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とんかつ界に革命を起こす? 横浜の老舗のとんかつ店「美とんさくらい」に突撃!

ココがキニナル!

上大岡駅地下にある「美とん」というとんかつ屋がとてもおいしいです!このお店は他にもいくつかの店舗があるようで、東京にも同じような名前のお店があるとか。一体どう言うお店なのか調査を!(jogmanさん)

はまれぽ調査結果!

横浜市内に3店舗にある「美とんさくらい」は創業45年以上の老舗とんかつやつ屋さん。「美とん」を名乗るほかの店舗は無関係

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ライター:万田 ケサトシ

今回の主役はとんかつ。
国語の授業に登場した小説『とんかつ』がぼんやり頭に浮かんだ。

寺の息子が修行に出る前、最後の晩餐が好物である「とんかつ」だったというストーリーを覚えていることもあって、自分の中でも特別な時に食べるご褒美メニュー的な位置付けだった。家族でとんかつ屋に行くことなんてあったかな・・・。
 


受験前にもゲンかつぎでお世話になった

 
そんなとんかつに生涯を捧げる男がいた。

「私はとんかつ界に革命を起こしたいんだよ」
この言葉が忘れられない。

過去記事「『ゆず』出身、磯子区岡村の交番にある知る人ぞ知る『ゆずマップ』って何?」の取材でご協力いただいたとんかつ店「美とんさくらい」堀内さんの言葉。
 


ゆずをはじめさまざまなサインをバックに堀内さんを撮影

 
当時、自分の中では事態を飲み込めずうやむやにしていたが、改めてお話を伺うことでその言葉の意味を理解できた。

今回キニナル投稿があったのは「美とん」上大岡店。ウィング上大岡地下1階にある。
 


食品サンプルが食欲をそそる

 
正式には「美とんさくらい」という屋号で、現在は上大岡店、井土ヶ谷店、岡村店の3店舗で展開。精肉やハム、ソーセージなどの加工品の製造販売も行っている。
 


岡村店はお花やサボテンでにぎやかなお出迎え

 
詳しい話を伺うため「ゆずマップ」の調査の時と同じく、堀内さんがお店に立っている岡村店に伺った。

久々の再会に談笑し、いざ本題に入ろうしたところで「まずはこれを食べてみてよ」と新メニューをいただくことに。
 


鉄板もつ焼き定食(900円)

 
宮崎県産「おいも豚」のもつを1時間ほど茹でて下処理をしてから、味噌ベースの特製のタレに真空状態で漬け込む。味が染み込んだところでタマネギと炒め、千切りキャベツが敷かれたアツアツの鉄板の上に盛って完成。
 


丁寧な仕込みがあってこその柔らかさ

 
とにかく柔らかい! 舌の上でトロトロに溶けていく。「もつ」にありがちないつまでたっても噛み切れないという現象は皆無。

特製たれの味付けとピリ辛さでゴハンが進むこと間違い無し。ビールもいいな。

そしてもう一品新メニュー。
 


牛すじ煮込み(400円)

 
牛のアキレス腱の部分を使った関西風の仕上がり。仕込みの段階で脂分はほとんど落としているので、とてもヘルシー。

卓上でグツグツするパフォーマンス感に引きつけられる。
 


一手間加えた特製の麦味噌

 
宮崎産の麦味噌につけながらいただく。ぷるんぷるんの牛すじと最高の組み合わせだ。香り付けに入っているネギとゴボウは名脇役。

最後はスープに味噌をといていただくとこれまた2度美味しい!

早速2品いただいたところでキニナル投稿の話題に。
 
まずは「美とんさくらい」以外で「美とん」という名がつく店舗は複数あるみたいですが、関係あるのでしょうか? という質問。

インターネットで「美とん」を検索すると確かに何店舗か出てくるが、堀内さんの答えはNO。実は「美とん」という名前は商標登録されているのだ。
 


商標登録済み

 
かつて六角橋にあった「美とん」というラーメン店に会長である堀内さんが自ら出向いて「商標登録していますか?」と店主に聞いたところ登録しておらず、後日そのラーメン店は名前を変えたそう。

中には連絡しても一切返事が無いお店もあるのだとか。



堀内会長の上京物語



あらためて、紹介しよう。「美とんさくらい」の立ち上げから関わる会長、堀内強美(ほりうち・つよみ)さん。
 


肉街道一筋52年

 
宮崎県ご出身で御年70歳。

「小さいころからものづくりが大好きだった」という堀内さんは運動にも長けており、高校卒業後は体育教師を目指すことに。

上京して大学進学の学費を稼ぐために肉の本場、「東京都中央卸売市場食肉市場」のある芝浦で働いていたが、現実は厳しくなかなかお金が貯まらない。

そこで小さい会社でもいいから「社長になろう」と一念発起。芝浦で肉職人として1年7ヶ月間の修行を経て1967(昭和42)年、修業先のメンバーと共に独立し南区井土ヶ谷に精肉店を開業した。

その後すぐに、肉の小売りだけでは夜の時間帯がもったいないということで「とんかつさくらい」が誕生。

メンバー最年長だった桜井さんの名前から店名が決まった(桜井さんは現在も井土ヶ谷店にいらっしゃるそう!)。
 


井土ヶ谷店(同社HPより)

 
修業時代に身につけたスキルを生かして、しばらくすると全てを取り仕切るようになり、30代で社長に就任。

ご自身の名前「強美」から一文字とって現在の店名である「美とんさくらい」になった。

ちなみにあの「ルイ・ヴィトン」とは全く関係ない。後になってお客さんから「高級感ある名前だね」と言われたこともあるそうだ。

投稿にあった上大岡店はオープンから35年、岡村店は30年ほどと、老舗店となった今も横浜市民の胃袋を満たし続けている。メニューはほぼ全店舗共通とのこと。
 


上大岡店の店内

 


まだまだ食べます新作メニュー!



堀内さんにお話を伺っていると、お店の方が絶妙なタイミングで本日3品目のメニューをご用意してくださった。
 


見た目は美味しそうなロースカツ

 
2015(平成27)年11月16日にデビューしたばかりの「釜焼健康とんかつ定食(1400円)」。

前回の取材でいただいた「ゆず釜焼きチキンカツ定食」は揚げてから釜で焼いて余分な脂を落としたヘルシーなメニューだったが、新作メニューはなんと「揚げないで焼くだけのとんかつ」なのだ。
 


揚げ油0.000000000%

 
いったいどういうことなのか。

油で揚げないとんかつなんてこの世に存在するのか。何はともあれまずはいただきます。
 


揚げているようにしか見えないのだが・・・
 

コレとんかつだよ!

 
身体中に響き渡る「サクサク」。旨い。

実食しても焼いているだけとは到底思えないくらいの「とんかつ感」。

そのまま食べても肉の旨さを味わえるし、健康とんかつに合わせて作られたワインとしょうゆとマスタードがブレンドされた特製タレや「アンデスの岩塩」を付けてもどんどんご飯が進む。

それにしてもこの健康とんかつ、いったいどんないきさつで誕生したのだろうか。

そして作り方もキニナル・・・