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イセザキ・モールがゾンビだらけに! 11月22日に行われた「ゾンビパレード」が夜の街を練り歩く!

ココがキニナル!

伊勢佐木町で行われるゾンビウォークについて取材してください。11月22日だそうです。(brooksさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

ゾンビパレードは「横濱HAPPYMUS!C映画祭」によるイベント。一度ゾンビになれば時間とともに半開きの口にも馴染み歩き方もすっかりゾンビに

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ライター:永田 ミナミ

伊勢佐木町にゾンビ集まる


 
自分の10月31日を振り返ると、図書館で閉館まで昔の新聞のマイクロフィルムをくるくる読み漁っていたので、街の喧騒を横目に電車を乗り換えただけだった。

しかし、最近テレビでその日の六本木の乱痴気騒ぎを振り返っているのを見たら、なるほどこれは21世紀の「ええじゃないか」なんじゃないか、何かといろいろ世も末っぽいし、と思ったりしていたら伊勢佐木町でゾンビパレードがあるという。

そこで、ちょっと見に行ってみようと思い、出かけてみた。
 


伊勢佐木町CROSS STREETの前が何だかにぎわっているぞ、と思ったら
 
 
どうやらここにゾンビが集まっているようだ
 

そして「なるほど、ここか」などと言っていたらさっそく噛まれてしまった
 

そこへゾンビパレードの仕掛け人の皆さんが現れた


写真中央が、昨年の「横濱HAPPY MUS!C映画祭短編部門最優秀賞」を獲得した『サムライゾンビ・フラジャイル』の山岸謙太郎監督。このゾンビパレードの総指揮も務めている。

監督の右側は映画でヒロインを演じた椎名亜音(しいなあのん)さん、その右側の眼帯ゾンビは、この格好そのままで悪役のボスゾンビを演じた小川大悟さん。監督の左側は今回のパレードスタッフの方と監督にゾンビパレードのリーダーを任された音樹真輝(おとぎまさてる)さんである。

首筋に鈍い痛みを感じていたが、このチャンスを逃すわけにはいかないと思い、監督に話をうかがった。
 


気さくな人柄の山岸監督に今回のパレードの経緯をきいた


このゾンビパレードは今回で2回目だという。今回のイベントではゾンビパレードを行った後、シネマジャック&ベティにてゾンビ映画を鑑賞する。参加費用はメイク代・映画鑑賞代を含め2500円。

2014(平成26)年5月に『サムライゾンビ・フラジャイル』を下北沢の映画館、トリウッドで上映する際、何かイベントをやることでより多くの人に注目してもらえるのでないかと考えてスタッフといろいろ話し合い、出てきたアイデアがゾンビパレードだったそうだ。

そして11月、横濱HAPPY MUS!C映画祭で、昨年短編部門最優秀賞を受賞した『サムライゾンビ・フラジャイル』が凱旋上映されることになり、映画祭のプロデューサーである飯塚さんと何かコラボレートできないかという話のなかで「伊勢佐木町でもゾンビパレードを」という話になったという。
 


写真のクールな表情も素敵だが笑顔も素敵な飯塚さん


そして、飯塚さんの依頼で山岸監督がゾンビ映画をセレクトし、パレードとあわせて上映することにしたのだそう。ちなみに、パレード→上映の順番でタイムテーブルを組んだのは、飯塚さんが「ゾンビで映画館がいっぱいになったら面白いかな」と思ったから、ということだ。

そして、そのイベントはタイミングとしてはぴったりだったようだ。下北沢のときの参加者は50人ほどだったが、今回のパレードは予約の段階で100人を超えているとのことで、ゾンビファンやハロウィンの熱冷めやらぬ人たちの注目を確実に集めていることがうかがえる。

と盛況ぶりに納得している前を続々とゾンビ化した元人間たちが歩きまわりだした。
 


Facebookで情報を見つけてやってきたというかすみゾンビ(右)とのぞみゾンビ

 
 
 

