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安く泊まれる「ユースホステル」の現状を教えて!

ココがキニナル!

ユースホステルの現状を調べて欲しいです。横浜のYHは何と伊勢佐木町のワシントンホテル。どんな人が使っているかや部屋の回転率、使い方など基本的なことから調べてください。(海の狸さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「簡素なつくりで門限やミーティングがある」などの規則はなくなりつつあり、ビジネスホテルがユースホステル協会に加盟する動きも出てきている

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ライター:篠原 章公

ひと昔前は若者が旅をする際に欠かせない存在だったユースホステル。
1970年代には低価格で宿泊可能、旅行者同士の交流もできることから人気を誇ったが、2013年現在の状況はどのようなものなのだろうか。

また、投稿にあるように伊勢佐木町のワシントンホテルがユースホステルとして利用可能な点についても、一般的なユースホステルのイメージ(簡素な宿泊施設、門限がある、ミーティングの開催など)とは開きがあるように感じられる。

この二つの疑問点を解決すべく、まずははまれぽエリアを飛び出し、東京・代々木にある国立オリンピック記念青少年センター内、日本ユースホステル協会への取材を敢行。
ユースホステルの定義や使い方など、基本的なことからお話を伺った。
 


日本ユースホステル協会がある「国立オリンピック記念青少年センター」




ユースホステルとは?

「ユースホステルは誰もが安心して旅をすることができるよう確立された、全世界90の国と地域に、4000ヶ所の加盟施設を抱える世界最大の宿泊施設ネットワークです。もとはドイツの発祥、日本では1952(昭和27)年に日本ユースホステル協会が設立されたことがはじまりで、1970年代には日本での会員数が60万人を超えた時期もあります。ユースホステル会員になっていただくことで既定の宿泊施設にお安く宿泊することができます」
 


お話を伺った日本ユースホステル協会の宗像さん


これまでのユースホステルといえば、安価で宿泊できる代わりに規則が厳しくて施設が古い、学生が泊る場所、というようなイメージが先行しがちだが、2013年現在、若者だけでなく、外国からの旅行者、家族での利用や年配の方まで幅広い層に利用されている。

会員システムには多様な形態があるが、中学生修了年齢~19歳未満の青年パスであれば年会費1500円(次年度以降は1000円)、満19歳以上の成人パスであれば年会費2500円(次年度以降は2000円)で取得することができる。

申し込みは全国のユースホステルのほか、デパートや書店、大学生協など約800ヶ所にて可能。日本ユースホステル協会のホームページでもオンライン申し込みを受け付けている。会員になることで世界のユースホステル施設が利用可能となるのだ。
 


これがユースホステル会員の証(写真は見本)


キニナル宿泊料金については、施設によって差はあるが、日本では素泊まり1泊3000円程度からと比較的安価な設定となっている。世界的にみると、日本では自宅を開放するケースや、いわゆるペンションタイプの施設など、収容数の少ない施設がメインなのだそうだ。

ユースホステルのおおよそが分かったところで、宗像さんに現在のユースホステルについて伺った。

「かつて存在した、門限や掃除などの規則は多くの施設でなくなっています。現在ではそういった決まりごとが旅行者にとってマイナスイメージに繋がることもあり、“ミーティング”と呼ばれる宿泊者同士の交流のための集会も一部の施設を除いては行われていない状況。“ミーティング”を行っている施設では逆にそれをウリにしていたりもするのですが、全体的にみると一般的な宿泊施設の形態に近づいているかと思います」

現在は若年層が旅をする機会自体が以前より減っており、ビジネスホテルなどの宿泊施設も各地でユースホステルと同価格帯、もしくはそれより安く展開していることから、「会員数も一番多かった年に比べると10分の1以下」になっているという。

お見せいただいた統計資料によれば、最も登録会員数の多かった1972年度の会員数が63万人を超えているのに対し、2011年度は約4万5000人にまで減少している。
 


ピークの1972年度から減少の一途をたどっている(資料より一部抜粋)


確かに筆者も親の世代(50~60代)の方と話をする中でユースホステルを利用した経験を聞くことはあっても、同世代に「旅をするのにユースホステルを利用している」という話はあまり聞いたことがない。

なお、2012年現在、男女比はおよそ7:3。19~27歳の会員数は全体の24.8%で、ほかの年代に比べもっとも多い。ただ、2009年の27.8%からは減少している。

そんな中、新しい取り組みとして挙げられるのが、キニナル投稿にもある「横浜伊勢佐木町ワシントンホテル」のようなビジネスホテルのユースホステル協会への加盟だ。この動きは1997年ごろから始まっており、流動的ではあるが現在でも全国で2件のビジネスホテルがユースホステル協会に加盟している。

「加盟に関しては協会で基準がありますが、基本的に宿泊施設であれば可能です。より若年層の方や海外の方にも宿泊していただきたいという狙いで加盟されるケースがありますね。横浜伊勢佐木町ワシントンホテル様の場合は、以前、横浜にありましたベイサイドユースホステルが閉館(2011年3月)し、日本のユースホステルネットワーク的にも重要なエリアである横浜にユースホステルがなくなってしまうことが懸念されている時期にお話が進み、現在では重要な役割を担っていただいております」

さらに、ユースホステルの魅力について伺った。

「宿泊施設にいるマネージャー(ペアレント)が旅行者の旅の応援をする役割を担っており、気軽に旅の相談に乗ったり、その地域についての情報を提供できたりするという点。また、一風変わった宿泊施設が多いのも特徴ですね。日本にも寺や古民家、廃校を利用した宿泊施設などがありますし、海外では古城やジェット機、刑務所を利用した宿泊施設があるんですよ」
 


廃校を利用した「あすけ里山YH」(愛知県)
 

国際YH連盟WEBサイト上の口コミで、部門別の世界一に輝いた「宇多野YH」(京都府)
 

古城を利用した「バッハラッハYH」(ドイツ)
 

刑務所を利用した「オタワジェイルYH」(カナダ)


なるほど、単に料金が安いだけではなく、旅の応援をしてくれるマネージャーの存在や普通では泊まることのできない宿泊施設の数々は大きな魅力と言える。

最後に宗像さんから「若い人に旅を通じて成長してほしい、低料金で気軽に旅を、というのが大きなコンセプト。気軽にいろいろな宿に泊まって、旅を楽しんでほしいですね」とメッセージをいただいた。