検索ボタン

検索

横浜のキニナル情報が見つかる! はまれぽ.com

  • 36年ぶりに完全復活「横浜銀蝿 40th」。オリジナルメンバーで再結成!
  • 神奈川県内の横浜家系ラーメン店がどこにあるか地図からすぐわかる!横浜の観光情報「よこはまっぷ」
  • イベント開催、店舗オープン、新商品発売などリリース情報を配信したい方へ
  • はまれぽ.comにあなたのお店・会社を無料で掲載しませんか?

戸塚で不法投棄?廃棄処理に多額の税金が消費されてるって本当?

ココがキニナル!

戸塚市品濃町、横浜新道今井インター付近のゴミの不法投棄の山を回収するのに100億円を超える税金が使われているので取材お願いします。(MATUさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

容量超過を起こし、事実上倒産した廃棄物処理業者に代わり、横浜市が行政代執行によって、生活環境を保全するために行っています。

  • LINE
  • はてな

ライター:吉田 忍

対策工事の概要



・地下水等の汚染防止策
具体的には、こうした最終処分場には、コンパクトな下水処理場のような水処理施設があって、処分場の下にたまった水を組み上げて処理する。この措置については、工事終了後も安全な状態になるまで継続される。


・廃棄物崩落、飛散防止対策
具体的には、超過量の必要最低分を中区南本牧廃棄物処分場への移送。事前に埋め立て処分を行って安全なものかどうかの検査が行われている。
移送総量は約10万立方メートルで、現在も毎日、のべ30~40台程度のトラックで運び出している。
 


ボーリング調査による廃棄物の内容(横浜市資源循環局データより)


ゆるやかな勾配にすることで崩落の危険性を減らすため、現在45度ある傾斜を30度にする。
直径4メートル、高さ10メートルの円柱を並べて、崩落を防ぐ擁壁を建設。
 


トラックの後ろに建設された円柱型の擁壁


最終的には上から土をかぶせて、側溝を作り雨水はそちらに誘導して終了。

この対策工事は着工平成20年10月、平成24年度末(25年3月)までの予定で、予算は約42億円。



費用負担



・国からの補助
環境大臣からの許可があり、産廃特措法に基づき費用のおよそ45%(18.5億円)が国から地方交付税として交付される。
これは、その分を全国民に負担して貰ったということ。

・責任追及と費用請求
株式会社三興企業及び同社役員に対して責任追及と費用請求を行う。

会社は一応存続している…というのも倒産の手続きをするためにもお金が必要だがそれすら用意できない状況だという。元役員の中には自己破産している人もいるが、それでも変わらず、横浜市は粛々と請求を行っている。現在までに回収できたのは、処理場に残されていた重機を売った代金と軽井沢にあった別荘の売却で500万円程度で、今後の見通しもかなり厳しいとのこと。

また、排出事業者(廃棄物を株式会社三興企業に委託していた企業)に対して、措置命令等を発出し費用求償を行う。この請求により、現在4800万円を回収。
この費用求償に応じた企業は15社だが、株式会社三興企業の違法行為を知らなかったとはいえ、再発防止も含めて責任追及することで支払ってもらっているという。

・横浜市の予算
上記の残り約22.5億円が横浜市の予算となるわけだが、市債の発行でまかなう措置がとられている。
市債は返さなければならないので、最終的には税金である。



反省点と今後の対策



横浜市は検証委員会を設置し検証を行い、再発防止につとめている。
 


横浜市資源循環局の小林係長と石井係長


『横浜市としての事業者に対する管理、対応、指導などを反省点として上げ、「組織としての危機管理意識の欠如」が、本事案をより深刻なものにしてしまったことを深く反省するとともに、今後、二度と不適正事案を起こさないよう万全な再発防止策を実施する』としている。

市の再発防止具体策として、以下が上げられている。

・処分場における効果的な指導
・行政指導に係わる基準の作成
廃棄物処理業者指導の充実
・組織内の情報共有と専門技術の向上
・関係機関との連携
・場風土と職員意識の改善
・執行体制の充実
・チェック機能の強化

実際に、この件が起きてから、特に不法投棄の監視体制を充実させているという。
機動班や指導する班を設置し、田んぼや林など不法投棄されやすい場所を中心に毎日パトロールを行っている。

