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鎌倉で発掘された遺跡は今後どうなる?

ココがキニナル!

世界遺産登録をめざす鎌倉でマンション建設予定地から北条政子の邸宅かもしれない遺跡が発掘されたが、その後のマンション建設はどうなるのでしょうか?(うみさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

地域住民を中心に、遺跡の保存をもとめる要望などもありましたが、マンションは予定通り建設されます。

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ライター:ほしば あずみ

北条政子の邸宅跡発見!?



2012年3月19日、産経新聞に「鎌倉 マンション建設予定地/幕府遺構 北条政子の邸宅か」という見出しの記事が掲載された。
記事によると、鎌倉市二階堂荏柄のマンション建設予定地で12世紀末~13世紀初頭の礎石を持った建物跡等が数棟見つかり、大量のかわらけ(宴会用土器)、石敷きの庭園跡や白磁などの輸入陶磁器、金銅製の仏像も出土したという。
 


中世の遺構発掘を報じる2012年3月19日付の産経新聞(元治苑を守る会提供)


地下に歴史的遺構があると思われる場所で工事が行われる場合、埋蔵文化財の発掘調査を行うのは、以前「鶴見区馬場の「埋蔵文化財の発掘調査」って何が埋まってるの?」でもお伝えしたとおり。

今回発掘されたのは、源頼朝が鎌倉に入って最初に建設した邸宅兼政庁の「大倉幕府」に隣接していると思われる場所。その位置や規模から幕府要人の邸宅であった可能性が高く、鎌倉が目指している世界文化遺産登録に向けてはずみがつくのではと期待が高まった。その一方、マンション建設に際し、地域住民を中心とした反対運動もあったという。
 


現地にはマンション建設反対を訴える小さな立て看板があった
 

マンション建設予定地。前面の直線道路は鎌倉宮(大塔宮)の参道、「お宮通り」


マンション建設計画が立てられる前、そこには何があったのか。なぜ反対運動が起きたのか。現地で活動を展開している「元治苑(げんじえん)を守る会」の世話人、田川陽子さんに話を伺った。



歴史的木造建築「元治苑」とは?

「私たち顔出ししないで活動しているものですから、写真はごめんなさいね」と田川さん。
続けて、「結局私たちの活動は実らず、マンション建設は決定してしまいました」との事。現場では今、発掘調査の埋戻し等の撤収作業がすすめられているところだという。
 


撤収作業が行われている工事現場


「あの場所には『元治苑』という邸宅があったんです。長らく空家で、2011年に入って持ち主の売却に伴い4階建て41戸のマンション建設計画が持ち上がりました。建設計画に伴う説明会等を受けるうちに、この歴史的建造物を壊してしまっていいの?という思いが膨らんできたんです」
 


かつての元治苑(大正時代頃 「元治苑を守る会」提供)


「調査によると、元治苑の母屋の築年数は江戸末期まで遡る事がわかりました。緑濃い庭園はお宮通り沿いに杉木立があり、長年地域の景観を形成していたんです。
 


Googleマップには解体前の元治苑の航空写真が残っていた。赤い円の中が元治苑


鶴岡八幡宮にも近く、鎌倉宮と荏柄天神の参道にも面していて、世界遺産登録で検討されているバッファゾーン(周辺の景観や環境を保護する緩衝地帯)でもあります。景観の保全からも、歴史ある元治苑の保存をめざそうと2011年3月には『元治苑を守る会』(以下「守る会」)が発足しました」