検索ボタン

検索

横浜のキニナル情報が見つかる! はまれぽ.com

  • 36年ぶりに完全復活「横浜銀蝿 40th」。オリジナルメンバーで再結成!
  • 神奈川県内の横浜家系ラーメン店がどこにあるか地図からすぐわかる!横浜の観光情報「よこはまっぷ」
  • イベント開催、店舗オープン、新商品発売などリリース情報を配信したい方へ
  • はまれぽ.comにあなたのお店・会社を無料で掲載しませんか?

赤レンガが主人公の横浜発クレイアニメーション「ハーバーテイル」とは?

ココがキニナル!

赤レンガが主人公の横浜発のクレイアニメーション「ハーバーテイル」を取材してください。(クロニスタさんのキニナル) 

はまれぽ調査結果!

横浜赤レンガ倉庫からインスピレーションを受け、ハマっ子の伊藤有壱(ゆういち)監督が生み出したクレイアニメーション。現在、続編の製作が進行中

  • LINE
  • はてな

ライター:細野 誠治

知ってる? ハーバーテイル



偶然というか、筆者はこの依頼を受ける前に“横浜が舞台らしい”という情報を聞き、今回のキニナルの元であるクレイアニメーション『ハーバーテイル』をチェックしていた(ハマっ子なら必ず心を揺さぶられますよ~)。
 


『ハーバーテイル』の印象的な1シーン


この作品は従来のクレイ(粘土)を少しずつ動かして撮影を行う「ストップモーション」という技法に加え、実写映像とコンピューターによる「マットペインティング(被写体と背景を馴染ませる技法)」とが組合わされた18分間の短編アニメーション。この創作方法は監督の伊藤有壱(ゆういち)氏が提唱をしている“ネオクラフトアニメーション”と呼ばれている。

『ハーバーテイル』の内容は・・・架空の港町Y(架空とはいうもののモロに横浜と思える)にそびえるレンガの建物の、ある一片のレンガが街にくり出しさまざまなできごとに遭遇する・・・というストーリー。
 


主人公の“レンガ”。彼の、港町を舞台にした大冒険!


本当、ハマっ子の皆さんにはぜひ観てほしい。そんな作品。
そして今回のキニナル取材、役得です。

製作された会社を調べると、所在地はやっぱり横浜!
 


みなとみらい線・馬車道の6番出口から赤レンガ方面へ(レンガ!)
 

こちらの建物に、その会社はある(残念ながらレンガ造りではない・・・)
 

社名はI.TOON(アイトゥーン)


フロアに着くと会社の壁にさまざまなイラストが! 会社を訪れた作家やデザイナー、アーティストなど、モノ作りをする人たちのサインが描かれている。
 


よく知る名前やキャラクターがチラホラ・・・
 

案内された会議室にコーナーができていた
 

絵本にもなっている!


鎮座したトロフィーにテンションが上がる。そうこうしているウチに、監督でありアイトゥーンの代表取締役でもある伊藤氏が登場。
 


“レンガ”とともに登場の伊藤監督


ここで伊藤監督の簡単なプロフィールを。1962(昭和37)年、東京生まれ。5歳のときに横浜へ。
東京藝術大学を卒業後、ビジュアルエフェクツやCGスタジオの経験を経て、ここ馬車道にスタジオを構えたのが2006(平成18)年。 

NHKのクレイアニメーション『ニャッキ!』やtvkの『ドロンコロン』、はたまたミスタードーナツのCMの『ポン・デ・ライオン』のアニメーション監督など代表作いっぱい。
はまれぽ読者の皆さんもどこかで必ず一度は目にしているはず!
 


人形はアニメーションのためにスタイロフォーム(ボード、板タイプの断熱材)やヒューズ線、シリコン等さまざまな素材で作られていた!

 


命に似たものと、命を吹き込むもの



―「ハーバーテイル」の誕生の、きっかけを教えて下さい。
「ここ(馬車道)に来たばかりのころ、ちょうど赤レンガ倉庫で2ヶ月間、大規模な個展をやった時、慣れない展覧会作業で、もうボロボロになって(笑)。ある時、取材を受けたんですけど、インタビュアーが『何か描いてくれ』ってムチャ振りをしてきて・・・。で、赤レンガ倉庫をスケッチした時に、いつになく2つ並んだ倉庫に人間ぽさを感じたんです。会話しているような、佇まいを」
 


生きているような気配を感じた


この沸き上がった感情から『ハーバーテイル』が生まれる。
港町、古いレンガ造りの建物、命を宿した一片のレンガ、冒険の舞台の横浜は目の前だ。
 


会社から見える景色。見事な、横浜らしいロケーション!


脚本を練り、準備を重ねコツコツと5年の歳月を費やして制作されたという。
―制作費って、どれくらいなんでしょう?
「計上をしていないんで、はっきりしてないんです。完全自主制作ですから(笑)。仕事で得たお金をこちらに注ぎ込んでいるので。ビジネスとは考えてなくて、作品の自由度を優先しています」
 


スタジオに飾られた赤レンガ


赤レンガ倉庫1号館で使われた本物に、記念ペインティングしたもの

自主制作! それでも「横浜市民、全員に観てほしい!」と伊藤監督。
「・・・でも現実は厳しいんですよ。18分の作品は映画館が短すぎて上映してくれなくて」

映画館を一軒ずつ回り、交渉をしたそうだ。そして黄金町の映画館「ジャック&ベティ」が「面白い! 上映しよう」と名乗りを上げる。

「理解があって、一週間、夜だけ上映してくれたんです。心意気ですよね。その後、いくつかのショートシアターで上映できたんです」
(ジャック&ベティ、グッジョブ!)
 


物語の、ある重要なファクターとして登場する“OLD BRICK”(古レンガ)
 

“レンガ”と“OLD BRICK” 実は彼らには正式な名前は付いていない・・・