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アピタ金沢文庫店で40年以上営業した「地元才能発掘書店」、岩下書店はまだ存在している?

ココがキニナル!

金沢文庫ユニー内に1972年から鎮座していた地元才能発掘書店「岩下書店」。アピタの建て替えに伴い遂に閉店してしまいました。閉店後、ついにホームページも消滅。リバイバルの可能性は無い?(うなぎさん)

はまれぽ調査結果!

実店舗はないが「有限会社岩下書店」として書店機能の一部は健在。現在は、横浜市中区を拠点に自費出版書の制作や、浮世絵の販売を行っている

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ライター:紀あさ

金沢文庫店、閉店とその後



最後まで金沢文庫で書店を続ける道を探していたが、ついには叶わず、多くのお客さんに惜しまれながら閉店。

いったん鎌倉市に移転し、「地本問屋 鎌倉 正光堂 岩下書店」という屋号で出版中心の店を構え、その後「地本問屋 耕書堂(こうしょどう)」に屋号変更したが、2015(平成27)年に店舗としては閉店。現在は横浜市中区に事務所機能を持ち「有限会社 岩下書店」の社名のみは変わらず雅紀さんが取締役を務めているが、「岩下書店」という実店舗は存在しない。

自費出版書の制作は現在も『地本問屋 耕書堂』として行なっているが、今、雅紀さんが注力しているのは浮世絵の販売と、浮世絵に関する情報発信だ。『浮世絵復刻版画専門店 金沢文庫』という屋号を持つ。

話を聞いていると、雅紀さん自身が浮世絵に惚れ込んでいるのがよく分かる。「美術的な価値というか、構図がすごいですよね。どうやったらこんな絵描けるのかなぁ。昔は美術品ではなく出版物だったはずなのに、発色の、このクオリティー」
 


復刻版(左)の色鮮やかさと、時を経てなお色褪せない昔の浮世絵
 

浮世絵の存在自体はとてもメジャーだが、あまり注目されていない点にも可能性を感じたという。値段も上記写真のサイズ(長辺約33cm)なら1万円前後と手の届く額であることもあり、問い合わせは増えている。

「ほかの商品とコラボレーションをしたり、同じ顔料で浮世絵上に絵を書き足したいというような個別の相談にものっています。復刻版の浮世絵の良さをもっと伝えたい」
 


摺りの圧力で凹凸模様を出す「空摺り」(からずり)という手法を用いた絵
 

最後にキニナル、実店舗「岩下書店」としての復活はありうるかを尋ねてみると、出版取次店の口座は残っており、現在は教科書の販売や、一部の昔馴染みの定期購読の方には本を直接お届けしている。店舗はないが書店としての機能はすべて残しているとのこと。

「店舗については今のところ未定だけれど、機会があったらお店を持ちたい。八景と関わりのある浮世絵をやりながら、街とも関わっていきたい。また何かあったら気軽に電話してください」という雅紀さん。
 


「ま、しっかりした息子に育ったわけですよ」と、まるめがねの寛治さんが隣で笑った
 



取材を終えて



適度な距離の仲良し親子という感じの三代目と四代目。とても楽しい雰囲気でお話を聞くことができた。

屋号に関しては考え中で、現在の自費出版の屋号である「地本出版 耕書堂」は、江戸時代、喜多川歌麿や東洲斎写楽などを世に売り出した蔦屋重三郎(つたや・じゅうさぶろう)による浮世絵などの出版社であった「地本出版耕書堂」をリスペクトして付けた。

しかし、浮世絵は耕書堂でなく「浮世絵復刻版画専門店 金沢文庫」という別の屋号で扱っている点など複雑であるので、今後、屋号は変更の可能性があるそうだ。

また16日にリニューアルオープンしたアピタ金沢文庫店には、岩下書店ではないが、書店が入っている。「うちのように地元の相談にのってくれるといいけれど全国チェーンだから・・・」と寛治さんは街を見守るように呟いた。


―終わり―
 
浮世絵復刻版画専門店 金沢文庫
http://www.kanazawabunko.com/

地本問屋 耕書堂
http://jihondonya.com/koushodou/

(いずれも有限会社岩下書店の屋号)
住所/神奈川県横浜市中区扇町1-1-25 キンガビル3F
電話/050-3736-0919
 

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  • 岩下書店、お世話になりました。エラート、ボタンヤ、ピアこばやし、靴のしげる…今でも思い出として鮮明に覚えています。個人商店が減っていくのは寂しい…

  • 一介のサラリーマンですが、これを見て自営業も面白いかな・・・と思いました。私がやったらこんなに上手くはやっていけないだろうけど・・・

  • 他コメントにもありますがアピタ(ユニー)と対立しての退店ではなく、時代が変わってしまい大手企業の殆どはテナントへの一方的通告ダケで退店や誘致が繰り返されています。昔のように「持ちつ持たれつ」の関係であれば、新規オープンのアピタへもチェーン書店ではなく岩下書店が戻れる可能性も大きかったのではないでしょうか?どこも大規模商業施設は同じようなもので一定間隔で実施されるリニューアルは、目先を変えて客足を確保する事が目的であり、出店テナント側はその陰では一方的通告で退店を余儀なくされる業者とその時期に話題となっている業者の誘致による入替で、一般消費者は目新しさにつられて足を運んでいるのが実態。生き残り競争と一言で済んでしまうかも知れないが、施設運営企業に全てを牛耳られているテナントは単なる将棋のコマ・使い捨てでしかないようにも感じられてしまい、テナント業者ではない自分でも、何かモヤモヤ感だけが!

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