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旭区を中心に活動中の「紙芝居おじさん」が紙芝居を始めた理由とは?

ココがキニナル!

定年後、旭区を中心に子どもたちやお年寄りなどにボランティアで紙芝居を上演している「紙芝居おじさん」こと、渡辺利雄さんは、なぜ紙芝居を始めたんですか?(Ibuki&Minatoさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「定年後は本当に自分の好きなことをやろう」と考えていた時、子どもの頃とても楽しみだった紙芝居のおじさんが夢にでてきて「これだ!」と思ったから!

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ライター:吉澤 由美子

梅雨が明け、夏が来た最初の土曜日。

二俣川にある「こども自然公園」の大池と中池の間にある広場に、「コーン、コーン」と澄んだ拍子木の音が響く。
朝の気配が少し残る木立の間を「紙芝居が始まるよー」という声が通り抜け、子どもたちが四方から集まってくる。

「紙芝居だってー」

「こっちこっち、早くおいでよ」
 


暑い時期は午前中、それ以外の時には午後の紙芝居上演




懐かしい紙芝居がよみがえる



昭和30年代まで、紙芝居は子どもたちにとって日々の最大の楽しみだった。自転車の紙芝居おじさんが来るのを見つけた子が、近所を走り回って知らせる。早く到着した子は水あめをグルグル回して、誰が一番白くできるか競いながら人数がそろうのを待つ。

もう今日の分のおこづかいを使ってしまった子も少し離れた場所から見ることを許されて、終わった後はみんなで紙芝居の続きがどうなるか話した。小さな子が主人公の陥ったピンチに心を痛めていると、大きな子が安心できるよう慰めたりした。

紙芝居は、子どもたちが1つのお話でつながる、得難い時間を与えてくれるものだった。
 


拍子木を鳴らす「としょくん」こと渡辺利雄さん


その懐かしい光景が、こども自然公園の広場によみがえっている。わくわくと待ちきれない顔で木陰のシートに座った子どもたちの前で紙芝居を上演するのは、渡辺利雄さんだ。
 


つきそいの大人たちも次第に引き込まれていく


横浜を中心に神奈川のキッズクラブや老人ホームなどに頼まれて紙芝居を上演するほか、こども自然公園のこの場所で月に1度、誰でも参加自由の紙芝居を上演している、ボランティアの紙芝居おじさんだ。



としょくんの紙芝居



今日の演目は、こども自然公園の大池にまつわる民話をもとにした渡辺さんオリジナルの紙芝居『おおいけのかっぱ』。渡辺さんが声色を変えたり、紙を少し動かして次の絵をチラリと見せるたびに子どもたちが体を乗り出し、かっぱの大声に身を縮め、楽しい手振りに笑う。
 


声の大きさやテンポも自在に変えて物語を盛り上げる
 

学生時代演劇部で半年間、発声練習を積んだ声は朗々と表情豊か


二階堂咲菜ちゃんは、キッズクラブで渡辺さんの『横浜の浦島太郎』を見て、家に帰って名場面のセリフ「父上~、母上~」を繰り返すほどのファンになり、こども自然公園の紙芝居にやってきた。
 


小4の二階堂咲菜ちゃんと弟の悠真くん、お母さまの智子さん


「これはなにかな?」とひとりひとりにたずねる渡辺さんに、元気よく返事する子、はにかんで小声で答える子。それぞれに合わせて応えながら紙芝居は続いていく。
 


 

さまざまな年齢の子どもたちがいっしょに楽しむ


この日は、TV番組『人生の楽園』で紹介された渡辺さんの紙芝居を見て、「定年後に自分でもやってみたい」と練馬からやってきた奥澤さんご夫婦の相談に乗っていた。奥澤さんは、「渡辺さんご夫婦の生き方の素晴らしさにも感銘を受けたんですよ」と教えてくれた。
 


渡辺さんと紙芝居について語り合う奥澤泰一さんとひろ子さん