飾らない派のご意見

創業40年ほどの青葉
　

店内には一枚もサインがない

　
お店の方に、何故サインを飾らないのか伺うと「みなさんプライベートでみえる方が多いので、秘密でいらしているのになんだか悪いなあ、と思ってサイン自体をもらわないんです。それにお客さんはどの方もみんな平等に大切ですし」とのこと。

利用客に対する愛情が感じられるご意見でした。
　

1927（昭和2）年創業の一楽にも取材させていただいた
　

1930（昭和5）年の一楽の写真。これが一番興奮した！

　
2016年で創業から89年目を迎える超老舗のご意見としては「別にサインをもらったからといって味の証明になるわけではないと思っています。そのお店の味が好きで、常連として通っているわけでもないですし」とのこと。

また、同店がお店を構える中華街大通りのお店には、サインを飾っているお店が比較的少ない印象なのだが、それについては「品格のある大きなお店が多く、そうした店は張らないのでは」とおっしゃっていた。

そのほか、張らないお店の理由は「プライバシーを考慮して」や「雰囲気を損ねないため」、「単純に飾る場所がない」などが挙げられた。どのお店も独自の価値観をもっていらして、非常に興味深かったです。

そして最後に

すっかり日も暮れ、どの通りも全て練り歩き、この日の取材はお終い

　
全てのお店を一通り覗き、取材にご協力いただいたのは69店舗。その中で特にサインが多かったお店2つは・・・
　

南門通りの福龍酒家（ふくりゅうしゅか）
　

その数なんと

　
71枚！！　すごーい。なんていうか、おめでとうございます！！

こちらのお店がオープンしたのは約20年前。中華街で初めてキッズルームを設けたお店として、FMヨコハマなどから取材を受けたことがあるのだそう。

ご店主にどうしてこんなにサインが集まったのか伺うと「近くに音楽スタジオがあり、そこで収録したバンドの打ち上げ会場としてご利用いただくことが多いからです。有名な方のものもあれば、これから有名になる方のものまで、貴重なサインがたくさんあります」とおっしゃっていた。サインを飾る理由としては「せっかくいただいたので」とのこと。
　

マニアにはたまらない1枚がありそう

　
「中華街にはたくさんのお店があるので、ここが特別多いとかは、意識したことがありません」とご店主さん。なるほど、ありがとうございました。
　

それから中山路から脇道に入った所の龍華棲（りゅうかろう）
　

壁一面に飾られたサイン色紙は72枚
　

ご店主にお話を伺った

　
オープンしてから15年ほど経つという、比較的新しい龍華棲。こちらに飾られているサインは全てプライベートでいらした方のものだそう。「みなさん口コミでいらしてくれているので、とても光栄に思いますし、感謝の気持ちも込めて飾っています」とのこと。
　

ふむふむ

　
細い通りに位置するお店だけに、なんだか説得力があった。一般のお客さんも相当多いんだろうなあ。

このほか・・・
　

龍華棲の隣の梅蘭（ばいらん）新館は69枚
　

香港路の牡丹園（ぼたんえん）55枚

　
とたくさんサインが飾られていた。

毎日たくさんの方でにぎわう横浜中華街。たくさんのお店がそれぞれの考えがあり、また訪れる人の見方もそれぞれなため、サインの有無や数でくっきりと何かを判断することはできないが、中華街に来る楽しみの1つとして、この記事を読み終えていただければ、と思います。

取材にご協力くださった方々にとても感謝しています。ありがとうございました。

ちなみに山崎が一番印象深かったサインは・・・
　

中華街大通りからちょっと外れたところにある、ちゃんぽんの店・長崎屋の
　

松田優作さんのサインでした
　

今回調べたお店（クリックして拡大）

取材を終えて