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政令指定都市なのに、相模原市市営交通がない理由は?

ココがキニナル!

神奈川第三の都市、相模原。大きい市ですが、市営交通が無いのです。なぜ今まで設立されなかったのか、そしてそのような計画が無いの?(かねくろさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

鉄道や民間のバス網が発達していたため、これまで市営交通はなく、計画されたこともなかったが、旧津久井地域には市による乗合タクシーが運行

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ライター:はまれぽ編集部

政令市なのに



相模原市は人口約72万4000人(2015〈平成27〉年9月1日現在)の政令指定都市で、神奈川県下で3番目の人口を誇る。

しかし、横浜市や川崎市と違い、地下鉄やバスといった市営の公共交通が存在しない。
 


横浜はバスだけでなく
 

地下鉄も市営
 

川崎も市営のバスが運行している
 

これはいったい、なぜだろう。過去には存在していたのか、また、将来的に公共交通網が整備される予定はあるのだろうか。

相模原市の公共交通について、過去と現在、将来について市都市建設局まちづくり計画部交通政策課の奥山哲(おくやま・さとる)総括副主幹と堀田英司(ほりた・えいじ)さんに聞いた。
 


写真はNGということで
 

相模原市は2006(平成18)年に津久井町・相模湖町と、2007(平成19)年には城山町・藤野町と合併して政令指定都市に移行した。
奥山総括副主幹によると、合併前も含めてこれまでに市営バスや鉄道はなく、そのような計画も存在しなかったという。

その理由について「相模原市の外周はJRをはじめとした鉄道が整備されており、内周については神奈川県最大級の路線規模を誇る「神奈川中央交通バス(本社:平塚市)」を中心に、民間のバス網が発達しています。そのため、市が税金を投入してまで整備しなければならないという地域が少ないのです」と話す。
 


相模原市役所前のバス停。すべて神奈川中央交通のバスで便数も多い
 

しかし、民間のバスで市内全域をまかなえているわけではない。鉄道もバスもない、いわゆる「交通不便地区」も存在する。

市では民間の路線を補完する形で、同地区で高齢者らの生活交通を確保するために「コミュニティバス」の運行を行っている。
 


相模原市が運行を担うコミュニティバス(提供:相模原市)
 

現在、相模原市ではJR橋本駅から「相模川自然の村」の全長約7.5kmをつなぐ「せせらぎ号」とJR淵野辺駅から矢部駅を経由して再び淵野辺駅に戻る全長約9.4kmの循環型の「大野北地区コミュニティバス」の2路線の運航を行っている。
 


「せせらぎ号」の経路図(相模原市ホームページより)
 

しかし、これらはあくまで「実証実験」という位置づけでスタートしている。

奥山総括副主幹によると、1路線を維持するのに市の負担は年間約2000万円。本格的な運行にこぎつけるには「1便あたりの利用者数が10人以上であること」と「運賃収入が車両償却費等を除いた経常費用の50%以上であること」という条件を満たさなければならない。

2006(平成18)年1月から実証運行を始めた「せせらぎ号」はこれらの条件を満たしたため、2009(平成21)年から本格運行を開始したものの、2年連続で上記の条件を満たせなかった場合は運行廃止の可能性もある。そして「大野北地区コミュニティバス」は、今まさに実験中ということになる。
 


条件を満たさなければ廃線の可能性も残る