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約80年の歴史を誇る「三吉演芸場」とはどんなところ?

ココがキニナル!

「三吉演芸場」をリポートして頂けないでしょうか?歴史は大衆演劇の舞台としては最も長いと聞きました。今まで大衆演劇に馴染んだことがないので、楽しみ方なども伝えて頂きたいです。(ばんどさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

三吉演芸場は日本でも数少ない大衆演劇専門劇場。全国の実力派一座による華麗な舞踏と涙あり、笑いありの芝居は、一度見たら虜になるかも。

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ライター:松野 孝司

もともとは銭湯だった?



異国情緒が漂う港町・横浜と大衆演劇の組み合せは不似合いのように思えるが、「三吉演芸場」は、この世界では知る人ぞ知る超有名な劇場なのだ。ミュージカルでいえばブロードウェイのジョン・ゴールデン劇場、歌舞伎でいえば歌舞伎座、コンサート会場でいえば武道館に匹敵するほどだ。
 


南区万世町にある三吉演芸場

 

最寄りの地下鉄・坂東橋駅には告知ポスターも


三吉演芸場は1930(昭和5)年に「貸席三吉」として踊りや義太夫など習い事の発表の場として開館。

「もともと銭湯を経営していて、その二階を地元の方に貸していたのがそもそもの始まりです」というのは三代目オーナーの本田博さん。
 


階段脇には出演者の幟が立てかけられている


その後、興行師が間に入り大衆演劇の興行が始まり、1961(昭和36)年前後頃からは映画の上映も行い、映画と芝居が楽しめる劇場として親しまれていたが、テレビが家庭に普及するにつれ、観客数が減少して、経営も下降線を辿った。
 


売店にはビールやおつまみも
 

劇場オリジナルアイス。1本150円也


1973(昭和48)年からは、子どもの頃から歌舞伎が好きだったというオーナーの母・玉江さんの希望で大衆演劇専門劇場として再スタートを切った。近くの真金町出身の落語家・桂歌丸師匠による独演会が始まったのもこの頃だという。

大衆演劇の公演は健康ランドや旅館でも行われるが、「常打ち(小屋)」と呼ばれる専門の劇場は、今は全国で30カ所にも満たない。そのなかでも、三吉演芸場は最も歴史ある“常打ち”としてファンや役者たちに親しまれている。

 


座席は全部で185席

 

舞台は前方からゆるい傾斜になっており後ろからでも見やすい
 

祭り提灯を模した照明が雰囲気を盛り上げる


三吉演芸場の80年余りの歴史の中で、最大の危機は1990年代に訪れる。娯楽の多様化による観客数の減少に加え、建物の老朽化のために廃業直前に追い込まれた。

そんなとき「横浜の大衆演芸を支えてきた演芸場をぜひ残したい」と「三吉演芸場を残す会」会長として立ち上がったのが歌丸師匠だった。

横浜橋、三吉橋通りの両商店街などの協力も得て、2500万円の寄付が集まったことにより存続が決定。1996(平成8)年から建て替え工事がされ、1998(平成10)年に現在の姿に生まれ変わった。
 


壁には建て替える前の劇場の絵が飾れ、オールドファンの目を楽しませている