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ディープな雰囲気を醸し出す鶴見の「かめちゃん」ってどんな店?

ココがキニナル!

鶴見の大阪串カツ「かめちゃん」がディープな雰囲気でキニナル。泡盛コーヒー(?)にメガジョッキ(1リットル?)お酒がたくさん飲める記者さん、突撃をお願いします(スさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「かめちゃん」は、ソウルミュージックをこよなく愛するご主人が、王道はもちろん、あれこれ試したくなるメニューをそろえる素敵なお店だった!

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ライター:井上 こん

馴染みの店で季節外れの牡蠣を目にした。

「おい、当たったら事だぞ」と言う自制心を振り払い、食らいつく。くじ引きではティッシュしか当たらないくせして、よりによってこの牡蠣が“ジャストミート”ときたもので、ある程度の時間を七転八倒して過ごす・・・そんな日があった。「もう牡蠣は食べません」と誓ったところで、キニナル串カツ店の取材が舞い込む。

京急鶴見駅のすぐそばにある「かめちゃん」では、1リットルのジョッキや一風変わった酒をそろえているという。大々的に宣伝していないため口コミの類は少ないものの、同店にまつわるキーワードを2つ見つけた。“メガ”そして“ソウル”だ。
 


京急鶴見駅のすぐそばに「かめちゃん」はある

 
“メガ”とはもちろん前述のジョッキを指すだろう。注目すべきは“ソウル”。
 
串カツ店における魂とは何事だろう。個人的には、知る限りの串カツ店って、「ウイスキーがお好きでしょう」CM効果の表れか、ハイボールを覚えたての女子が冒険に来てみたり、常連客がビール片手にタレでちょっと汚れたビッグコミックに目を走らせるような、そんな光景がお決まりで、魂だとかが求められることは無かった。店主が、「気合入れたろか!」系の血量の多い漢だったら、私はひとたまりもない。

一抹の不安を胸に噂の「かめちゃん」に到着。
 


京急鶴見駅東口より1分程。提灯に心躍る




ソウル”の秘密

自分好みの開放的な店構えを前にし、思わずえびす顔に。店内には、「いらっしゃい、お待ちしてましたよ」と颯爽とした足取りの男性が。
 


店主のとしちゃん。気持ち良く迎え入れてくれた

 


ワクワクしながら迷う楽しみといったら・・・


浅草出身という好漢な印象のご主人に迎え入れられるなり、ソウルへのいぶかりが吹き飛ぶ。

3000枚ものレコードを保持するというご主人の趣向がこれ以上なく反映された店内では、選りすぐりのソウルミュージックが生き生きと跳ね回り、珠玉のレコードがご主人の寵愛(ちょうあい)を受け額縁の奥から自尊の顔を覗かせる。そういう意味でのソウルだったのだ。

音楽を頒(わか)つ場、そんな安定した視座のもと「かめちゃん」をオープンして今年で3年。
 


然るべき人には分かる貴重な代物




1杯目のお酒にと、白羽の矢が立ったのは・・・



個人的に、男女の支持層が厚く親しみやすい女優といえば菅野美穂だと思う。

そんな親しみやすい菅野美穂を代名詞化した某ウイスキーCM。今でこそハイボールは、むしろあっちからすり寄ってくるような身近さを持つが、昭和20年代、ウイスキーが高級品だった時代には、庶民は安価な国産焼酎を代用した独自のハイボールを嗜(たしな)んでいたことをご存知だろうか。

東京下町で産声を上げた焼酎ハイボールは「甲類焼酎+炭酸+少しのSomething」から成る。Somethingとは、就職難を勝ち抜く極意とか、女を確実に落とす口説き文句ではなく、例えばレモンや梅といった作り手の一捻りのことであって、各々のアレンジが“焼酎ハイボール”の派生に繋がったものとされる。

同店では“梅の香”を使った「元祖下町焼酎ハイボール」が提供される。一押しともあり、記念すべきメガジョッキデビューはこのハイボールで果たすことに。メガジョッキの容量は噂通り1リットル。
 


櫛比(しっぴ)したボトル群に席を持つ“梅の香”
 

1杯目は元祖下町焼酎ハイボール。通常サイズ(350円)とメガジョッキ(900円)


「・・・プハー!!」

代用酒という誕生の背景がバイアスとなり、カウンターパンチを食らわないよう少し身構えていたが、一口で一転!

パタパタと駆けていく少年のような爽快感。いやいや私なんてまだまだです、と謙虚な微炭酸。これらの面々を連れ立った焼酎が申し訳なさそうに喉を通過していく。
 
あっけに取られるくらいマイルドだ。例えば、「あのタレント、偉そうで嫌いだ」と思っていたけれど、実際に会うと礼儀正しい人で、「なんだ、誤解してた。これからは応援する!」といった、あの感じ。それは一種のいじらしささえ感じさせ余計に飲み手を喜ばせる。なんとも飲ませ上手なお酒に思える。

飲ませ上手と言えば、ご主人。メガジョッキを注文すると、「メガいただきましたー!」といなせな掛け声を送ってくれる。
 


柄にもなくキャッキャとする