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中華街の雑居ビルにひっそりと存在、美女が手ほどきをしてくれる謎の店「カンフー・キッチン」に突撃!

ココがキニナル!

中華街の武術道場の中に功夫厨房(カンフーキッチン)がオープン(Mですさん)/元香港映画俳優のカンフー達人の薬膳料理、美女のカンフーレッスン、階段しかない雑居ビル3階…キニナル!(スさん)

はまれぽ調査結果!

拳法「詠春拳」の達人である錢師父(チェンシーフー)が編み出した薬膳をいただきながら達人とテンパり美女から本格的な「詠春拳」を教えてもらえる

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ライター:山崎 島

最近世の中物騒だ。つい先日も、近所のアパートの窓をこじ開けようとしている黒ずくめ男性を見つけて震えながら110番をした。あの部屋の住人だったらどうしよう・・・とか、でもあれは怪しすぎるから、住人だったとしても一回捕まっといた方が彼のためかも・・・とか、いろいろ考えてしまった。

そういうとき、やっとけばよかった、と思うことがある。カンフーである。今回は中華街にある、カンフーの達人が料理を作って、美女からカンフーを教えてもらえる、しかも雑居ビルの3階にあるという、謎めいた「カンフーキッチン」のレポートです。
 
  
 

感性でたどり着け!!



さてさて「カンフーキッチン」、インターネットで検索してみると、行った方の感想はたくさん出てくるのですが、HPを探しても某SNSのページがヒットするだけで、どんな店なのかぼんやりとしかつかむことができない。
 


今見たらHPがあった!!(カンフーキッチンHPより)
 

こういうときはとにかく行ってしまえ!! と、いつものように出発したけれど・・・
 


結局迷う
 

もうお店の人に聞こう・・・と電話をかけると、ハリのある声の女性が対応してくださった。

ほほう、これが噂のカンフー美女かあ、と思っていると、なんていうか、グーグルマップさながらの、すっごくピンポイントな道案内をしてくださって、走って中華街を駆け抜けることに。なんでも「私も感性で歩いてしまうので・・・」とお姉さん。お会いする前から面白い、なんだこの感じ。
 


で、やってきた横浜大世界が見える通り
 

どうやらこの近くらしく、うろうろあたりを見回していると「あ、山崎さん見えました!!こっちこっち~!!」と電話の向こうで叫ぶお姉さん。こっちってどっちですかー!?
 


いたー!!
 

雑居ビルの窓からこちらに手を振るお姉さん。
 


あれは
 

前を見るとちょっと斜めのただならぬオーラを醸し出している看板が。これは達人だな、きっと。
 


チャーハンジンクスの際お世話になった接莚(せつえん)さんの入っているビル
 

こちらのビルの3階が・・・
 


噂の
 

「カンフーキッチン」なのだ
 

一言で言うと「こんな食堂見たことがない」。
  


一角にはミットや謎の木とか
 

骸骨とか
 

500円の服とか
 

いろいろ置かれていて一瞬歩みが遅くなるが、不思議と居心地は悪くない。店内にはカンフー映画のBGMが流れているし。
 


そして
 

やっとお会いできた噂の美女・ANGEL MARIYAさん(以下マリヤさん)。どこかオリエンタル感漂うマリヤさん。思いやりがあってちょっとテンパり気味の、愛すべきカンフー美女である。

そして「燃えよ龍」のテーマに合わせて(偶然)登場されたのは・・・
 


カンフーの達人・錢彦(チェン・イェン)さん
 

一目見ただけで「この人が達人なんだなあ」と分かる。立ち姿に無駄がない。表の看板と同一人物とは思えない威厳がある。

マリヤさんにほんわかし、錢さんの威厳に背筋を正されたところで、さっそく「カンフーキッチン」とはどんなところなのか、お話を伺います。

何よりも最初に知っておかなければならないのは「詠春拳(えいしゅんけん/中国武術)」について。

「『詠春拳』の起源は、今からおよそ300~400年前、中国のある尼さんが鶴と蛇を見て着想を得たと言われています。その後、葉問(いっぷまん)という方がたくさんの人に『詠春拳』を広めました。「詠春拳」とはとてもシンプルでいらない動きを完全に排除した、総合的な学問です」
 


こちらの木は木人(もくじん)。上級者しか使いこなせない練習具
 

「ほとんど上半身しか動かさないため、100歳までできる武術とも言われており、老若男女、身長、年齢、体重関係なく学べます。ちなみにブルース・リーは『詠春拳』の門下生でした。なので『詠春拳』はジークンドー(ブルース・リーの哲学)の元となった拳法と言えますね」とマリヤさん。

ブ、ブルース・リー・・・ジークンドーの元・・・ちょっとスケールが大きなお話になって、のみこむまでに時間が。さすが中国、4000年の歴史!!

そんな歴史ある拳法の達人である、錢師父(チェンしふ<父のように敬い親しむ師>=チェンさん)とはいったいどんな方なのか。
錢師父は台湾ご出身。17歳の時からブルース・リーの師であり、世界中に「詠春拳」を広めた葉問(いっぷまん)の甥・盧文錦(ろ まん かん)師父に手ほどきを受け始めた。
錢師父はなんとお若いころ俳優さんとして映画などで活躍されていたそう。
 


フィルムの中の錢師父に悶絶(錢氏詠春拳HPより)
 

「俳優をやっていたのはとても短い期間でした。家族が賛成しなかったので」と錢師父。その後は映画の裏方のお仕事をされていたそう。お仕事で知り合った日本人の女性との結婚を機に、約30年前に日本へ。

「葉問(いっぷまん=拳法の師)の一族は戦時中、日本軍に財産を奪われたことがあり、当時『詠春拳』を日本人に教えることはできませんでした。しかし日本人にも『詠春拳』を知ってほしいという想いがあり、私の師父へ頼んでみると『善人を選んで教えなさい』と許しがでたため、今日に至ります」と錢師父。

なんと、錢師父は日本に「詠春拳」を広めた第一人者だったのである。今でも師の教えを守り、簡単には「詠春拳」を教えない。「『詠春拳』は武器になるので、正しい人間にしか教えない。教えた人間は、自分の子どものように思って接しています」とお話くださった。
   


やはりすごい
 

方だったのですね(看板はマリヤさんの手作り)