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『蛍のふるさと』瀬上地区の開発計画ってどうなってるの?

ココがキニナル!

蛍の名所として有名な上郷瀬上地区で、いったんストップしていた大規模開発計画が再び浮上したそう。どんな計画なのか、貴重な森はどうなってしまうのか知りたいです。(Tomoさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

都市計画提案制度に回数制限が無いので開発計画は未だ進行中。計画の詳細はまだ事業者から出されていない。

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ライター:ワカバヤシヒロアキ

瀬上地区の開発計画とは?

秘境企画で紹介した瀬上市民の森を含め、大自然が残る栄区瀬上沢周辺。その近辺に、東急建設株式会社(以下、「東急建設」)が事業者となっている開発計画があることを御存知だろうか。
 


開発の予定地とされる場所(栄区上郷町)


平成4年、東急建設が「上郷開発計画」と称する計画案を横浜市に提出したのが始まり。年月を重ね、事業者側は平成19年11月に都市計画提案制度(民間から行政にまちづくりの提案を起こす制度、基本的に回数の制限は無い)を利用した計画案を提出した。
 


赤く塗られた部分が開発予定区域
(前回提案の説明会資料より抜粋)
 

上記の赤部分の詳細。ピンクの部分が商業区、黄色が住宅区になるという計画
(前回提案の説明会資料より抜粋)


本件の都市計画提案は、市街化調整区域と定められているこの区域を市街化区域に変更するというもの。
市街化調整区域は原則として、一定規模の墓地や資材置場など一部以外の開発行為が規制された土地のことであり、そのままでは上図計画のような商業地や住宅を建設することができないためだ。

この計画を受けた横浜市の評価委員会は平成20年7月、『瀬上市民の森に連なる樹林地の大幅な改変がまちづくりの方針に十分に整合しない』ことなどを理由に提案を否決し、ここで開発計画は白紙に戻ったと考えられた。

しかし…
それから3年経った今年6月2日、事業者側は地元への開発説明会を再度行うなど、再び動きが見られ始めている。「まだ開発は諦めていない」という姿勢のようだ。

横浜に残る貴重な自然を壊しかねないこの計画、今、いったいどのような状態なのであろうか。はまれぽは独自調査に乗り出した。



上郷開発から緑地を守る署名の会へ



最初に伺ったのは、上郷開発から緑地を守る署名の会(以下、「署名の会」)。
平成19年には市民から約9万2千人分の開発反対の署名を集め、横浜市に提出した団体だ。
 


署名の会の山仲代表


開発計画が再浮上した今、どのような思いなのだろうか。代表である山仲氏に話を聞くことにした。

―6月2日の事業者説明はどうだった?
「計画図面も出ず詳細が分からないので何とも言えません」

―開発行為に関してはどのように考えるか?
「折衷案で落ち着くわけにはいきません。全面的に反対です」

―役所の対応はどのように感じる?
「栄区は、まちづくり行動計画の中で、このエリアを水と緑の拠点として定めています。それにも関わらず開発に反対する意向を示さないなど、もどかしい部分があります」
 


栄区まちづくり行動計画(一部抜粋)


―どうしても残したいと思う理由は?
「ここは円海山地区と呼ばれる価値の高い自然遺産です。瀬上市民の森だけを部分的に残すというやり方では、生態系を考えても全てを破壊することになってしまいます。自然価値については、横浜市環境科学研究所の『源流域水環境基礎調査』の中でも、「大規模な緑地として保全されることが必要」と記されています」

―署名の会が考える最良の決着とは?
「所有者が民間であるうちは同じことです。市が土地を購入(もしくは借用)することですね」


栄区の人口が約12万5千人ということを考えると、9万2千という署名は凄い数だ。こうした人々の思いに対し、事業者側はどう思っているのだろうか。