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鮭も○○も釣れる!? 外来種だらけの「タマゾン川」の現状について教えて!

ココがキニナル!

多摩川に鮭が上ってくるという話を聞きました。季節外れなんですが気になります。(タロー先生さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

専門家によると、多摩川では過去に鮭が釣れたという実例があるそう。釣りに挑戦した結果、コイを釣り、チョウザメにも遭遇した!

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ライター:松宮 史佳

9月某日。原稿を執筆していると、ギッシー(編集部・山岸)より電話。「先月、屋内型施設で釣りしたでしょ?」とギッシー。「うん、楽しかった!」と松宮。「今度は“リアル釣り”に挑戦してよ!」と言い放つ。「鮭が釣れるか、検証してきて!」とダメ押し。

日ごろ、「私はドMだ」と公言しているギッシー。でもホントは「結構ドSでしょ・・・」
と心の中で呟く。初めて屋内で釣りを体験した後、「“リアル”に挑戦できるチャンスが巡ってくる」というのもおもしろい。釣れるかどうかわからないけど、やってみよう!

以前はまれぽでお世話になった「川崎河川漁業協同組合総代」を務める山崎充哲(みつあき)さんに相談すると、「(釣りに)お付き合いしますよ!」と言ってくださる。

多摩川にはどんな魚がいるのか? また、ウワサの鮭は釣れるの!? 検証すべく、いざ多摩川へ!



多摩川で釣りを初体験!

午前6時半。JR・京王線稲田堤駅で山崎さんと待ち合わせ。
 


車で5分ほどの釣りスポットへと向かう


天候は今にも雨が降りそうな曇天。だが山崎さんによると「釣りには最高!」らしい。

山崎さんに「多摩川で鮭は釣れるのか」と尋ねると、7年ほど前に「釣った人がいる」との答え。山崎さんは釣れた鮭を調査目的として譲り受け「県に届け出た」という。通常、多摩川で鮭が釣れた場合「リリースすればOK」。水質上「鮭を食べることはできる」とのこと。山崎さんは川崎市の若宮神社に「釣れた鮭を奉納した」そう。
 


釣れたのは5kgもの大物! (画像提供:山崎さん)
 

メスだったので“イクラ(筋子)もどっさり!” (画像提供:山崎さん)


実際に鮭が釣れるのかどうか検証すべく、準備に取り掛かる。エサになる小魚を釣ることに。鮭は「刺身のイカでも釣れる」。しかし、それは極めて稀(まれ)。やはり“エサには生きた魚が一番”だそう。鮭のような大物は「エサから釣る必要があるのだ」と初めて知る。まさに“リアル生態系”を体感。
 


まずは魚粉やふすま(大豆の絞りかす)を混ぜた「まき餌」を撒き、魚を呼ぶ


次に「じゃ、エサをつけて」と山崎さん。エサって・・・屋内釣りで使った「練りエサかな?」と思い、振り向くと・・・

「!!!!」

無数の赤い虫が“うごめいているっ!” 思わず卒倒しそうに!
 


赤い虫=「アカムシ」はボウフラの仲間
 

「いやあーーー!!!」と後ずさり


・・・幼いころ、「近道だから」と畑を通って帰宅した松宮。すると、兄が指を指しながら笑っている。「何だろう?」と下を見ると、なんと、靴下に芋虫の姿が! 「取ってよ!」と泣きながら兄に訴えたが、笑って取ってくれない。騒ぎを聞き、イカリング(怒り+ing)な母が「なにやってんの!」と素手で芋虫を掴み、“窓の外の木に放った”という過去があるのだ。以来、芋虫やミミズなど、“長くて顔のない虫”に対して苦手意識を持っている。

まさか今度は自分が素手で触ることになろうとは・・・。絶対に無理! でも「何のためにここにいるのか?」 自分がエサをつけられないなら「取材にならない」。しかも山崎さんには時間を割いてもらい、取材に協力していただいている。「やるしないっ!」覚悟を決め、アカムシと対面。
 


アカムシからかなり距離を取り・・・
 

恐る恐る自分の指に載せる
 

が、手の上のアカムシを見て思わず「川に落ちそうになる」


・・・なんとかアカムシを手に載せることに成功。だが、“釣り針に引っ掛ける”というハードな過程が待ち受けているのだ! しかしアカムシだって“命あるもの”。無駄にするわけにはいかない。
 


