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女性や小食男子必見? 横浜にデカ盛りならぬ「小盛り」の店があるってホント?

ココがキニナル!

横浜市が小盛りメニュー等の導入などしてるお店を対象とした「食べきり協力店」なる取り組みをしていた。実際にお店に取材をしてほしい(takedaiwaさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜市が、ごみの総排出量削減を目的に展開している新たな試み。飲食店の現場からは、「生活が豊かになる」「食の安全にもつながる」との声も

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ライター:河野 哲弥

市の担当部署は、資源循環局?



「デカ盛り」ではなく、「小盛り」メニューの導入などを行う「食べきり協力店」。
女性を意識した地域活性化への試みなのかと思いきや、調べてみると、主に横浜市のごみを扱う資源循環局が担当していた。
 


同局が入る、松村ビルにやってきた


何だか、この取り組みのねらいが見えてきたような気もするが、改めて取材を申し込んでみよう。
家庭ではなく法人を対象とした、事業系対策部一般廃棄物対策課を訪ねてみた。
 


イーオとミーオも応援中



「食べきり協力店」について説明してくださったのは、同課の大須賀課長と大滝さん。やはり、横浜市が推進するごみ削減への施策「ヨコハマ3R夢プラン」と、深く結びついているという。
 


マスコットの「イーオ」を挟んで、右から大須賀さんと大滝さん


それにしても、どうしてこのような取り組みを思いついたのだろう。
同課によれば、市の工場で焼却される事業系ごみの約4割は、食べ残しなどの食品廃棄物であるらしい。焼却時に排出されるCO2も含めて、いかに減らしていくかが、大きな課題となっていた。

そこで、2012(平成24)年度からの実施を前提に、3R(リユース、リデュース、リサイクル)に当てはめて解決策を検討してみたとのこと。

ところが生ゴミを「リユース」するというのは、衛生面の点からもいただけない。では、「リサイクル」ならどうだろうか。実際に飲食店へヒアリングをしたところ、つまようじや割り箸が一緒に混入されてしまうことや、腐敗防止など保管上の問題も多いことから、こちらも現実的ではなかったと話す。
 


そこで、「食べきり協力店」のアイデアが浮上


残るは、ごみそのものを削減する「リデュース」。これなら店舗にも協力を仰ぎやすいのではないかと、発想の転換から生まれた、まさにジャストアイデアだったそうだ。

当初は、食べきった利用客に特典を与えることなども検討されたが、あまり店舗に負担をかけてしまうと、導入を見送られてしまう可能性がある。

また、現場から「小盛りメニューなど新しいことを始めると、仕入れなどを一から見直さなければならない。何か、もっと簡単にできることはないか」といった声があったため、複数の選択肢が選べる内容に落ち着いた。
 


いずれか1つでも実施していれば、認定される


呼びかけている項目は以下のとおり。
・小盛りメニューなどの導入(量については店舗判断)
・持ち帰り希望者への対応
・食べ残しを減らすための呼びかけ実践
・ポスターなどによる食べ残し軽減に向けた啓蒙活動の実施
・上記以外の食べ残しを減らすための工夫

2012(平成24)年度の段階では、飲食店が集中している関内に限定したモデル事業とし、ダイレクトメールや『広報よこはま(中区版)』などで募集を開始。

ときには同課の職員が、プライベートの時間を利用して、行きつけの店を口説くような場面もあったという。
やがて、地方紙やテレビなどでも紹介されるようになり、初年度の参加店は104店舗に上った。
 


2013年の1月には、参加店に向けて12項目のアンケートを実施


アンケートの中には、「飲食店だけでは限界がある。現場だけでなく、家庭や学校でも食育の機会を持って欲しい」といった厳しい声もあった。しかし、おおむね「ポスターがあるので、(食べ残さないよう)声をかけやすくなった」「エコな店としてPR効果につながった」など、好意的な意見が多く寄せられたとのこと。また、7割以上の店が「食品廃棄物が削減できた」と回答した。

そこで翌年度からは、対象を横浜市全市に拡大。これにより、足並みのそろわないことを嫌うチェーンの一部からも、賛同を得られるようになったそうだ。例えば、居酒屋などを展開する「庄やグループ」では、希望する利用客に対して、刺身で余った魚の骨の部分を「小骨せんべい」にして提供するサービスを開始した(横浜市外の店舗は任意)。

さらに、「食べきり協力店」の専用サイトをリニューアルし、店舗検索や地図機能といった新たな機能を追加。一般客の利用はもちろん、飲食店のさらなる登録促進に期待を寄せている。
 


2013(平成25)年8月にリニューアルした、同局の専用サイト


「今後、食に対する『もったいない』という意識が、各家庭へ浸透していってほしい」と大須賀さんは話す。また、対象店舗を総菜店などの食品販売業に広げていくことも検討中とのこと。このため、市の他局といかに連携していくかが、今後の課題であるそうだ。

なお、取材時の2014年1月現在、「食べきり協力店」は合計360店舗。その中で、唯一5項目をコンプリートしている中華料理店があるというので、紹介してもらうことに。