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獲れたて新鮮、江の島名物「生シラス」はどこで手に入る?

ココがキニナル!

シラスが出回りはじめる春、漁と販売所の様子を取材してください。漁の始まりと終わりの時間は?現地で丼ぶりはよく食べますが、食材の生シラスを購入するにはどうすればいい?(brooksさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

生シラスが「いつ、どのくらい」獲れるかはまさにその日次第! 網元の直売所に問い合わせるか、SNSなどで随時チェックを!

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ライター:大野 ルミコ

シラス漁解禁日、江の島は冷たい雨だった・・・



江の島にあまり明るくない筆者でも、江の島の名物と言われて、真っ先に思い浮かべるのは「シラス」。さまざまなシラスを使った料理が並ぶ中でも、特に「ここでしか食べられない味」として人気を集めているのが、生シラスだ。
 


店頭に「生しらすあります」と掲げている店も多い

 
しかし、この生シラス、ご存じの人も多いと思うが「いつ行っても食べられる」ものではない。神奈川県では、毎年1月から3月10日までは資源保護の観点から漁が禁止されている。また、漁が行われている期間でも、天候が悪く漁に出られない時などは食べることはできない。

生シラスを味わうことができるかどうかは、まさに「運」次第なのだ。

そして迎えた2016(平成28)年3月11日、シラス漁解禁日の江の島は・・・。


凍えるような冷たい雨が降り続く、あいにくの天気・・・

 
江の島に到着した時点で「きょうは生シラスに出会えることはないだろう」と諦めモードに突入したほどの悪天候。とりあえず、島内の生シラス直売所をまわってみようかと考えていた時、突然、筆者の電話が鳴った。
 


片瀬漁港の周辺を巡るが・・・船の出入りは見かけられなかった

 
電話の相手は、以前取材でお世話になった、しらす問屋「とびっちょ」の砂川裕也(すながわ・ひろや)さん。解禁日当日、もし、生シラスが入荷するようであれば、その様子をレポートしたいと、事前にお願いしていたのだ。午前9時30分過ぎにこちらから漁の結果を問い合わせる約束になっていたのだが・・・その時間よりだいぶ早い。

電話に出た瞬間、「今日、少しだけですが生シラス、獲れましたよ!」との驚きの報告が。まさかこんなに早く、生シラスに出会えるとは! 

早速、「とびっちょ」へと急行した。



シラス漁解禁日は「お祭り」のようなにぎわい!

と、いうことでお伺いした「とびっちょ」本店。2002(平成14)年の創業以来、それまで江の島の特産品として知る人ぞ知る存在だったシラスにスポットを当て、味・ボリュームとも大満足の料理を提供、「江の島=シラス」の公式を作り上げた有名店だ。
 


常に大行列のしらす料理専門店 とびっちょ」。時には2時間待ちなんてことも!
 

ショーケースにも「生しらす丼」のサンプルが並ぶ

 
お店でわれわれを出迎えてくださった砂川さん。「本当にわずかしか入荷しないようですが・・・」といいつつ、やはりシラス漁解禁日に生シラスが獲れたことで「本格的な春が来たような気がします」と嬉しそうだ。
 


砂川さんも生シラス解禁日を心待ちにしていたという

 
それにしても、これほど生シラスが「よそではなかなか食べられない味」なのはなぜなのか。その理由について、砂川さんは「やはり、生シラスの“足の速さ”にあると思います」と語る。

「体が小さいシラスは、水揚げした直後には死んでしまい、すぐに劣化が始まります。氷漬けの状態にしていても、新鮮な味をキープできるのはせいぜい半日程度。日をまたいでしまったら、もう食べられたものではありません」という。
 


「とびっちょ」の店頭で売られているシラスは釜揚げ後、急速冷凍させたもの

 
「とびっちょ」の店頭で生シラスを売らない理由もそこにある。鮮度を保った状態でお客様に提供するのが難しいこと、そして保健所が推奨する「4度以下での保存」がお客様のご自宅で可能なのか、確認しようがないからだ。
 


やはり「産地で獲れたてを食べるのが一番間違いない」のだとか

 
・・・そんな話を伺っていると、砂川さんの元に「まもなく生シラスが店に到着する」という知らせが。今年初の生シラス入荷の瞬間に立ち会わせていただくことができた。
 


店頭にトラックが到着!
 

