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横須賀市の海洋研究開発機構「JAMSTEC」にある有人潜水調査船「しんかい6500」内部をレポート!

ココがキニナル!

横須賀にある海洋研究開発機構JAMSTECがキニナル!同機構の保有するしんかい6500での深海調査の同行してもらいたいが、無理でも最近の海底資源開発や深海調査の話を聞いきて!(たこさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

JAMSTECは、深海や、地震や津波が海域に与えた影響、リアルタイムの地震観測、地球環境の調査など海と地球に関する研究と技術開発を行っている機関

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ライター:吉澤 由美子

日本は海に囲まれた島国。国土は狭いが、その領海は広大だ。そしてまた、海は広大なフロンティア。地球の表面積の約7割は海で、そこには水深1万メートルを超える場所だってある。1万メートルといえば、海底から標高3776 メートルの富士山を3つ重ねてやっと上の方が海面に出るという深さ。海を知ることは、地球全体への理解を深めることにもつながる。
 


1972年に海中居住実験で活躍した「ハビタット」が展示されていた

 
今回のキニナルにある国立研究開発法人海洋研究開発機構(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology:JAMSTEC ジャムステック 以下、JAMSTEC)は、「海から地球を丸ごと調べよう」という研究活動を行っている機構。

深海調査の同行は無理だが、次の調査に向けて準備を進めている「しんかい6500」を間近に見ることができる見学ツアーがあるということで、2015(平成27)年11月6日(金)、横須賀市にあるJAMSTECへ。



JAMSTECの設立や目的



JAMSTECの本部があるのは、横浜市のすぐお隣である、横須賀市夏島町。大きな配送センターや工場が並ぶエリアを抜け、夏島貝塚の先を曲がると行く手に海が見えてくる。その海辺にJAMSTECがあった。
 


JAMSTEC本部の入り口

 
今回は、広報部広報課の白野亜実(しらの・あみ)さんと、久松和恵(ひさまつ・かずえ)さんにお話をうかがった
JAMSTECは、文部科学省所管の機関。1971(昭和46)年10月に認可法人海洋科学技術センターとして設立した歴史ある海洋の研究機関だ。

平和と福祉の理念に基づいて、海洋に関する基盤的研究開発や海洋に関する学術研究に関する協力などの業務を総合的に行い、それによって海洋科学技術の水準の向上を図り、学術研究の発展に資することを目的としている。

具体的には、「海底資源」「地球環境変動」「地震発生帯」「極限生物」「深海掘削」「地球シミュレータによる情報科学」「技術開発」という7つの分野をカバー。

組織の名称に「開発」と入ってはいるが、海底資源の開発とは少し方向性が異なり、海底に眠る資源について、それらがどこにどれくらいあるかを探査・採取するための深海技術開発や、海底資源がどういった要因でできたかなどの成因を解明するなど海底資源の研究を行っている。
 


神棚が、調査・研究の安全と成功を見守る

 
今回は、海洋調査船「なつしま」、有人潜水調査船「しんかい6500」と併設された「海洋科学技術館」を中心にJAMSTECをご紹介。



海洋調査船「なつしま」



JAMSTECの敷地には調査船が停泊する岸壁がある。取材で訪れた日に停泊していた船は、海洋調査船「なつしま」。
 


1980(昭和55)年に進水した船とは思えないほど白くきれいで、青空に映える
 

「なつしま」の寸法はこちら

 
「なつしま」は、もともと有人潜水調査船「しんかい2000」の母船。建造当時は調査船として世界最大の大きさであり、世界の調査研究船のモデルにもなった。
 


「なつしま」の操舵室
 

シンプルな操舵輪

 
「しんかい2000」は、2002(平成14)年に運航を休止し、2004(平成16)年に退役。「なつしま」は現在、無人探査機「ハイパードルフィン」や曳航式深海調査システム「ディープ・トゥ」の母船として活躍している。

「なつしま」はこれまで、1997(平成9)年には沈没したロシアのタンカー「ナホトカ号」、1993(平成5)年に起こった北海道南西沖地震による水深1690メートルの崩壊跡、そして2004(平成16)年に起こったスマトラ沖地震の震源近くの調査では大規模な亀裂など、いくつもの大発見をしている。
 


下船できるフロアの床には、目印として赤い絨毯が敷かれている

 
船首に近い、見晴らしのいい場所には会議室があった。
 


歴史を感じさせるインテリア

 
会議室の壁には、手塚治虫のイラストのレプリカが飾ってある。
 


「なつしま」ができて間もないころに乗船し、船上で描いたそう

 
会議室の下には食堂がある。航海にはコックさんが乗船し、肉や魚料理などが出てくるそうだ。
 


船首近くにある食堂

 
調査船らしい部分が集まっているのは船尾。そちらに向かう途中、首席研究者の船室を見せていただいた。
 


大きなデスクが研究者の船室らしい。手前には小さなベッドがある

 
到着した船尾には、印象的な青のAフレームクレーンがそびえていた。これは探査機を海に投入したり揚収したりするためのもの。
 


下から見上げたAフレームクレーン
 

格納庫や着水揚収装置も見える

 
このAフレームクレーン近くに意外なものを発見! それはドリンクの自動販売機。
 


なぜか、リアルゴールドの人気が高いらしい

 
「なつしま」は定員55名。乗組員37名に研究者18名というなかなかの大所帯。自販機があれば、飲物の分、持ち込む荷物が少なくて済む。

自販機の近くには、採取した標本を調べたり、保管するためのラボラトリーがある。
 


船が揺れても作業台上のものが落ちないよう、フックに紐をかけて固定することもある

 
ラボラトリーには作業台やシンク、そしていくつもの冷蔵庫が並んでいる。
 


いかにも研究用の冷蔵庫の中に、家庭にありそうなのが1台
 

「サンプルは必ず持ち帰って下さい!!」と注意書きがあるのが面白い

 
大発見があって、そちらに気を取られて残りのサンプルのことをすっかり忘れてしまった研究者が過去に何人もいたのかもしれない。そう思うと、なんだか微笑ましい。