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横浜市が取り組む「人生記念樹配布事業」とは、どんな制度?

ココがキニナル!

横浜市環境創造局では、人生の節目に記念樹を無料プレゼントしてくれる取り組みを行っているそうです。この取り組みをはじめたきっかけや、実際に記念樹を育てている人のお話など聞いてみたいです(maniaさん)

はまれぽ調査結果!

きっかけは新生児を対象とした市内緑化事業だったが、段階的に賀寿(がじゅ)や就職などの12項目へ拡大。今では家族が集まる機会にも利用されている。

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ライター:河野 哲弥

人生に思い出を残す、市民参加運動



横浜市では、市内在住であることを前提に、人生の節目を記念して、事前に申し込んだ人に苗木をプレゼントしているという。担当部署は、以前「みどり税」の取材でお世話になった、横浜市環境創造局みどりアップ推進課。さっそく問い合わせてみると、今回の取材も快く引き受けてくださるという。
 


同課の入る、横浜市庁舎の向かいにある関内中央ビル


聞けば10月26日(土)と27日(日)の両日、ちょうど人生記念樹を配布するイベントが、市内の各区役所などで行われるそうだ。そこで、記念樹の寄贈先をご紹介いただけないか相談したところ、これについてもセッティングしてみるとのこと。

まずは、みどりアップ推進課を訪ね、「人生記念樹配布事業」とはどのような事業なのか、説明していただくことにしよう。



半世紀以上続く、記念樹配布事業の歴史



話を伺ったのは、みどりアップ推進課緑化推進担当の野木佑真(ゆうま)さん。もともと植物を育てることが好きで、2年前に配属されて以来、やりがいを感じているそうだ。
 


今回の取材で、全面協力をいただいた野木さん


さて、同課の名前にもなっている「みどりアップ計画」とは、緑の減少に歯止めをかけ、次世代に豊かな自然を残していこうというもの。具体的な施策は3つあり、それぞれ代表的な事業をまとめてみると、以下のようになる。

「樹林地を守る」~特別緑地保全地区等の指定、森づくりボランテイアの養成、間伐材(かんばつざい)を活用したワークショップの開催など。

「農地を守る」~水田の保全や農地の貸し付け、共同直売所の整備、収穫体験農園の整備など。
「緑をつくる」~名木古木の保全、屋上緑化の助成、みどりのまちづくりの実施など。
 


港北ニュータウンならぬ「港北ニュータン」?これも、樹林地を守る事業の一例


今回の「人生記念樹配布事業」は、この「緑をつくる」施策に位置づけられているが、事業そのものは、1966(昭和41)年にスタートした。野木さんによれば、事業が開始された当時の目的は、市内で出生した新生児に向けたウェルカムツリーであったらしい。樹木の費用の一部を横浜市が負担し、市が管理する公園などへ植えていたようだ。

しかし、公園だと必ずしも自宅の近所ではないため、親近感が湧かないことがある。また、出生以外の節目にも機会を広げていけば、施策がより効果的に行えることになる。こうした点を検討した結果、1977(昭和52)年より個人負担分を無料化し、申込者への配布に切り替えることになった。

また、そのタイミングも、1977(昭和52)年度より賀寿(がじゅ)などの9項目、2009(平成21)年度より就職などの12項目へ増やした。現在では、以下のような「人生の節目」で、申し込みが可能となっている。

(1)出生、(2)保育園・幼稚園入園、(3)小学校入学、(4)成人、(5)就職、(6)結婚、(7)金婚(50年)、(8)銀婚(25年)、(9)賀寿(60歳の還暦・70歳の古希・77歳の喜寿・80歳の傘寿・88歳の米寿・90歳の卒寿・99歳の白寿)、(10)市外からの転入、(11)住宅の新築・購入、(12)住宅の増改築。
 


選べる樹木は9種類、制定されている場合は「区の木」も選択可能
(横浜市のサイトより)


樹木の選定基準は、枯れにくくて育ちやすいことや、花が咲くことなど。悩んで決められない場合は、住宅事情に応じた相談にも乗ってくれるという。例えば、マンションなどで鉢植えを利用して育てる場合は、サツキやアジサイなどの低木がオススメといった具合だ。

過去の累計実績は約15万本、2012(平成24)年度には、約1万本の人生記念樹が寄贈されたそうだ。なお、育てている方の声は、同課のサイト内にある「みどりアップしています!宣言」に、一部掲載されている。
 


赤枠の「個人の取り組み」を参照(横浜市のサイトより)


投稿にもあったので、いくつかご紹介させていただくと、
「結婚した記念に利用。毎年花が咲くのが楽しみ」
「娘の誕生日記念に名前と同じ『サツキ』を申し込み、いい記念になった」
など。

なお、配布時期は、5月ごろと10月ごろの年2回。インターネットやハガキにより申し込むことができる。