〈はまびとnext〉あざといは正義? インフルエンサー・嬉野ゆみ。その素顔に迫る【後編】

ココがキニナル!
19歳で起業し社長としてインフルエンサーマーケティング事業を展開。その会社を売却後は自らフリーランスのインフルエンサーとして活動している嬉野ゆみさん。いったいナニモノなのか、その人物像を紐解く!
ライター:はまれぽ編集部
17歳で大学入学、19歳で起業
――親は反対しなかったんですか?
「う~ん、なんかもう、しょうがないねって感じでした」
中途退学することに関して、最終的には嬉野さんの意思を尊重して味方になってくれた両親。「次のことを考えろ」と前向きに背中を押してくれたという。
「でも、ブログやめろとは言われました(笑)」
ナナさんはその後、別の高校に転入した。そして、その高校を卒業して音楽大学に進学する。学歴上、空白も重複もない、同級生と同じ道を進んだ。
しかし、嬉野さんは違った。
「私は、高3の春に大学に入りました」
高校卒業はせず、同級生よりも1年早く大学に入学した
これが、嬉野ゆみの嬉野ゆみたる所以だろうか。決してみんなと同じことはしない。同じような人生は歩まない――。
「高等学校卒業程度認定試験(以下、高卒認定)」を受験後、17歳で、東京のレイクランド大学ジャパン・キャンパスに入学した。
――レイクランド大学を選んだ理由は?
「高卒認定を取って入れるところを探したら、そこ(レイクランド大学)と千葉大学と、あともう一つなんかあったんですけど、だったらそこしかないな、ってことで入りました」
入りたくて入ったわけではなかった。

「“中卒”になるのはやばいから入学したって感じですね」
彼女はそう言って笑う。
しかし、実はここにも父親の助言があった。父親の娘への思い。それは、海外に留学して世界を広げてほしい、多様な価値観に触れて成長してほしい――父親の実体験に基づいた助言だった。
「父もアメリカの大学を出ていて、海外に住んで世界観とか変わったみたいです。それで、外資の企業に勤めているんですけど、娘にも同じようにキャリアステップを踏んでほしいっていう思いがあったみたいです」
だが――。彼女はやはり、“嬉野ゆみ”だ。
「何でアメリカの田舎に行かなきゃいけないの? って」
留学する気は、毛頭なかった。レイクランド大学に入学してくる学生は、ほとんど皆、留学を目的としている。彼女はここでも、やはり異色だった。
留学したくない――
しかし彼女のこの思いが、思わぬ形に転化する。
「高校も辞めてるし、やっぱりそこが私の中でターニングポイントになっていて・・・。みんなと同じように留学したり、サークルに入ってだらだら遊んだりするよりも、何か結果を残したい、何かチャレンジして見返したい、みたいな思いはありました」
きっかけは、ナナさんだった。
「彼女がミスコンで『日本一かわいい大学1年生』に選ばれたんです」
「日本一かわいい大学1年生」。親友のナナさんがミスコンでグランプリを獲ったことにより、その人脈で嬉野さんの周りにも、“かわいい”、“綺麗”、“キラキラ”、そう形容されるような友人が爆発的に増えた。
これはビジネスになる――
嬉野さんは、そう考えた。
2016(平成28)年1月。嬉野ゆみ、19歳。
彼女はナナさんと共に、モデルマーケティング事業会社を創業した。
ナナとの不和、そして別離
嬉野さんがナナさんとふたりで起業した会社の事業内容については、前編で詳しく語ってもらった。
ミスコンによって爆発的に増えた友人たちはやがて、それぞれインフルエンサーへとなっていく。人脈が人脈を呼び、およそ1000人にもおよぶインフルエンサーと業務委託契約をするまでに事業は拡大した。

「しばらくは順調でした。でも・・・」
――3年後の2019(平成31)年1月に会社を売却していますね?
「はい」
その理由を彼女は前編で、「自分も表に出たくなった」からだと端的に明かした。だが――
「実はナナが途中で辞めちゃったんです、会社を」
ナナさんはもともと表に出る人間だった。ミスコンでグランプリに輝き、音楽の道を志して活動していた。一方、嬉野さんは裏方に徹していた。経営者として事業を管理し、会社の根幹を支えていた。それが、お互いの“役割”だった。
大学に通いながら、打ち合わせもこなす多忙な日々だったという
――ナナさんが会社を去った理由は?
「やっぱり彼女は音楽を目指していたんで・・・そっちに集中したいということで」
――喧嘩別れではないということですね?
「喧嘩別れではないです」
――今の関係性も良好ですか?
「まあ、普通ですね」

――あれ? 「う~ん、なんかね・・・」
「それこそ彼女は、ずっとインフルエンサーになりたいっていう感じだったんです。で、私は別になりたいとは思ってなかったんですね、当時は」
起業当初から暗黙の“役割”のようなものが、ふたりにはあった。一方は表、一方は裏――。
「それが、だんだん私が表に出るようになって、彼女が嫉妬というか・・・私のことをあんまりよく思ってないっていうか・・・」
いつしか、ふたりの間には不和が生じてしまった。
ふたりは同じ部屋で、一緒に生活していた。だが、それも解消された。
ふたりはずっと、行動を共にしてきた。共に先生に怒られ、共に高校を辞めた。共に夢見て、共に会社を興した。いつだって、一緒だった。同じものを見ていると思っていた。
しかし――
盟友・ナナは、彼女のもとを去った。
「私の中では、結構ショックでした」
会社の業績も、徐々に下降していった。
「ひとりで頑張ってたんですけど、自分の思いがね・・・なかなか続かなくて・・・」
そして、起業から3年後の2019(平成31)年1月――彼女は会社を売却した。








