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権太坂の坂道に突如現れる謎のモノレールの正体は?

ココがキニナル!

国道一号線、権太坂上付近の坂道に小さなケーブルカー(?)が動いていますが、あれは何でしょうか?調べてください。(boyoさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

坂の上に建つ病院などの利用者のためのモノレール。一般の人の利用も歓迎している。また現在さまざまな施設でモノレールを設置する事例が増えている。

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ライター:小方 サダオ

国道1号線沿いの坂道に設置されたモノレール



坂道にモノレールが走っている、という・・・。車では上がれない場所に行くためのものなのだろうか。

まずは現場に行ってみた。

 

モノレールのある場所(青矢印)
 

交通量の多い国道1号線。しかし保土ケ谷区の権太坂あたりは両側が山になっていて、意外にも山肌に畑が広がっていたりもする。

投稿のケーブルカー(?)に関して、この山肌を上下する畑のためのものか? などと想像したが、そのようなものは見当たらない。しばらく散策していると、何と人が乗れるモノレールが坂を下りてきたので驚いた。

 

病院の坂道に作られたモノレール
 

坂道を下りてきた
 

ふもとの駅で待つ利用者
 

どうやらこれが投稿にあった「ケーブルカー(?)」のようだ。

乗客は、坂のふもとにある駅でモノレールを待ち、坂の上にある駅まで乗車する。坂の上には、病院や福祉施設があり、そこへ乗客は入って行く。どうやらこの病院の利用者のためのモノレールのようだ。
そこで病院の関係者に取材を申し込むと、快諾してくれた。

 

育生会横浜病院
 



なぜ、モノレールがあるのか?



育生会横浜病院の押谷英則(おしたに・ひでのり)事務局長に話を伺った。

 

事務局長の押谷さん
 

まずはモノレールの設置された経緯について伺うと「こちらの施設がオープンしたのは、1995(平成7)年の12月になります。その時にモノレールが設置されたので、21年目になります。先代の碓井貞弘(うすい・さだひろ)理事長が、急坂の上に施設があるため、高齢の利用者の利便性などを考えました。また、息子の貞彦(さだひこ)現・理事が、子どものころから鉄道マニアであったこともあり発案したものです」

「レールの長さは137メートル、全長6メートルのモノレールで、車いすのも利用可能です。定員は6名と車いす1台。1日の利用者は50~100人ほどになり、利用者がいるとモノレールが動きます。また、運行時間は午前8時30分から午後5時までです。料金は無料です」

 

病院の先代の理事長がモノレールの発案者だ
 

坂の頂上付近に建つ、老人ホーム「よつば苑」
 

「施設利用者のための交通機関としてではなく、現理事長は鉄道が好きであるため、どなたでも自由に楽しんで利用できる地域密着の乗り物になってほしいと考えています」と答えてくれた。

 

モノレールの見取り図
 

レールの配置図
 

モノレールの塗装図
 

次にモノレールの特徴に関して伺うと「現在の基調となる緑色は、育生会のイメージカラーであることから選びました。また周辺の地域の方たちや当職員から愛称の募集を行いましたので、後日、愛称の発表ができると思います」とのこと。

 

モノレールの愛称を募集していた
 

レール沿いの桜並木の中を走る
 

「2013(平成25)年から、モノレールの体験乗車イベントを開催しました。以前テレビ朝日で放送された『ナニコレ珍百景』に、このモノレールが取り上げられたのですが、番組にこのモノレールを珍百景として投稿された地元の人もイベントに来られていました」と答えてくれた。

 

ちよだ製作所のパンフレットの一部
 

20年以上前の車両とのことだが、車両の状態に関して伺うと「メンテナンスは、毎月行っています。以前は製造元のちよだ製作所(香川県)に来てもらっていました。しかし今では、ほかの会社に整備を行ってもらっています。以前の部品がないため、直せる箇所を直して使用しています。あと5~6年は修繕で持ってもらいたいです。車両ごと全てを取り替えるとすると、2000~3000万円はかかってしまうのですが、修繕が不能になった場合でも、レールも含めて車両を新設すべきと考えております」

 

さまざまな場所でモノレールの用途がある
 

「以前、メンテナンス代がかかることもあり、モノレールを廃止し、動く歩道やエスカレーターなどに変更する案も出たのですが、そんな時に限って、テレビで紹介されて注目され廃止しづらくなりました。ほかの病院との差別化もできて、当病院のマスコット的存在として存続させたいと考えています」と答えてくれた。