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伝説の娼婦・白塗りのメリーさんを知る横浜の文化人に直撃インタビュー!

ココがキニナル!

メリーさんに関わりのある横浜の文化人それぞれの“エピソード”を教えて!(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

メリーさんを追い続けた、中村高寛さん、森日出夫さん、清水節子さんにインタビューを敢行!メリーさんの“エピソード”を伺った!

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ライター:松宮 史佳

映画「ヨコハマメリー」を撮った中村高寛監督に直撃!



映画「ヨコハマメリー」は“白塗りの娼婦メリーさん”を知る人々の証言で構成されたドキュメンタリー的手法の映画。2006(平成18)年に公開され、大ヒットした中村高寛(たかゆき)監督のデビュー作だ。
 


映画「ヨコハマメリー」は大ヒットした


中村監督は1975(昭和50)年の生まれで、横浜出身。松竹大船撮影所でキャリアを積み、中国へ留学。1999(平成11)年から2001(平成13)年まで北京電影学院でドキュメンタリーを学んだ
 
と、ここで中村監督がはまれぽを知ったのは松宮が書いた「オリエンタルホテル」がきっかけだったと知りびっくり! 今回取材させていただき、不思議な縁を感じる。

中村監督がメリーさんを知ったのは中学生くらい。学校でも話題になっていたらしい。映画を撮り始めたのは、1995(平成7)年にメリーさんが姿を消したことがきっかけとなった。

「いつも街にいた人がいない」「どこに行ったんだろう・・・」とリサーチを始めた。リサーチ期間は2年間と長いが、自分は「一生付き合えるような“対象”しか映画に撮らない」。だから時間がかかっても「全然、大丈夫なんです」と中村監督。
 


「写真は苦手」と言いながらも気さくに撮影に応じてくれた中村監督


映画はメリーさんの噂話から始まり、彼女に関係する人たちの証言によって、進んでいく。それは取材中に「皆がメリーさんのことをうれしそうに語るのがおもしろいと思った」から。

メリーさんがいなくなって映画撮影を開始したが、途中でメリーさんがいる老人ホームが判明。中村監督は「まず中に入ろう」と老人ホームで1ヶ月間、ボランティアとして通った。

その際、父の知り合いの家に宿泊させてもらったが、山間の狭い町だったこともあり「映画の撮影」とは言わなかった。その方は毎日どこかに行く中村監督を心配し、「横浜で何かあったのでは?」と思っていたらしい。撮影を終えて、横浜に帰る時に「無言で1万円を渡された」とか!
 


中村監督のデビュー作「ヨコハマメリー」は評判になった(週刊朝日2000年4月28日号)



最後に「メリーさんはどんな人だったのか?」と尋ねると、横浜にいたころのメリーさんは「本来の姿を明かしていなかったのでないか」と中村監督。
 
晩年を過ごした故郷の老人ホームでのメリーさんは自分の“興味があることは振り向く”が、興味がないことは一切振り向かなかったとか。横浜時代より「(メリーさんは)より自由に生きている」と感じたそうだ。

横浜時代と老人ホームの“共通点”は「とにかくひたすらマイペース」ということ。だから周囲の人を気にせず、「横浜に立ち続けられたのでは」と中村監督は語ってくれた。

中村監督は「ヨコハマメリー」を撮る際、1人の写真家を訪ねている。1995(平成7)年にメリーさんの写真集「PASS ハマのメリーさん」を発売した森日出夫さんだ。



写真家・森日出夫氏にインタビュー



森日出夫さんは1947(昭和22)年、横浜生まれ。長年撮り続けた横浜の港・街・人を「森の観測」と名づけて作品を写真集や個展などで多数発表し、国内外から高い評価を得ている。
 


ダンディーな森さんにはバーがよく似合う


森さんは1993(平成5)年にメリーさんを撮り始め、1995(平成7)年に写真集「PASS ハマのメリーさん」を刊行。今回、メリーさんの写真はすべて森さんから提供していただいた。
 


メリーさんは“街の風景の一部”として撮り始めたそうだ
 

街の風景は「いつ消えてしまうかわからないから。まず取材しておく」と森さん


森さんがメリーさんを初めて見たのは「たぶん40年くらい前」。その時は「メリーさん」ということは知らず、ただ「何?」と思ったそうだ。
 


メリーさんに“金歯”があったとは!
 

メリーさんがいなくなってからは「街の風景が変わった」


森さんによると、実際のメリーさんは150cmにみたないほどの背丈で、「とても小柄な人だった」らしい。また、決して施しは受けず、「礼節を重んじるきちんとした人」だったそうだ。