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【横浜の名建築】横浜市指定有形文化財 横浜地方気象台

ココがキニナル!

横浜にある数多くの名建築を詳しくレポートするこのシリーズ。第5回は、横浜地方気象台。当時最先端のモダンな外観デザインと、レトロで優しい室内に、気象に関するたくさんの機能が詰まった魅力的な建物だった。

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ライター:吉澤 由美子

機能性と居心地のよさ

(続き)

真鍮(しんちゅう)のドアノブなどの小物は磨き抜かれ、腰壁などの色は創建当時のものを再現。
 


「台長」とは気象台の長。昔「測候所」だった頃の長は「所長」
 

腰壁のココア色は修復時に削った壁の一番下の色を再現


室内には一部、鉄の補強材や吊天井の現代的なパネルなどもあるが、あえて隠さず色調を合わせることで保存復元された古い部分がより際立って共存している。
 


細かな部分にもひかえめな装飾がある


階段は微妙な角度の曲線が随所に配されている。
 


曲線があることで、ゆったりした贅沢な空間を演出


階段手すりの腰金物は、図面や写真をもとにアルミ鋳物で再現。
 


優雅な曲線とシャープな直線を組み合わせている




建物や敷地の各所に気象台らしい機能がある



玄関を入った正面にある阿部式時計は創建当時からのものと伝わっている。
塔にあった時計を連動させていた親時計で、再生時にその痕跡が認められた。
 


この時計は山形で作られたもの。数年前まで動いていた


気象のさまざまな観測は、正確な時間があってこそ生かされるもの。
壊れてしまったとはいえ、時計は現在でも気象台の大切なシンボルだ。


半地下にある地震計室は、昔のまま残されている貴重な場所。
 


地震計室入口は2重扉


昔の地震計は湿度を嫌ったので、気密性の高い部屋になっている。
 


窓も3重。内側の鎧戸を開けると、ガラス窓が2つある

 

内側の扉は床の振動を防ぐハンガードア(吊下げ扉)


建物から伝わる余計な振動を防ぐため、地震計を設置してある床面は周囲の床から独立した基礎の上に置かれている。
 


独立した床の上にある地震計。間は5cmほど離れている

 

計測震度観測装置。昔のイメージとは全く違うあっさりした形状


飛び出ているネジは以前設置されていた機器のもの。


気象台は雲の形状など、人の目を使った観測も必要とされるため、屋上も重要な観測場所だ。
 


快晴時には房総半島や富士山も見える屋上
 

気温、湿度、気圧、雨量、日照、積雪などをはかる「露場(ろじょう)」


TVなどで紹介される「横浜の気温、雨量、積雪量、気圧」などはすべてこの場所で計測されたデータだ。

そして前庭には、第2庁舎を作る基礎工事で出てきた米海軍病院遺構の井戸上部を切り取って展示してある。
 


米海軍病院遺構の井戸上部


井戸自体は、第2庁舎の地下に眠っている。まだ地下水が湧いているとのこと。

※地震計室、屋上など非公開の場所は、特別な許可をいただいて撮影しています



取材を終えて



派手さはないものの、シャープで目を惹く外観の横浜地方気象台。
昔の観測機器が展示されていることも大きな魅力だ。

間近でじっくり見学すると、ひかえめながら計算されたデザインに、大胆な復元と保存の手が加わり、小ぶりながら見ごたえのじゅうぶんある建築物だった。


― 終わり―


横浜地方気象台公式サイト
http://www.jma-net.go.jp/yokohama/index.html


問い合わせ先
横浜地方気象台
住所:神奈川県横浜市中区山手町99番地
電話 :045(621)1563

横浜地方気象台の見学は、平日のみ
9時30分~17時
本庁舎の1階~2階の大半の部分と第2庁舎の入口部分までを見ることができる
※毎年2月頃に開催される『横浜山手芸術祭』の時期に、3階の一部を特別公開
 

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コメントする
  • よくこの前は通ってるのですが、入れるとは思ってなかったです。長年横浜に住んでるけど実は入れる歴史的建造物って結構あるのかな…。

  • 是非見に行きたいと思います。

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