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洋食の街、横浜の料理人に密着「横浜コック宝」野毛「グリル・ラクレット」編

ココがキニナル!

横浜の洋食文化をつくった老舗洋食店の料理人に密着取材する「横浜コック宝」。第8回は、あの店の味を広めたハンバーグを作る野毛「グリル・ラクレット」初代コック中村照吉(なかむら・てるよし)さん

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ライター:クドー・シュンサク

コック宝の夢(つづき)

 

まずはコックになったお話から
 

九州は長崎県で幼少期を過ごす。幼いころに、家の手伝いで釜で米をよく炊いていたコック宝は、自然と料理をすることに興味がわいていたという。自分の中では「ほとんど決まっていた」というコックへの道。高校卒業後に地元長崎のレストランで勤務。その1年後、お店のチーフに連れられ上京。日本橋のレストラン「東洋」で日々修業を重ねる。

 

「いい思い出です」と修業時代を語るコック宝
 

東洋での修業、そしてフレンチレストランでも洋食のノウハウを学ぶ。その後、ハマッ子には馴染みの深い「ハングリータイガー」へ就職。さらに腕を磨き、ハングリータイガーでは後進の教育や指導に各店舗をまわり、そのハンバーグの味を伝えてまわったという。

 

そして54歳を迎えた時
 

夢であった自身の店を17年前にオープン。
現在の「グリル・ラクレット」が、その夢の店であった。奥さんと娘さんで切り盛りしてきた「グリル・ラクレット」。

 
2014(平成26)年、体力の面と奥さんの身体を考慮、そして娘さんの自由を考え引退を決意。現在、後継のコックさんとスタッフが見つかり店のノウハウを伝える期間として、2016年の8月いっぱいまでは厨房に立つコック宝。

 

静かに話し始めるコック宝
 

「若いころからの夢だったんですよ、自分の店を持つのは。いろんな想像をしていました、コックになる前から。お客さんが笑顔でごちそうさまと言って、また自分の店の味を楽しみに店に来てくれることとかね。やっぱり、夢をもって働かないと・・・ね(笑)」

 

コック宝は今も
 

「お客さんと話ができて、美味しいと笑顔が見られるのがね、ずっとみていたい夢」と話し
てくれた。



野毛の至宝「グリル・ラクレット」の味

 

時刻は17時をまわり
 

ディナーの営業が始まる
 

外出から帰ってきたコック宝は「ちょっと味見てくれるかい」とお皿を出してくれた。

 

オードブルの海鮮のテリーヌ
 

ホタテ・エビ・白身魚などを贅沢にあしらったテリーヌ。まろやかでコク深い味わい。自家製のさっぱりとしたタルタルソースがたまらなく絶妙な味の演出。テリーヌとタルタルソースを味わうだけで、その腕の奥深さを感じる。
美味い。

 

コック宝は予約料理のローストチキンの仕込みにかかる
 

じっくりと丁寧にフライパンとオーブンで焼き上げる
 

そしてこのソース
 

グリル・ラクレットの命ともいえるハンバーグソース。バターと小麦粉をオーブンでじっくりと焼く。それをフォン・ド・ヴォーでのばし、そこからは秘密。とのこと。ごはんに合う、醤油ベースのソース。

「おつかれさまです、ごはん食べなよ」とコック宝からのお言葉。

 

ジュウウ
 

油で肉が焼けるジュウウという音と香ばしい煙がたつ。
野毛の至宝「グリル・ラクレット」の味、いただきます。

 

まずは看板メニューのハンバーグ(ランチ:ライス・サラダ・味噌汁つき920円)
 

アツアツの鉄板にのったハンバーグ。ソースをたっぷりつけて一口。
ビーフ100%の肉の食べごたえは噛むほどに心地よく、肉のジューシーな旨みと、まろやかでコクの深い醤油ベースのソースとが口の中でじっくりと相まる。ビーフの旨みとコク、ソースのまろやかさとコク、とても美味い、美味い。これでもかと、ごはんがぐいぐいとすすむ。

 

野毛の至宝、至福のハンバーグ
 

ごはんで食べる日本の、横浜の洋食。やっぱり、最高。

 

続いてはコック宝渾身の一品、紫蘇(しそ)と唐がらしの辛みそポークソテー(1450円)
 

あまからい味噌に紫蘇の爽やかな香りと、ピリリとアクセントになる青唐がらし。その味付けすべてが、こんがりふっくらと焼きあがった豚ロースと抜群の相性。ポークの脂の旨みにこってりとあまからい味噌、噛むほどに広がる肉と味噌の旨みとコクと甘み、そこへ紫蘇のほんのりとした香り。粒マスタードとドレッシングで合えたスライスしたタマネギとカイワレ大根が、さらに肉と味噌の旨みを引き立てる。

美味い美味い美味い。
本当に、これは食べたことのないポークソテー。ごはんとの相性は最高最高。

野毛の至宝の味、大満足、感服です。
ごちそうさまでしたとコック宝に伝える。

 

「全部食べたかい?」
 

「全部いただきました。美味しかったです」と伝えた。コック宝はこっちを見て「良かったよ。美味しく食べてくれてありがとう」と言って、仕込みに戻った。
 
仕込みに戻ったコック宝の背中にひとつ質問を投げた。
「コックをやっていて良かったと思う時は?」

 

「今みたいな時かな」
 

時刻は午後9時をまわりディナーの営業が終了
 

「辞めたいと思ったことも一度もないですよ。自分で“コレ”と決めた道ですからね。ここまでがあったのは、家族の支えと、美味しいと言ってくれるお客さんのおかげ。すべてはそのおかげです」

 

横浜コック宝第8号「グリル・ラクレット」中村照吉さん
 

ここに認定いたします。

 

至宝の味を築いた者と受け継ぐ者
 

これからも終わらない、野毛の至宝「グリル・ラクレット」。
後継者の高橋さんは「気負いも抵抗もなく、やるつもりです」と話す。その未来は、どっちだ。



取材を終えて



「コックの仕事は、勉強を欠かさず、気持ちを入れて、夢をもつ。それがコックです」

                              中村照吉(1944~)

 
 
―終わりー
 
 
取材協力
グリル・ラクレット
住所/横浜市中区花咲町2-77-2
電話/045-252-8158
営業時間/ランチ11:00~14:00、ディナー 17:00~21:30
定休日/木曜 
  
 
<バックナンバーの記事はこちらから>
洋食の街、横浜の料理人に密着「横浜コック宝」相生町「グリルエス」編
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  • 先日 食べに伺いました。料理が美味しいのもさることながら『コック宝』の調理中の佇まいがカッコよかったです。

  • ここは美味しいです。開店からそんなに経つんですね。

  • コックの仕事は…。気持ち(心)を入れて…。ひと手間、ふた手間かけて料理に気持ち(心)を入れるのですね。不思議なほどに、この気持ち(心)って正直に客に伝わるんですよ。わたくしの経験から。

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