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過去最多! 統計開始以来、初めての年間1000件超え! 横浜市の児童虐待の現状と対策は!?

ココがキニナル!

神奈川県、横浜市でも例外でなく、全国各地で児童虐待に関する痛ましい事件の報道が相次いでいるけど、横浜市の現状と対策はどうなっている?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜市内は過去最多の年間1159件。昨年度発覚した痛ましい事件を受け、児童相談所や区との連携を強化する体制を強化した

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ライター:はまれぽ編集部

全国各地で児童虐待に関するニュースが後を絶たない。2014(平成26)年5月、神奈川県厚木市で白骨化した男児の遺体が発見された。

各種報道によると、発覚の経緯は「この春、中学生になる男の子の行方が分からない」という児童相談所(児相)から神奈川県警への通報。その後の調べで、男児は父親から児童虐待を受けていたことが明らかになった。

また、2013(平成25)年4月には横浜市磯子区の雑木林で女児の遺体が発見された。こちらも母親と、当時母親が交際していた男性から日常的に虐待を受け、その短い生涯を終えたという痛ましい事件だ。

なぜ、このような悲劇が繰り返されるのか。横浜市内では、どれほどの数の幼い命が傷つけられていて、行政はどれだけの手助けになっているのか、現状をお伝えする。



統計開始以来、過去最多の年間1000件超え



まずは現状から。横浜市では年間どれぐらいの数の児童虐待の件数があるのか。市こども家庭課の田中弘子児童虐待・DV対策担当課長に聞いた。
 


お話を伺った田中課長

 
田中課長によると、横浜市に中央、西部、南部、北部と4ヶ所ある児相で受ける児童虐待(心的虐待、ネグレクト、性的虐待、心理的虐待)に関する「相談・通告受理件数」は年々増加の一途で、2013(平成25)年度は4209件(前年同期比442件増)を受理。

このうち、虐待と認められたものは1159件(同230件増)で、1990(平成2)年の統計開始以来、初めて1000件を超えて過去最多となった。
 


児童虐待の受理件数と新規把握件数の推移

 
また、厚生労働省が2014(平成26)年8月4日に発表した全国の児相で対応した受理件数は7万3765件で、前年度の6万6701件に比べると10.6%増。全国の調べでは初めて7万件を超えた。

田中課長によると、受理件数が増加した要因として、子どもの前で配偶者に暴力をふるう「面前(めんぜん)DV(ドメスティック・バイオレンス)」も「心理的虐待」であると定義したことや、被害を受けた児童のきょうだいについても虐待を受けたのと同じ対応をするよう、厚生労働省から各自治体に通知があったことを挙げている。

ひとくちに「虐待」といってもさまざまで、前述の「心理的虐待」、直接的な暴力を振るう「身体的虐待」、「ネグレクト(=育児放棄)」、「性的虐待」とあり、横浜市は昨年度「心理的虐待」がはじめて「身体的虐待」の割合を上回り、1159件中560件で全体の半数近くを占める結果となった。
 


児童虐待の種別。2013年度は「心理的虐待」が全体の約半分を占める
〈クリックして拡大〉

 
虐待者別では「実父」が初めて「実母」を超えた。配偶者に直接暴力を振るうのは男性の方が多い傾向にあるといい、このことからも、子どもにとって「心理的虐待」が負担になっていることが分かった。
 


「実父」が「実母」を逆転した〈クリックして拡大〉

 


「おしつけ」でなく「しつけ」を



では、実際に横浜市内ではどのような事例があり、児相ではどのような対応をとっているのだろうか。実例をもとに、横浜市中央児童相談所の中澤智(さとし)虐待対応・地域連携課長に聞いた。
 


南区浦舟町にある横浜市中央児童相談所

 
通報があった後の児相の対応を大きく分けると、虐待に限らず幅広く子どもに関するあらゆる相談を受け、支援していく「寄り添い型」と場合によっては法的手段を使用する「介入型」に分けられる(※呼び方は正式名称でなく、便宜上のもの)。

まずは、「寄り添い型」の事例から。

夜中に子どもの泣く声がすると、24時間受け付けている「よこはま子ども虐待ホットライン」経由で近所の住民から通報があった。
当日に駆けつけて、泣き声がなかったことと家の電気が消えていたことを確認し、翌日に訪問したところ、母親から「親元から離れ、近所付き合いもなく孤立していた。子育てが大変で子どもに当たってしまう」と泣きながら相談された。

 


ホットライン経由の通報

 
児相ではこのような場合、ケースワーカーなどの担当をつけて繰り返し訪問。子どもの状態を確認すると同時に、母親に対して保育所の利用や各区にある子育て支援施設の利用を呼びかけるなどといった対応を取る。