アカムシを直視しながら釣り針に引っ掛ける


初めてなのでなかなかうまくいかない。何度か挑戦し、なんとかアカムシを釣り針に引っ掛けることに成功。いよいよ釣り竿の投げ方を山崎さんに教わる。釣り竿はかなり長く、慣れないと扱いにくい。
 


山崎さんは「こうやってポーンと遠くに投げて」とやさしく指導してくれる


ボーっとしていると、「あ! もう引いて!」との声が! 慌てて釣り竿を引き上げると、エサがない! 「釣りは集中力が大切」「周囲すべてに気を配ってね」と山崎さん。浮きが二回下がったら「すぐ引いて!」と教えてくれる。

・・・再びアカムシと格闘。釣り針に引っ掛け、川に投げ入れる。今度は“浮きに集中!”「二回下がった!」と思い、引いてみるがエサはない。うーん、なかなか難しいなあ。
10回ほどアカムシを釣り針に付けると、その赤い姿にも見慣れてくる。「指の腹で(アカムシを)押さえてね」という山崎さんのアドバイスが理解できるように。「人間は慣れるんだな・・・」と悟る。

アカムシに慣れたころ、新たな問題が! じーっと松宮を見つめる山崎さん。「なんだろう?」と思っていると、「もっと遠くに投げてみて」とアドバイス。
 


糸を左手で持って「ポーンと投げて」と見本を示してくれる山崎さん
 

「ポーンと遠くに・・・」と呟きながら見よう見まねで投げてみる
 

でも「なにかが違う」


左手で糸を持ち、“ポーンと遠くに”投げようとするのだが(釣り針は)「いつも近場に落下」。見かねた山崎さんが「もう自己流でいいよ(笑)」と言ってくれる。
 


全身のバネを使って投げる“全身投げ”を編み出す


何度か「自分の指を釣り上げる」という痛い経験にも負けず、ひたすら“アカムシをつけて釣り竿を投げる”を繰り返す。

・・・釣りを始めて10分後。あれ? 「今二度下がった気がする!」 急いで釣り竿を引き上げてみると・・
 


なにかが釣れている!
 

初ヒットは「ウグイ」という魚らしい!
 

その後、ウグイやオイカワ、スゴモロコなど20匹ほどの小魚が釣れる
 

釣れた小魚をエサに鮭の仕掛けをセッティング


慣れている人だと「1時間に20匹くらいは釣れるよ」と山崎さんが教えてくれる。多摩川って「(思った以上に)魚がいるんだ」と実感する。すると「鮎も釣れるよ!」と山崎さん。「鮎が釣れる!?」と驚くと、「多摩川はね、すごくキレイなんだよ」と山崎さんが教えてくれる。なんと、水質基準では「清流と名高い四万十川よりもキレイ」なんだとか! 
 


遠方には川鵜(かわう)も泳いでおり、多摩川の豊かな自然を体感する


昭和40年代から50年代、多摩川は泡が浮いているほど汚れていた。しかし、約10年前からは下水処理の技術が発達し、鮎も獲れるように。現在、山崎さんは多摩川で獲れた鮎を一夜干しに加工し、日本橋の三越に卸しているとのこと。 

以前、通勤通学のため、電車で毎日多摩川を通過していた。しかし、多摩川で魚が獲れ、「安全に食べられる」のを今日初めて知った松宮。それを言うと「知らない人の方が多いですよ」と山崎さん。
 


毎日多摩川を見ていても「実際に川べりに下りたことがある」という人の方が圧倒的に少ない


だから自分の活動が「多摩川を知ってもらうきっかけになれば」と山崎さんは語る。年間30回ほどテレビに出演するのも「そういった想いがある」から。10月9日(東急の日)には東急電鉄とコラボし、二子玉川駅構内のコンコースで「多摩川水族館」を開催。11月9日には多摩川で「親子の釣り教室」も。「子どもは無料、大人は入漁料のみ500円」で参加できる。釣り具を持っていなくともレンタル(1000円)があるので大丈夫。参加へのハードルは「低い」のだ!