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かき氷を頭にかける独創的なシャンプー、横浜発祥の「濱シャン」って一体何?

ココがキニナル!

濱シャンなるものがあるらしいです。氷屋と理容店がコラボして生み出したものらしく、シャンプーにかき氷を使用するとゆう独創的かつ爽快なもののようです。キニナリます(だいさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜発祥とされる「理容」と「製氷」を組み合わせて生まれた、夏にピッタリのニューウェーブ。定着をめざし、現在17店舗で「濱シャン」中!

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ライター:河野 哲弥

冷やしシャンプー、始めました!



横浜に、氷を使ったシャンプーを提供する理容室があるという。
もし本当なら、ジメジメした夏でも気分爽快。クーラーが不要となれば、節電効果も望めそう。リサーチをしてみると、鶴見区にある「ヘアーステーションサイトウ」という理容室を中心に、このサービスを展開しているようだ。さっそく、その理容室に向かった。
 


「濱シャン」のノボリが風にはためく同店外観
 

「4種類の爽快感!」とある

このPOPを見る限り、投稿にあったかき氷だけではなく、いくつかの種類があるようだ。はたして、その実態はいかに。また、冷たくすることで汚れが落ちにくくなったり、頭皮にダメージを与えたりしないのかも気になるところ。そこで、編集部・宮城氏と二人で、「濱シャン」体験をしてみることに。
 


冷やしシャンプーなのに、温めるのが特徴?



話を伺ったのは、同店店長の齋藤凖(さいとうひとし)さん。「ヘアーステーションサイトウ」の創業は1935(昭和10)年で、凖さんは三代目となる。なお、父親の謙一(けんいち)さんは、アイロンパーマを生み出した共同開発者のひとりなのだとか。まずは、氷を使ったシャンプーの内容から説明していただこう。
 


左から、謙一さんと、現店長の凖さん

 
凖さんによると、「濱シャン」は理容室で行われるサービスなどをまとめて呼ぶブランドのようなもので、「濱シャンクールソープ」などの関連商品なども展開しているのだとか。
 


天然由来の素材を用いた、リンスの要らない「シャンプー」ほか
 

髪を洗い流すときに使う炭酸水、ソーダやビールを模したユニークなアイテム

 
この「濱」のロゴを注意深く見てみると、小さなツルが3羽描かれていることに気付く。これは凖さん自らがデザインしたもので、いわく「鶴見(ツル3)」なのだとか。
 


「濱」の文字の上と左右に鶴のシルエットが3つ

 
同店では、これらのアイテムを使用しながら、主に4つのメニューを展開している。それが氷を使った「冷やしシャンプー」は、「濱シャン」と呼ばれるサービスの一部というわけ。
 


ヘアカットなどにプラスして選べる「冷やしシャンプー」各種
 

そのなかのひとつ「カクテルシャンプー」は、3つのフレーバーが楽しめる

 
気になるのは、「ヘアーステーションサイトウオリジナル」という表記があることだ。ほかの店では扱っていないのだろうか。

この点について凖さんは、「現在、横浜を中心に17店舗で“濱シャン”を展開しています。氷を使うなどの大まかな見解のみ決めているのですが、詳細は各店にお任せですね」と話す。ちなみに、その「見解」とは以下のとおり。

・氷を使う(どのようなかたちでもOK)
・シャンプー剤に、石鹸系や天然アミノ酸・コハク酸洗浄剤と天然メントール配合のものを使う
・シャンプー後、洗い流す前に時間を置く。遠赤外線で温めたりキャップをしたりすることで、毛穴の汚れを落とし、血行を促進する効果を高める
・専用うちわで扇ぐ(南極の風、タヒチの風などバリエーションあり)
 


「冷やしシャンプー」以外にも、さまざまなメニューを誇る同店


続いて、特徴を伺ったところ、「冷たいと、どうしても汚れが落ちにくくなるので、一度温めることですね。逆にそうすることによって、その後の爽快感が高まります」とのこと。実際、専用うちわで風を送るときが、最も冷感を体験できる瞬間なのだとか。

ちなみに、南極の風はブリザードをイメージした「強風」、タヒチの風は海辺にそよぐ「マイルドな風」。なぜ「風」にこだわったかのというと、それには「濱シャン」誕生のきっかけになった団体、「濱kaze倶楽部」が関係しているそうだ。



地域活性化の風を、横浜から



そもそも、こうしたユニークな試みを思いついたのは、Y150の機運が高まってきた2005(平成17)年ごろのことであるらしい。横浜の理容業を活性化しようと、凖さんら7店舗の店主が集い、「濱kaze倶楽部」を発足させた。
 


B級グルメのようなご当地名物ができないかと、模索を始めたという凖さん

 
そうした中でひらめいたのが、理髪と同様、横浜発祥とされる「製氷」をうまく取り入れるというアイデア。あくまで「理髪と氷のコラボ」という意味で、投稿にあったように、実際の製氷メーカーと提携しているわけではない。

また、ときを同じくして、山形県でも「冷やしシャンプー」がブレイクしていることを知った凖さん。例えばB級グルメのやきそばのように、その土地によってさまざまな「冷やしシャンプー」があっても良いのではと、「ただ冷やす」だけではなくプラスアルファを盛り込もうとしたそうだ。それが、上述の4見解になる。
 


こうしてまず、「かき氷シャンプー」が誕生した


しかし、実際に仲間内で実験してみると、かき氷が床に飛び散ってしまうなど失敗の連続だったそうだ。そこで、ボトルを利用してかき氷とシャンプー剤をかき混ぜ、「スムージー状」にすることで問題を克服。第一号メニュー、「かき氷シャンプー」がリリースされることになった。

すると利用客から、「もっとほかのメニューはないの?」とのうれしい声が続出。現在では、同店がアンテナショップともいうべき開発と実践の場となり、完成したレシピを「濱kaze倶楽部」の加盟店に発信している。それをそのまま利用するのもあり、独自にアレンジするのもありというわけだ。
 


プライバシーに配慮した完全個室も併設、女性でも気兼ねなく利用できる


レシピを考案するごとにスタッフに試し、「効果がどのぐらい持続するか、町内を歩き回らせたこともあります。その際には、10分から30分を目安にしました」という同店。やがて、マスコミに取り上げられるようになり、同会の加盟店は17を数えるようになった。

「1店舗だけの試みでは一過性に終わってしまうでしょう。面で展開することにより、地域の活性化に結びつけることが大切。そのためにも、頭皮や毛髪に良いサービスであることを知っていただき、理容の発祥地である横浜を盛り上げていきたいですね」と、凖さんは語る。

さて、詳細が分かったところで、実際に「冷やしシャンプー」を体験してみることにしよう。