当に酒が好きで価値を理解している人に届けたい」。

取材前には「酒屋」だと思ってここに来たが、帰るころには考えがすっかり変わっていた。ここ「丸十酒店」は、普段知ることができない杜氏や酒蔵の思いを飲む人に伝える、大事な中継地点である。そう思いながら店をあとにし、ほろ酔いで家路についた。

―終わり―
 

丸十酒店
住所/横浜市中区住吉町2丁目24 共栄社KYビル 1F
電話/045-663-5345
営業時間/11:00~22:00
定休日/日曜
 

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  • 乱暴な言葉で追い出されました。広段さんが亡くなってしまい奥さんと息子?さんが経営するようになってから変わってしまいました。あるお酒の販売方法がよく分からないため質問又ミスもあったので指摘した所、うるさい事を言う客は家はこういう店だから来なくて結構と無理矢理返金されました。又広段さんの時の事を言っても、もう主人は亡くなっているから関係無いし、そんなの知りませんと。人間なのでうっかりミスがあるにしても沸点が低くすぐに切れられて話しにもなりませんでした。せっかく広段さんがコツコツ作られて気に入って長年通っていたお店なだけに本当に残念です。

  • 天神橋店の時代にいた方が井土ヶ谷でお店を出していた、junglejamと言うお店に良く入り浸っては、14代をよくいただきました。あの頃が懐かしい。店主のケンさんにまたお逢いしたいです。

  • 一四代はレア的に高いけど、無理してでも呑みたい酒までとは思わない。4合千円程度の純米酒の方が個性が多くて、むしろこっちの方が好みが多い。たまに外れがあるけど、その時は熱燗、ぬる燗等温度を変えるとガラっと味が変わるので、日本酒の奥深さを感じる。

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