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海の公園に打ち上がる大量の“藻”の実態とは?

ココがキニナル!

八景島海の公園の砂浜に、青藻が大量に打ち上げられており、海水浴どころではありませんでした。この藻は昔からあるものなのでしょうか?それとも、環境が影響しているのでしょうか?(jbさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

藻は「海の公園」ができた直後、昭和57年ごろからあるが、5、6年前から減ってきている。環境が悪いわけではなく、むしろ水質はどんどん良くなっていた!

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ライター:吉岡 まちこ

まずは現地へ。遠目にはたいしたことなさそうだが・・・?



潮干狩りで有名な金沢区にある海の公園。東京湾に面する人工の砂浜である。
8月お盆前の平日の朝はまだ人影も少なく、のどかな海水浴シーンに見える。
 


遠くから見ると、うっすらと海岸線が緑色 (8月9日午前9時30分ごろ)


潮はやや引き気味。一見、「ちょっと緑色なだけかな?」と思って浜に降りてみると・・・
 


うわっ、かなり衝撃的! 泳げと言われても、ちょっとひるむ
 

具だくさん過ぎるお味噌汁に浸かってしまった感じ?


波に乗っておびただしい海藻が打ち寄せて来ている。
そして波打ち際の砂地には、半乾きの海藻がびっしり。

これ・・・、掃除はされていないのだろうか? 湘南の海にはないのになぜ八景島にはこんなに?
詳しい話を伺うため、公園内にある「海の公園管理センター」を訪ねた。



この7月は特に多かった。その理由は北風台風



海の公園の生態系に詳しい環境活動係長の木村さんと、藻の処理も管理している施設係長の石向さんにお話を伺った。
 


海の生物にやたら詳しいお二人 (左が石向さん、右が木村さん)


「この藻は、海の公園の埋め立てが終わって間もない1982(昭和57)年ごろから漂着し始めました。毎年ゴールデンウィーク過ぎから10月までが藻の多い時期なのですが、はまれぽのサイトに投稿があった7月24日は、台風6号のすぐあとですね。それで特に多かったんです」と木村さん。

台風6号は南の海上をかすめて行ったので、台風の反時計回りの渦の向きに従い、風向きも東から北へと変化したのだ。このように北風が強いタイプの台風の場合、南東に開く海の公園では、風と波の物理的な作用で藻がたまりやすいのだそうだ。

この時に処分した藻の量は380トン! 4トントラック約100台分が、すべて焼却された。ここ数年、1年間の処理量が平均500トン台なので、いかに多かったかがわかる。
ちなみに逆のように思えるが、台風が横浜のすぐ東を通過したあとなどに吹く強い南風が、浜に寄せてくる藻を最もきれいにしてくれるそうだ。
 


こんな感じで、2週間に1回ペースでトラクターで掃除



正体はアオサ。八景島の海をきれいにする働きもしている!



そもそもこの藻の正体は、正式名を「アナアオサ」というアオサ。以前から東京湾の浅い所にびっしり生えている。

名前はアオサだが、いわゆる港町の土産品の“アオサ”はヒトエグサで、アナアオサは別物。食べられないこともないというが、味のほうは「塩をふった紙を噛んでいるみたい」(木村さん)なのだそうだ。
ちなみに、インスタント焼きそばの青海苔の6~7割はアナアオサが使われているとか。
 


ちぎれて浮遊するアオサ。この状態でも成長し続けている


アオサが好むのは、窒素・リン酸・カリウム。これを聞いてピンと来るのが・・・そう、肥料の成分!

東京湾にアオサが異常に多いのは、複数の長い一級河川が、広大な農地と幾多の大都市から出る肥料分や栄養分を取り込みながら東京湾に運んでいるからなのだ。

しかも、外洋に面していないので海水の出入りが少ない。そこが相模湾の水質との違いで、湘南の海ではこれほどアオサを見かけない理由となる。