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磯子区杉田は江戸時代に、梅の観光名所だったって本当?

ココがキニナル!

磯子区杉田に江戸時代観光地として有名だった「杉田梅林」があった?『杉田』という横浜発祥とされる品種の梅が?今でも『杉田』という梅が植えられている?(白マントさん・はんちゃんさん・三日坊主さん)

はまれぽ調査結果!

16世紀の後半に、小田原城主北条氏の家臣・間宮信繁が、村民の副業として梅樹を植えさせた。妙法寺には今も原木が残る。

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ライター:紀あさ

原木を探しに



続いては、「昔の姿を偲ぶことができるような遺跡や写真などが残ってないか」というキニナルの調査を進めていこう。

日本最初の写真機は、19世紀中ごろ日本に渡来した。つまり杉田梅林の全盛期は、まだ写真史以前だ。

1978(昭和53)年に磯子区政50周年記念として編まれた『磯子の史話』の冒頭のカラー挿絵には、神奈川県立博物館所蔵の在りし日の杉田梅林が描かれた絵画が収録されている。
 


富士や海とともに描かれた「杉田の梅」

 
同書によると、現在も磯子区杉田の妙法寺(みょうほうじ)境内や近隣の民家などにはわずかだが杉田梅林の梅樹が残っているという。40年ほど前の情報だが、原木そのものに出会えるかも! と期待し、現地へ向かった。



妙法寺へ



妙法寺は、JR杉田駅から徒歩12分。日蓮宗の寺院で、地図上では「牛頭山妙法寺」となっている。
 


妙法寺本堂

 
本堂の前には1884(明治17)年に、明治天皇の嫡母・英照皇太后(えいしょうこうたいごう)と明治天皇の皇后である昭憲法皇太后(しょうけんこうたいごう)が観梅された折に「照水梅」と名付けたとされる梅が伸びる。

 

この紅梅は2代目、左奥に小さく育っているのが3代目


淡く咲き始めていた3代目


本堂横の建物を訪ねると、初代の「照水梅」が描かれた絵があった

 
ここで杉田梅の原木がないか聞いたところ、正門の前にある梅が、杉田梅林時代から続く梅だという。

 

杉田梅の原木、右の小さな木はその2代目だそう


・・・これが杉田梅林の梅の花・・・

 
樹齢は400年を越えようかというこの梅。江戸時代の生まれか、はたまた安土桃山時代の生まれなのだろうか。

 

傍らの小さな杉田梅の2代目にも、花が咲く

 
杉田梅の花の特徴は花弁が一重で、おしべが長く、花は真っ白ではない。2月中旬が見ごろだという。

 

門の横には「杉田の梅林」の歴史も記されていた

 
この寺には梅樹があるだけでなく、杉田梅林の始祖、間宮信繁のお墓もある。正門を入って墓地への階段を上った。

 

最初の分かれ道を左へ


間宮家代々の墓標が並ぶ

 
この場所から見下ろすと、かつてはあたり一帯が梅林だったのだそうだ。
 


今は駐車場になっているあたりまでずっと梅林が続いていた

 
境内に下りると、住職の奥様である松本妙子(まつもと・たえこ)さんが、2015(平成27)年に、墓地の先に見える山の上に、杉田梅を100本植えたのだと教えてくれた。ある程度育ったら、お寺の境内に植樹する予定なのだという。
 


「あのあたりに100本植えました」

 
少しずつ杉田梅がこの地に再び根付いてゆく。
 
 
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