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六角橋商店街の建築物や土地利用が違法って本当?

ココがキニナル!

この前の六角橋商店街の火事の時にあの商店街の土地は不法占拠で、しかも違法建築だといっていた人がいたのですが本当にそうなんでしょうか?(浜っ子さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

土地の契約関係が問題のお店もあったが、今はほとんどが地主と和解している。また建築基準法制定以前の建物のため既存不適格だが、市と協議中だ。

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ライター:小方 サダオ

商店街の人たちに話を伺う(つづき)

最後に商店会の会長に話を伺った。

商店街の歴史に関しては 「戦時中にこの一帯は家屋の空襲による延焼防止のために、強制的に取り壊され、幅20メートルの細長い空き地が確保されました。そして終戦後に計画道路だった空き地を、初代理事長の雨宮さんが大工を連れてきて、この地に“間口2間、奥行き3間”の長屋のバラックを建てたのが始まりです」

「歴史的には戦後の一時期はここが闇市であったことはあります。戦後の焼け出された人たちで、ここで商売を始めた人もいました。しかしその後は肉、魚、野菜、雑貨など、何でもそろう商店街としてにぎわいました。内陸に住んでいた農家が、中央市場などに行く途中に買い物をする場所として便利でした」と答えてくれた。
 


戦後のバラックから始まった、六角橋商店街

 
土地の問題に関して伺うと「当商店街は約170軒のお店があります。土地の権利問題に関しては、一部の店舗では地権者との間でもめている場合があるかもしれませんが、商店街全体としては問題になっていません」

「地権者も、1人で1000坪持っている方もいますし、一坪ほどしか持っていない方もいて、一坪ほどの地権者は何も要求をしてきません。それぞれの商店が、どのような地権者と関わっているかによって、状況が異なるのです」

「お互いの利害関係の整理に関しては民事的な裁判を通じて解決しています。今は地権者の方たちとともに、災害に強い街づくりを目指して協力し合っています。また建築法上の問題に関しては、市の関係各所とも話がついています」と答えてくれた。
 


六角橋商店街の事務所

 
恒例のイベント「ドッキリヤミ市場」に関して伺うと「『ドッキリヤミ市場』は今回で105回を迎える、好評のイベントです。名称に関しては、暗くなってから開かれる縁日のようなにぎわいの市という意味で名づけたもので、闇市とは関係ありません」と答えてくれた。

戦後は、闇市からはじまったこともあり、土地の契約関係に不透明な部分がある店舗もあったようだ。その後土地の契約をきちんと整理したかどうかにより、状況は異なるようだが、今ではほとんどのお店で問題がなくなっているようだ。 

六角橋商店街の近くで商店街内の土地を持つ地主を探した。一方的にならないように、複数の地主に話を聞こうとしたが、取材拒否や病気療養中の人であったため、難しかった。
しかし少し離れた場所に家を構える方が話を聞かせてくれた。

前出の「地権者との土地の問題に関しては解決している」という話に関して伺うと「商店街には多くの土地を持っていませんが、私は地権者の1人で、商店街と問題はありません」と答えてくれた。
 


アーケードに沿って店が並ぶ、ふれあい通り

 


都市整備局に話を伺う



続いて、前出の「建築法上の問題」に関して、横浜市都市整備局防災まちづくり推進室の甲賀伸啓(こうが・のぶひろ)課長と市川幸久(いちかわ・ゆきひさ)さんに話を伺った。

「1950(昭和25)年の建築基準法制定以前に作られた戦後の商店街の場合は、建築基準法上問題のあるものは少なくありません。建築物は前面の道路に2メートル接していないといけないませんが、六角橋商店街では、ふれあい通りのほうは道路ではなく通路で、ほとんどその条件に合うものはなく、一番の課題となっています」
 


六角橋商店街連合会によって作られた地域街づくりプラン
 

六角橋商店街の特徴
 

六角橋商店街と神奈川区の関係局が連携した、建築物の地域街づくりルール

 
「商店街内には火事の後、更地になっている場所がありますが、建築確認が下りないことにより、建て替えが出来ないと空き家のまま放置されるケースが多いのです」

「六角橋商店街の場合は、建築基準法制定後に建ったことがはっきりしないため、建築基準法の違反とは判定できません。しかし市としても『建て替えが困難である敷地が多い』という認識はあり、建築局の建築基準法による見解のみでは、建て替えは難しくなります」

「そこで都市整備局が間に入って、耐火性を強くするなど対策を行うことで、建て替えができる方向に支援するのが『地域まちづくりルール』の制度です」
 


まちづくりのビジョン
 

まちづくりルールによるさまざまな活動

 
「これは建物や土地利用などについて、地域まちづくり組織が地域住民などの理解や支持を得ながら、自主的に定めたルールを作り、市長が認定する制度です」

「認定を受けた地域まちづくりルールに基づき、地域まちづくり組織と市が連携して建築行為などを誘導することや、地域まちづくり組織がルールを自主運用することにより、地域まちづくりを推進していくことができます」

「市としては、六角橋商店街の歴史的でレトロな雰囲気がなくなっても寂しいとの考えもあります。地域まちづくりルールは、地域と行政の共働で良い街づくりするための推進条例で、六角橋商店街連合会は、2015(平成27)年3月より協議会を作っています。当商店街は前向きに活動してくれていて、条件がそろっているため、市は登録のコーディネーターを派遣するなどの支援を行っています」と答えてくれた。
 


まちづくり方針図
 

検討項目の示されたまちづくりイメージ図
 

レトロな町並みの継承を目指す

 
六角橋商店街は『地域まちづくりルール』によって、現在の雰囲気を保ちながら、市の支援で商店街の運営を行っていけるのだ。