検索ボタン

検索

横浜のキニナル情報が見つかる! はまれぽ.com

  • 36年ぶりに完全復活「横浜銀蝿 40th」。オリジナルメンバーで再結成!
  • 神奈川県内の横浜家系ラーメン店がどこにあるか地図からすぐわかる!横浜の観光情報「よこはまっぷ」
  • イベント開催、店舗オープン、新商品発売などリリース情報を配信したい方へ
  • はまれぽ.comにあなたのお店・会社を無料で掲載しませんか?

掃部山の崖下にひっそりと湧き続ける泉があるってホント?

ココがキニナル!

掃部山(かもんやま)東側の崖下に、泉が湧いている所があります。昔、この湧水を機関車に使っていたそうですが、どうやって運んでいたんですか?水道水じゃダメだったの?(ねこぼくさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

湧水を機関車に使ってたのは初代「横浜駅」ができた1872(明治5)年ごろ。水道がなかったためトンネルで駅の近くまで流し、そこから船で運んでいた。

  • LINE
  • はてな

ライター:橘 アリー

湧水で蒸気機関車を走らせていた!?



現在の桜木町駅が「横浜駅」と呼ばれていたのは、1872(明治5)年から1916(大正5)年の間のこと。
「はまれぽ」の記事にもなっている初代の「横浜駅」で、その当時、活躍していたのは、電車ではなく蒸気機関車である。
 


蒸気機関車の様子

 
煙突から黒い煙を吐きながら、横浜の町を走る蒸気機関車。そんな姿を思い浮かべることはできても、実際に蒸気機関車がどのような仕組みで動いているのか、はっきりとは分かりにくいものだ。

そこで、まずは蒸気機関車の動力について触れておくことに。

梅小路(うめこうじ)蒸気機関車館のホームページによると、動力となる「蒸気」は、石炭を燃やした熱で、ボイラーの中に貯められている水をあたためて作り出しているそうだ。
 


蒸気機関車の内部の様子

 
掃部山(かもんやま)の水は、蒸気機関車のボイラーの中に貯めて使われていたのか。

蒸気機関車が走る仕組みが分かったところで、キニナル投稿にある「掃部山の東側崖下の湧水」について調査してみることに。



泉が湧いている場所は!?



まずは、地図で掃部山の東側がどの辺りかを確認してみる
 


地図の赤丸印の所が掃部山の東側になる

 
地図で場所を確認したところで、さっそく、現地へ行ってみた。

掃部山の東側の崖は石積の擁壁(ようへき)になっており、東側の中ほどの所の、擁壁と個人宅との境目のような辺りに、路肩の縁石の上に通されたパイプから、静かに水が流れ出ている場所があった。

 


これが、キニナル投稿にある“泉の水”なのだろうか!?

 
一見、“泉の水”と言うよりも、配水と言う感じの地味な様子である。
“これは泉から湧いた水です”と言われないと、見落としてしまいそうだ。
配水だとすると途中で止まるかも知れないので、しばら
く様子を観察してみたが、水の勢いは変わることなく一定の調子で流れ出ていた。
 


見た目にはキレイな水である。やはり泉で湧いた水なのか?

 
念の為に、ここのほかに水が出ている箇所がないか歩いてみたが、掃部山の東側とほかの面のどこにも、水が出ている所はなかった。
 


掃部山の崖の擁壁の様子

 
やはり、これがキニナル投稿にある“湧水”のようだが、ご近所で確認してみることに。
 


すぐ近くにある「野地商店さん」で聞いてみた

 
「野地商店さん」は、この地で3代に渡って営業されているそうである。
 


2代目の御主人(右)と3代目の御主人

 
野地さんによると、やはり、あの場所から出ている水は湧水で、知っている限りの間、湧水は涸れたことがないそうだ。

そして、震災の時などの為に、と水質を調べたことがあるようで、結果は「飲料には適さない」とのこと。
湧水は、現在は、ご近所の方が植木用の水などに使用しているそうだ。

これで、掃部山の東側にある湧水が出ている場所は分かったが、この水はどこから湧き出しているのだろうか?

水は掃部山の崖の方から流れているので、掃部山公園の中に湧水があるのか、確認してみることに。



掃部山公園内に湧水はあるのか!?


 


掃部山公園の全景

 
公園内の案内板によると、掃部山は、江戸時代までは「不動山」と呼ばれていて、明治初期には鉄道技師の官舎があり地下から湧く水を蒸気機関車の給水に利用していたことから、「鉄道山」と呼ばれていたとある。
 


公園の西側の入口から中に入って行くと、右側に滝と池がある
 

滝からは水が出ていて、横にある池に流れ込んでいる
 

滝をズームで見ると、岩から水が出ていて、まるで湧水のように見える

公園の案内板に、この水に関する説明は書かれていないので、“これも湧水なのか”公園を管理している西土木事務所に問い合わせてみた。

すると、この池は1996(平成8)年に造ったもので、岩はもともとそこにあったものであるとのこと。
そして、岩の間から水が流れ出そうな形だったので、それを活かして滝と池を作ったという。なお、現在公園内で利用している水は、全て上水であるそうだ。
残念ながら、この滝と池の水は湧水ではなかった。
 


湧水でないのが残念なくらい、風情のある光景である

 
そして、崖の東側に出ている湧水がどこから湧いているのかについても聞いてみた。
すると、民家の敷地を通って出ているものなので詳しくは分からないが、敷地の奥に水が湧いている所があり、そこからパイプで水を外に出している、と教えてくださった。

水が民家の敷地の奥で湧いているとは、驚きである。
そこで、そのお宅で水が湧いている様子を伺うとして、まずその前に、「水道の水ではだめだったのか」「湧水の歴史」「どうやって湧水を運んでいたのか」 について調べていくことに。