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横浜を舞台にした小説を書いている山崎洋子さんってどんな人?

ココがキニナル!

横浜を舞台にした小説を多く書いている山崎洋子さんを取材して欲しいです。(クロニスタさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

山崎洋子さんは、小説などで横浜を描き、たくさんの出会いの中で横浜に深くかかわってきた人。ディープな部分も含めて横浜を愛する横浜の住人だった!

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ライター:大和田 敏子

山崎洋子さんは、横浜を舞台にした小説を多く書かれているばかりでなく、ノンフィクション作品の中にも、さまざまな視点から横浜の歴史を語られているものも多い。また、横浜市の行政や市民活動にも積極的に参加され、講演活動もされている。

山崎さんにとって横浜とは? 創作活動を通して、また地元の方々との幅広い交流の中で育んできた横浜とのかかわりについてお話を伺うことができた。
 


山崎洋子さん。熱い口調で横浜について語ってくださった




本当は映画の脚本家になりたかった



山崎洋子さんは、1947(昭和22)年に京都府宮津市生れで、現在は横浜市に在住している。
子どものころからミステリーを読むのが大好きだったが、「映画は本以上に好き! 要するに『物語』の世界にいつも浸っていたい人間なの」だと、山崎洋子さんは言う。

「だから自分でも書けるかなと思ってしまった。ほかに食べていく道が見つからなかった」
小説家になった理由を彼女はそう語る。

小説を書くことは、彼女にとって、自ら紡ぎだす「物語」の世界に浸ることなのかも知れない。

「本当は映画の脚本家になりたかったが、うまくいかず、あまり向いてるとは思えない小説家になった」というのが山崎さんの弁だが、1986(昭和61)年、デビュー作『花園の迷宮(講談社)』で第32回江戸川乱歩賞を受賞した。
 


「花園の迷宮(講談社)」は第32回江戸川乱歩賞を受賞


華々しい小説家デビュー以降、小説、エッセイ、ノンフィクションなど多数の著書を執筆。また、舞台の脚本・演出、バレエ・ミュージカルの原作も手がけるなど、多方面で活躍し、2010(平成22)年には、NHK地域放送文化賞を受賞している。



横浜には、小説の舞台として絶好の条件がある!



まずは、デビュー作となった小説の話からうかがうことにした。

―デビュー作『花園の迷宮』(江戸川乱歩賞受賞)は、昭和初期、横浜の遊郭を舞台にした作品ですね。ここを舞台にした理由は?
私は当時、横浜について良く知っていたわけではないのですが、夫が18歳も年上で横浜の人だったので、子どものころ、真金町辺りに遊郭があったという話は聞いていました。遊郭という和風なものと横浜とのミスマッチがおもしろいと思いましたし、応募作を書くには、他人が扱ってない題材を選ばなければというのもあって、調べて書きました。
 


「まさかデビュー作の舞台にした所のすぐそばに住むなんて」


―小説を書かれる時、どういったところから発想されるのですか?
私の場合は、あまりキャラクターからは入らなくて、時代背景や場所から入ることが多いです。シチュエーションから考えるのが好きなんですね。だから何度も横浜を舞台にしたんだと思います。横浜は、日本の人ならたいてい知っていてイメージが一つできていますから、舞台にしやすいです。幕末、明治、大正、昭和と書きましたけれど、横浜はホントに変化が激しいから怖いですね。

―2011(平成23)年に出された「横濱唐人お吉異聞」も横浜を舞台にした作品ですね。
唐人お吉が元町にいたという話がありますが、何の証拠もないんです。だから逆に小説にできたというところがありますが、歴史的背景は間違えないように一生懸命調べましたね。
 


明治初期の横浜にタイムスリップしたかのように、物語に引き込まれる


―横浜に関するものは何冊ぐらいあるのでしょう?
横浜に関するノンフィクションは3冊です。舞台が横浜でなければならないという小説は11冊ほどですが、短編集の中に何篇かあったり、ほかの小説にも横浜は大いに出てきますので冊数でくくらないでください。

―「ヨコハマ幽霊(ゴースト)ホテル」の舞台となったホテルについて、キニナルが寄せられていました。
古い怪しげなホテルが横浜に似合うなと思って、中華街にあるホテルという設定で書きました。本が出たあとで、似たような雰囲気のホテルを見つけてびっくりしました。
 


「ヨコハマ幽霊ホテル」の舞台は、以前取材した「オリエンタルホテル」のような雰囲気
 

観光客でにぎわう今の中華街