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「恋するフォーチュンクッキー」神奈川県Ver.は、何のために作られた?

ココがキニナル!

AKB48の恋するフォーチュンクッキーの神奈川県庁公式バージョンが作られました!神奈川県の名所が出てきたり、県アピール満載映像なのですが、なぜ作ったのか調査して下さい(yujunaさん、タイサンさん)

はまれぽ調査結果!

国内外を問わず、多くの人に神奈川県に興味をもってもらうため、神奈川の魅力がたっぷり詰まった観光プロモーションビデオとして制作した

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ライター:伊藤 健志

AKB48といえば、いまさら説明するまでもなく、国民的アイドルグループだ。リリースされる楽曲は、軒並みチャート上位を彩り、いまや各種メディアで彼女たちの姿を見ない日はない。

とくに、今夏にリリースされた32枚目のシングル「恋するフォーチュンクッキー」は、今年のシングル選抜総選挙で衝撃の1位を獲得した指原莉乃(さしはらりの)がセンターを務めた話題性だけでなく、耳に心地よいミディアムテンポのナンバーに、パパイヤ鈴木による楽しくて覚えやすい振り付けのミュージックビデオ(以下、MV)が人気となった。

さらにいま、ビデオを見た人たちが「みんなで踊ろう」という気持ちになる、いままでにない国民参加型の展開を見せている。
 


 

本庁舎をバックにスタート(YouTubeより)


この動きは当初、AKBの裏方スタッフたちがMVをまねて踊る「スタッフVer.」動画がYouTube上に公開されたことがきっかけ。そこからさまざまな企業や団体、自治体を巻き込んで、自然発生的に広がっていった。いまではYouTubeで「恋するフォーチュンクッキー」を検索すると、さまざまなバージョンのダンス動画がズラッと公開されているが、この中には、今回神奈川県が制作した「神奈川県Ver.」も含まれている。

なお、公開されている動画には「公式」と「非公式」の2つが存在するが(神奈川県Ver.は公式)、これはAKBの運営会社である株式会社AKSが一律審査して「この動画であれば問題ない」と判断されれば、公認されるのだという。
 


県のホームページのトップ画面の中央には、専用サイトへのリンクが設けられている




職員の本気度を感じた知事が即断即決



自治体としてはじめて参加したのは佐賀県だが「9月の終わりごろ、ある企画会社から“佐賀県が県庁のPR動画を作って公開している。神奈川でもやってみませんか?”という話をいただいたのが、参加するきっかけでした」と語るのは、神奈川県知事室 政策推進グループの町田主幹。
 


知事室 政策推進グループ・町田主幹


「(佐賀県が実施した県庁のPRと)同じような内容の二番煎じでは面白くない。神奈川県は横に広く、西と東では様相も違うので、そういう神奈川の魅力をぎゅっと詰め込んだものしたら面白いのでは? というアイデアが出て、それならば観光プロモーションビデオにしよう」という話になった。

ただ、職員たちの盛り上がりとは裏腹に、黒岩裕治知事は、当初あまり乗り気ではなかったそうだ。そこで県の観光課のスタッフたちは、話が来てからわずか2日間で、県内の観光スポット78ヶ所をリストアップ。これを知事に見せたところ「よくこれだけの短期間でまとめたな」と、スタッフの本気度を感じて「だったらやってみよう!」と即決した。

「知事はメディア(テレビ記者)出身なので、スピードが信条。手続重視の行政の手法にはギャップを感じていたようです。もちろん、確認や手順は大事な作業ですが、まずはやってみること。職員たちはその知事の考えを理解しているので、それが2日間というリストアップの結果になりましたし、その後の作業のスピード感にもつながっています」と町田主幹は語る。
 


専用サイトには、撮影スポットの一覧も掲載されている
<クリックして拡大>




33市町村のすべてのスポットを網羅し、1500名が参加



黒岩知事のノリノリの演技と、横浜市出身で若干17歳の体操世界選手権金メダリスト・白井健三選手の「I Love Kanagawa」の台詞ではじまる、3分52秒の動画には、県内69ヶ所の観光地と、県庁内の会議場や正面玄関、さらに県立がんセンターや科学技術アカデミーなどの施設4ヶ所で撮影された全79カットが詰め込まれている。33市町村のすべてを網羅した。

この内、横浜市内のスポットは23ヶ所に及ぶ。前述の県庁はもちろん、ランドマークタワーや赤レンガ倉庫などの一大メジャー観光地から、横浜橋通商店街や野毛の飲食店など地域に根ざしたマニアックなスポットまで、幅広く紹介されている。
 


ノリノリの演技を見せる黒岩知事(YouTubeより)
 

体操の白井選手も県のPRに一役買った(YouTubeより)


参加者数は、県職員500名を含めた約1500名。県職員以外は、県がそれぞれのロケ地に依頼して集められた。町田主幹は「まさかこれほどの人数に協力していただけるとは、正直思ってもみませんでした」と振り返る。

撮影期間は、実質5日間。撮影隊を3つのチームに分けて、1チーム当たり平均5ヶ所/日のハイペースで県内を飛び回った。各ロケ地には、歌詞カードでパート分けした部分を事前に通知、振り付け用の映像を一緒に送って練習してもらった。

また本庁舎では、業務終了後に練習会を3回開き、さらに遠方のロケ地の参加者に対しては、仕事で県職員が現地に訪れた際に練習会を開くなどした。30分~1時間程度という撮影のわずかな時間を割いて、振り付けの練習から本番まで一気にやってしまうケースもあったという。
 


 

 

県内のさまざまな場所で、さまざまな人たちが参加した(YouTubeより)