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洋食の街、横浜の料理人に密着「横浜コック宝」 白楽「キッチン友」編

ココがキニナル!

横浜の洋食文化をつくった老舗洋食店の料理人に密着取材する「横浜コック宝」。第4回は、すべては感覚と信条、日本人の口に合う洋食を築き上げた、白楽「キッチン友」店主、大友良祐さん。

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ライター:クドー・シュンサク

「自分で美味しいと思っていることをやっているのでね・・・完食。完食してもらえるのが、本当に幸せです」

洋食の街、横浜。変わらない、穏やかで、それぞれの確かな思い出がつまった横浜の洋食の味。そして、その文化。美味しい、嬉しい、いつもそばにある洋食を支え続けるコックさん。
横浜が日本に、世界に誇る「横浜の洋食」を作るコックさんを、横浜の国宝としてその1日に密着し特集する「横浜コック宝」。
 


今回のコック宝は


第4回となる今回は、白楽の街で50年以上その確かな味を作り続ける「キッチン友(とも)」のコック大友良祐(おおとも・りょうすけ)さんを選出。
すべては感覚と信条。日本人の口に合う洋食を築き上げた御年71歳のコック宝、大友良祐さんの回です。
 


始めたいと思います




コック宝のこだわりはこだわりでもなく・・・



取材交渉はお母さんとさせていただいた。趣旨を説明し終わると、ちょっと主人に聞いてみると言われ、ほんの少々待つ。すると「どうぞ、お待ちしております」と、伝えてくださいとのこと。

今までにない、ふたつ返事。細かいことは必要なし。拒むことや駆け引きは無用。
すべては店とその味の中に集約されている、かのような対応。
まさにそういう店、そして味でした。
 


創業51年「キッチン友」
 

コック宝に迫ります


コック歴56年目の大友さんは16歳からこの世界に足を踏み入れる。初めはパン屋さんに就職をしたものの、店が半年で閉店。惣菜パンを作っていたことから、そのころの知人のツテやそれにまつわる流れによって、御茶ノ水にある「カロリー」という洋食店で働くことになる。そこで追いまわしのような多忙を極める厨房で腕を磨く。そしてその4年後、白楽にある現在の「キッチン友」を開店させた。

午前9時をまわったころ、店に入るとすでに仕込みが始まっていた。前後左右に、テキパキと動くコック宝の姿が、やけに穏やかでありながら、若さを感じる威勢も漂っていた。
 


キッチン友の店主
 

大友良祐さん


開店から51年間、たった一人で料理を作り続けてきた大友さん。「味」に関わることはすべて一人でやり続けてきた。奥さんいわく「私はあくまでお手伝い。主人の味のサポートです」とのこと。しばらく仕込みの様子を見せていただくことに。
 


まずはデミグラスソースの火入れから


洋食屋のすべての基本、デミグラスソースの火入れから仕込みは始まる。
 


一つひとつすべて手仕事でこなす
 

そして手早く確かな手さばきで
 

ハンバーグのタネを
 

仕上げる
 

付け合わせのポテトは皮をむき均一にカットしてボイルし
 

水分をきって下揚げでそれが終わると
 

素早くサラダの仕込みに


とにかく動き続ける。ちょっとした間も存在しないコック宝の機敏で丁寧な仕込み。
手間がかかることをよくやるねといろいろな人に言われるそうだが、こだわりはこだわりでもなく、ただ出来合いは一切使わない。コック宝はその理由をこう答える。
 


「そっちの方が、美味しいから。料理って、そういうもんだからね(笑)」


約3時間の仕込みは、大がかりなものではなく、手間暇かけてハンバーグからパスタソース類、付けあわせの一つひとつ、デミグラスソースの仕上げまで、丹念に丹念に進んでいった。その速さと計算されたかのような無駄のない手さばきに、目を奪われ続けているとコック宝が仕込みの仕上げに言葉をかけてくれた。
 


「50年以上やってると感覚で体と頭が何をやるべきか教えてくれるんですよ」


時刻はそろそろ正午を迎える。
 


キッチン友開店