山岸監督とゾンビ


 
さて、『サムライゾンビ・フラジャイル』の監督である山岸さんは、自主制作映画団体Project Yamakenの代表でもある。

ゾンビ映画の監督というと根っからのゾンビ好きと思いがちだが、山岸監督のそれまでの作品は、基本的にアクション映画で、またシリアスな内容の作品だったという。

ところが2010(平成22)年、アメリカでドラマ『ウォーキング・デッド』が流行っているのを知った山岸監督は「いま作り始めれば、完成したころにちょうど日本で流行っているのではないか」と閃(ひらめ)いた。そして2013(平成23)年に完成したのが、山岸監督初のゾンビ映画であり、コメディである『サムライゾンビ・フラジャイル』である。
 


何だか少し、風邪っぽいようなだるさを感じたが、監督の話への興味が勝った


山岸監督が映画を作りはじめたのは、もともと、まだSNSもない2000(平成12)年ごろに、友人がインターネットで人を集めて映画をつくるという話を面白いと思って参加したのがきっかけだった。それまでは映画作りに特別興味があったわけではないそうだ。

ところがまもなくそのグループは自然消滅。そこで、残ったメンバーで最後に1本作品を撮って終わりにしよう、ということになり作ってみたが、まったく満足がいかない映画になってしまった。このままでは後味が悪いと、もう1本撮ることに。

そして2本目を撮ってみると、今度は「あそこをこうすればよかった、もっとこうしたかった」ということになり、あと1本、もう1本と撮っているうちに14年経ってしまったそう。
 
 
 
みるみるうちにゾンビになる
 
監督からいろいろ話を聞くことができて満足していると、首筋の傷がうずいている。そして得体の知れない衝動が体の奥底でうずうずしてきたなと思っていると、建物のなかから「45番のカードをお持ちの方」という声が聞こえてきた。
 


建物のなかを見ると何かを待つ人たちでにぎわっている


ポケットを探ると「45」と書かれたカードが出てきたので、声のするほうへ歩いていくと「こちらにどうぞ」と椅子に座るよううながされた。
 


「ここですか」「はい、じゃあ前髪上げますね」
 

「はい、じゃあ目を閉じて」「はい。これでいいですか」
 

「はい、そのまま。もう目を閉じてる間に終わっちゃいますからね」
 

「ゾンビ映えする顔ですね」「そうですか、何だか光栄です」
 

「いままで何人くらいゾンビにしてきたんですか?」
 

「月1でゾンビイベントをやっているので、私だけで1000人くらいかな」
 
 
「ゾンビーナ全員だと2000人くらいになります」「それはすごいですね」


そう、こちらのゾンビ職人は、数々のゾンビイベントでゾンビメイクを施しているゾンビ集団ZOMBIENAのメンバー。六本木で月に一度、最終日曜日にゾンビバーを開催しては、ゾンビを世に送り出しているのである。
 


「はい、じゃあ最後、ちょっとチクチクしますよ」「え、チクチク?」
 

あ、本当だ、ちょっとチクチクする。そしてひんやり冷たい
 

「はい、完成です」「おお、僕のうずうずの正体はこれだったみたいです」

 
ちなみに写真に映り込んでいる時計からも分かるが、ゾンビ完成までわずか3分ほど。ゾンビーナの鮮やかなお手並みを拝見することができた。そして最後にはゾンビらしさについてのアドバイスまで。ありがとうございました。
 


「ゾンビのコツは、体の力を抜いて口は半開きに」「はい、こうですかね」
 
 
「そう、それで目だけカッと見開く」「こうですかね」「そうそう」


さて、噛まれたらあとは時間の問題とは思っていたが、やはり順調にゾンビになるに至った。そして、建物の外に出ると、さっそく子供ゾンビと交流。背中にべっとりと返り血を塗りつけてもらうことができた。
 


「お、眉間を撃ち抜かれてるなんてかっこいいね」「アウウ」


そうか、ゾンビは言葉を話すことができなくなるのだ。子供ゾンビの眉間を誉めた言葉もただの唸り声となって夜の商店街に消えていった。
 


返り血を分けてくれたガールゾンビに感謝。ゾンビだってスマホは使うのだ

 
気味悪・・・いやスッカリゾンビになったライター・永田の勇ましい姿は次ページ≫