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世界初の試みがある!? 横浜市のコミュニティサイクル「baybike」って何?

ココがキニナル!

横浜市とNTTドコモが行っているベイバイク。電動アシスト付自転車に変わり、料金も値上がり。利益の為なのかなどがキニナル(Chihirock!さん/ぽぽ1さん/会長さん/Aloha.Rickyさん)

はまれぽ調査結果!

利便性の向上を目指し電動アシスト付自転車へ変更。各自治体の方針で助成金を使い、運営方法や料金は異なる。独立採算性を目指しての料金体系だった

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ライター:山口 愛愛

通信会社ならではの世界初の試み



みなとみらい地区を中心に2015(平成27)年3月ころから目にするようになった、赤い電動アシスト付自転車。「ベイバイク」の通称で、2011(平成23)年4月から始まった「横浜都心部コミュニティサイクル」。エリアのどこのポート(駐輪場)からでも借りられ、どこのポートでも返せるワンウェイ型の自転車シェア(レンタル)のシステムだ。以前に取材をしたチョイモビの、自転車版と考えると分かりやすいだろう。

 

みなとみらいエリアを中心に400台を配備
 

自転車シェアは、新たな横浜の足として注目を浴び、現在の会員登録数は2万6000人(2015年3月現在)を超えている。2015(平成27)年の3月には、これまで使用していた自転車を全台、電動アシスト付自転車に替え、料金設定やシステムも改良し、大幅リニューアルへ踏み切った。

 

3段階アシストギアの電動アシスト付自転車
 

リニューアルの真意をさぐるべく、協働事業として運営している株式会社NTTドコモと横浜市を直撃。協働事業の目的やベイバイクの魅力を聞き、実際にベイバイクを使ってみようではないか。まずはNTTドコモ本社へ。

東京メトロ線溜池山王駅から直結している、山王パークタワー内にあるNTTドコモ本社へ。

 

立ち上げから関わっている、ドコモ・バイクシェア担当の武田有紀(たけだ・ゆうき)さん
 

「携帯電話の普及も飽和している時代。弊社の次の展開として、あらゆるモノにコンピュータを組み込み、ネットワークで接続する『マシーンtoマシーン』、人間を介せずに機械同士が相互に情報交換する『インターネットオブシングス』とのテーマがあり、人間だけでなく、乗り物や自動販売機などにも携帯電話のような機能を搭載し、通信の新しいインフラを考えているんです」と、ドコモがコミュニティサイクル事業に着目した考えを明かした武田さん。

「ロンドンや台湾でコミュニティサイクルは普及しています。海外でもポートの方に通信モジュール(ネットワーク通信機能を搭載した端末)があり、自転車の盗難があったときの管理や対応ができないのです。自転車ごとにモジュールを完備しているのは他社にはありません。通信会社ならではの技術でコミュニティサイクルを展開しています」と語る。

 

操作方法も1台ごとに明記
 

現在、横浜をはじめ、宮城県仙台市や東京都千代田区、江東区、広島県広島市など全国8ヶ所でドコモが展開しているコミュニティサイクル。全国展開に先立ち最初に事業が行われたのが横浜市だったのだ。

2010(平成22)年には、札幌で約2ヶ月間のトライアル(試行)を行っていた。今後の展開を見据えていたころに「新しいスマートな交通機関としてバイクシェアを街に取り入れたい」と横浜市が公募を行い、ドコモの提案と合致しスタートしたという経緯がある。

 

観光スポット間の距離が近いのも横浜の特徴
 

「横浜市は住人が多く、日常の利用も見込め、観光客の入りも多い国際都市。観光地を少し離れると坂も多くバイクシェアにマッチングしている都市だと思います。横浜でうまくいかなければ、ほかの地域でも難しいだろうと考えていました」と武田さん。

2011(平成23)年から3年間横浜で実証実験として取り組み、改善を重ね、2014(平成26)年4月からは正式事業として開始した。

立ち上げ当初の2011(平成23)年5月時点の会員数はわずか743人。その後も認知度が少なく伸び悩んでいたという。ポートごとに管理している従来の自転車シェアのやり方に限界を感じていたと話す。

 

バイクシェアはドコモの重要な新事業の1つ
 

「当初は限られた場所にポートをつくっていたので、目立たなかったんです。横浜市の景観条例の制約も改善していただき、歩道脇の目立つところにも置けるようにし、ポート数も増やしたことで浸透してきました」と笑顔を見せる武田さん。

しかし、ポート数を増やすためには、スペースの確保やコストの問題があり「自由度を高めるために自転車単体の管理ができるようにリニューアルした」と話す。

これにより、仙台では野球シーズンのときだけ東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地である楽天Koboスタジアム宮城に周辺にポートをつくったり、イベントのときだけ、臨時ポートをつくるなどの柔軟な対応ができるようになった。

 

駅周辺の目立つ場所にポートが増加
 

「三浦市の城ヶ島ではゴールデンウイーク限定でベイバイクを置くことになりました。城ケ島を1周、自転車でまわると便利です。横浜でも企画を考え、新しい観光の足になりたい」と武田さん。ベイバイクが街の活性化に一役買いそうだ。

今回のリニューアルで料金は値上げとなった。これまでは30分まで100円で、その後30分ごとの繰り越しで100円だったが、リニューアル後は最初の30分から、30分ごとに150円ずつ加算される。

これまでは登録するのに、運営事務所まで足を運ぶ必要があったが、パソコンやスマートフォンから24時間登録ができ、電車やバス用のICカードを鍵替わりにして使えるよう改良された。これらのシステム構築のためにコストがかかったこともあるが、料金改定はその理由だけではないようだ。

 

ICカードをかざせばロックが解除
 

料金は最初の30分で100円~150円とどの地域でもほぼ同じだが、月会員のシステムなど多少の違いがある。

武田さんは「市などと協力して助成金でまかなっている部分があるので、自治体によって多少金額が変わります。永続的に助成金で運営しなくても、独立採算性でいずれ黒字になるように料金体系をシミュレーションして提案しています」と説明。

 

「地域や自治体によって特徴がありますね」
 

「ほかの自治体さんも横浜市を参考に勉強されているんですよ。東京での利用者が増えた一因として、横浜在住でベイバイクを使っている人が東京勤務で都内の自転車シェアも使いこなすようになるパターンがあり、自転車シェアの文化が横浜から広がっています」と話す。

「今後はエリアを拡大し、京浜急行線沿線などにもつくっていきたいです。外国人観光客の多い国際都市なので、今後は4ヶ国語(日本語、英語、中国語、韓国語)対応の登録機を置き、1日パスなども販売していく方向。ベイバイクを使って新しい横浜を発見してほしい」と、明るい展望を語ってくれた。