不法投棄は法律違反を最初から考えているので、荒っぽい人が多い。
そのため県警OBなどに来てもらってパトロールを行っている。

不法投棄は少しでもそれが呼び水になり目を離すととんでもないことになるので、小さい芽のうちに摘み取るのが大事。

その結果、着実に成果も出ているそうだ。

また、横浜市は市内に現在もう一カ所ある民間の最終処分施設である旭区処分場のチェックを強化し、さらに、中間処理場などにも細かい指導を行っている。



取材を終えて



横浜市は今までの指導、管理などの反省点を上げ、今後の対応などについて詳しくホームページに記載するなどしている。

その反省点の中に、「組織としての危機管理意識の欠如」という文言がある。
資源循環局だけでなく、全ての公務員の方々にこの一文を噛みしめていただきたい。

一般企業であれば、42億円の降ってわいた予算など組めない。倒産してしまうかもしれない。
責任の所在のあいまいさ、そして公務員でなければ職を失うほどの事なのだと。

このようなことに税金が使われるというのはとても残念なことである。
しかし、処分場近辺での生活環境の保全などを考えると、そのまま放置するわけにはいかない。
残念ながら、行政としてやらねばならないことであると思う。


― 終わり―


資料:戸塚区品濃町最終処分場に係る特定支障除去等事業について
http://www.city.yokohama.lg.jp/shigen/sub-jigyo/sanpai/04sonota/06shinanocho/
 

この記事どうだった?

  • LINE
  • はてな
コメントする
  • 結局、末端の部署部署に何の権限も与えず、中央官庁が全て掌握しないと気が済まないといういまの縦割り行政構図の図式を解消しない限りは、この人達も手をこまねいているだけで、何も出来ないと言うことでしょう。

  • 「一般企業であれば、42億円の降ってわいた予算など組めない。倒産してしまうかもしれない。責任の所在のあいまいさ、そして公務員でなければ職を失うほどの事なのだと。」ってのはなんか違うのでは?この問題は結局、民間企業がしでかした不始末を、市民の安全を守るために行政が肩代わりしているってことでしょう??まるで、最初から行政側に落ち度があってこうなったみたいな締め括り方はおかしいと思う。そりゃ、違法操業だったのを見抜けなかったのは監督官庁としての手落ちではあるけど、本来、事業主である民間企業がきちんとモラルを持って仕事をしていれば起きなかった問題でしょう。むしろ、経営陣の責任追及をもっと徹底すべき。できれば、元経営者へのインタビューなど聞きたいと思います。

  • 取材本当にありがとうございます!この土の行き先はどこに行くのでしょうか?この土は汚染されています。これを海の埋め立てに使っているそうですが、海は汚染されないのでしょうか…?

おすすめ記事

横浜のごみ事情はどうなっているの?

“世界に一着”が3万5000円から! 隠れ家サロン「EVERS SUIT」でオーダースーツデビュー!

  • PR

横浜の埋め立てはこれからどうなるの?

創業88年の老舗。“お酒のプロ”として、地元横浜の飲食店に最高のお酒を提供し続ける「酒の島崎」

  • PR

アンデスメロンを開発したサカタのタネってどんな会社?

タイヤ販売から車の修理、日本初? のタイヤプリントも。 タイヤのかかりつけ医「タイヤセンター戸塚」

  • PR

あざみ野―新百合ヶ丘の地下鉄延伸計画はどうなってるの?

想像力をかき立てるカーディーラー、港南区「スズキ上永谷横浜オートマン」

  • PR

こんな記事も読まれてます

神奈川知事選に出てた「謎の男」照屋修氏って何者?

馬車道駅近くに突如現れた巨大ドームの正体は?

【統一地方選2015】開票から一夜明け、横浜市民は新知事・新議員に何を望む?

『太陽経済かながわ会議』、第2部の様子は?

犬・猫の殺処分「神奈川県動物保護センター」ではゼロ(平成30年度)【編集部厳選】

ベイスターズ新監督決定!中畑清氏、監督就任会見の様子は?

2008年の政務調査費返還訴訟で横浜市が上告! その詳細は?

アンデスメロンを開発したサカタのタネってどんな会社?

新着記事