担当の川端さんが抱えるこのクーラーボックスの中に生シラスが・・・
 

中身はこんな感じ・・・氷漬けの状態で鮮度を保っている

 
この日、入荷した生シラスは8㎏。「生しらす丼」なら約80杯分だというから、決して多くない量だ。

とびっちょでは、その日の入荷量に合わせて、提供するメニューを変えている。お客さまの多くが「生シラスを求めて来店される」ため、一人でも多くの方に食べてもらえるよう、入荷量が少ない時には「生しらす(小鉢 500円/税込)」のみの提供になることもあるという。
 


砂川さんいわく「このくらいの量しか入荷しなかったこともある」のだとか

 
当然、今日の入荷量だと、メニューを絞って提供するところだが、「今日はシラス漁の解禁日ですからね。早い者勝ちで全メニューを提供することになりました!」と砂川さん。

そこで取材班も、「生しらす」と「生しらす丼(890円/税込)」、そして見た目にノックアウトされた「しらすのかき揚げ1枚(850円/税込)」の3品をいただくことにした。
 


砂川さんが直々に料理を運んでくださった!
 

蓋を開けると・・・生シラスがたっぷり!
 

「生しらす」は、とびっちょオリジナルの「しらす専用ぽん酢」で召し上がれ!

 
実は生シラス初体験の筆者。ドキドキしながらまずは一口・・・まず感じるのは、ほんのりとした甘さ。続いてうっすらと苦みが広がる。砂川さんいわく「最初に感じる甘みこそ“獲れたて”ならではの味」だという。
 


生シラスの甘さ&苦みと、大葉やゴマの香りが広がって・・・とにかく美味しい!

 
そして、人気の「生しらす丼」は、卵黄を「しらす専用ぽん酢」で溶いたものをたっぷりと掛けて食べるのがオススメだという。
 


卵黄(温泉卵も選択可)に「しらす専用ぽん酢」を加え、よく混ぜたものを
 

「生しらす丼」にたっぷりと掛けて食べると最高に美味!

 
「生しらす丼」の器の大きさに驚かされるが、周りに添えられたサラダがさっぱりしているので、あっという間に完食してしまった。
 


無言でひたすら「生しらす丼」を食べ続ける編集部・山岸
 

ザクザクの「しらすかき揚げ」も大変美味しゅうございました!

 
気づけば、オープンと同時に、店内にはお客さまが溢れ、みんな嬉しそうに生シラス料理を堪能している。この様子だとあっという間に生シラスも売り切れになってしまうだろうな・・・。

確実に生シラスを食べるには・・・砂川さん、何かコツはないですかね?
 


質問にていねいにお答えいただいた・・・本当にありがとうございます!

 
「その日、生シラスが獲れたかどうかは当店のTwitterやFacebookで発信しています。来店前に情報をチェックしてほしい」と語る砂川さん。「またはお店に直接お問い合わせいただければ、その時の状況をお知らせできます」とも。

朝の漁ではシラスが全く獲れなかったが、午後の漁で大量に獲れた・・・なんてケースも珍しくない。時間ごとに変わる入荷状況をこまめにチェックすることで、生シラスに出会える確率も大幅にアップするはずだ。
 


とびっちょのTwitterではその日の「生シラス情報」が随時更新されている

 
たまに「いつ行けば生シラスが食べられますか?」「来週、お店に行く予定だけど、生シラスはある?」などの質問が来ることもあるという。しかし、その答えは誰にも分からない。「生シラスの入荷は“その日の漁次第”だということを知ってほしい」と砂川さん。

とびっちょには、釜揚げシラスや新鮮な魚介を使った料理がたくさんある。たとえ、生シラスに出会えなかったとしても、充分、満足できる・・・と思うので、運だめし気分で訪れてみてはいかがだろうか。