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京急線が三崎口駅から先の延伸を凍結した理由は?

ココがキニナル!

京急線の終点は、三浦半島内部の三崎口。でも、実は三崎港や油壷まで延伸の予定があったと聞きました。開発計画の詳細と頓挫の経緯について調べてください(bausackさん)

はまれぽ調査結果!

三崎口駅から三戸(みと)、小網代(こあじろ)を通り油壺まで延伸をする予定も、人口減少や地価の下落などにより2016年、凍結を発表。今後は未定

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ライター:やまだ ひさえ

自然保護か開発か 小網代の森の存在



京急の計画では、三崎口駅以南の延伸とともに宅地開発、リゾート開発なども視野に含まれていた。

1970(昭和45)年、三戸、小網代地区が市街化区域に指定されたことで計画されたのが、「小網代の森」問題だ。
 


三浦市西岸の海岸線に広がっている
 

約70ヘクタール(70万平方メートル、横浜スタジアム約27個分)の面積を有する「小網代の森」は電車の線路に加え、ゴルフ場建設が計画されていた。
 


ゴルフ場が造られ、電車の線路が通るはずだった(提供:神奈川県庁)
  

この開発に「待った」をかけたのが、貴重な自然の保護を唱えた市外に拠点を持つNPO法人や大学教授たちだった。

彼らの反対運動もゴルフ場建設阻止に影響を及ぼしたが、小網代の森は、地元では現在の天皇陛下がハゼの研究をなされた場所として知られており、「開発で失ってはならない」という機運が一帯の住民を中心に高まっていたと、前述の関係者は教えてくれた。
 


ここでハゼの研究が行われた(フリー画像)
 

また、前述の三浦海岸駅の商店主さんは、「小網代の森は、まだ歴史が浅い」と話す。

小網代の森を紹介する際、「手つかずの自然が残されている」と形容することが多いが、実は、この一帯は、かつて何人かが所有していた里山だった。戦後まもなくは、地元の人たちが小網代の森から薪を集めたり、自生していたヤマユリを刈って売ることで生計の足しにしていた。
 


貴重な収入源だった
 

また、田もあり、米が作られていたが、減反政策がとられた昭和50年代から徐々に稲作が行われなくなり、田は放置。そこに雑草が生え、水がたまり湿地帯を形成していった。
 


放置された結果が、現在の「小網代の森」の姿だ
 

さらに神奈川県が1973(昭和48)年、ゴルフ場凍結方針を決定した。

これを受け地権者は自主的な保全や買取り、寄付などで資金を集め、2010(平成22)年、必要な用地の確保を完了。「小網代の森」の保全に乗り出した。
 


遊歩道は、かつてのあぜ道にそって設置されているとのことだ
 

小網代の森の地権者の中には、延伸計画を進めていた京急も含まれている。京急は計画推進のために小網代の森だけでなく、周辺の用地確保も行ってきた。

現在は同社が、延伸計画・土地区画整理事業の凍結が発表される前から行われている開発が一部で進められており、造成後は宅地になる予定だ。
 


三崎口駅から徒歩10分ほどの場所で開発が進行中
 

小網代の森に隣接した場所だ
 

現在は、土の搬入段階
 

三浦市でも、開発中の場所が住宅地になることで、市の人口増加、さらにそこに住む人たりの利便性向上という側面から延伸計画の復活に期待をかけている。

しかし、路線が油壺に至るまでには、風致地区が立ちふさがり、小網代の森が広がっている。

解決すべき問題は多い。
 


貴重な自然であることは確かなのだが
 



取材を終えて



久しぶりに小網代の森を歩いてみて、改めて自然の豊かさに感動した。

自然は大切だ。

それは十分理解しているが、衰退する三浦市を、三崎の街を見てきた地元民にとっては、京急の延伸計画を諦めきれないのも、偽らざる本音だ。


―終わりー
 

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コメントする
  • 人が少ないから駅ができない、駅が無いから人も来ない、の悪循環。背景に地元エゴがあって鉄道が敷けなかったってのは、本牧もそうでしたね。

  • 逗子線伸ばして新逗子→葉山→林→三崎口→小網代避けて134引橋交差点→県道26→三崎でどうですか三崎口駅は久里浜線逗子線どちらも直通できる構造で。

  • 去年行きましたよ、小網代。色々な野鳥やカエルの声を聞いて、まるで他の県に来てしまったかのような錯覚に陥りました。この森が出来上がった過程は関係なく、これからも保存する方向で行くのは間違いないと思います。

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