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大船軒のサンドウイッチの「鎌倉ハム」は横浜で作られている!?

ココがキニナル!

大船軒サンドウイッチは日本で最初にサンドウイッチを弁当にした歴史ある駅弁で使用しているのは鎌倉ハムだが、鎌倉ハムは実は横浜市内の工場で作られているという噂を聞きました。真相は?(白マントさん)

はまれぽ調査結果!

大船軒サンドウイッチの鎌倉ハムは、生まれも育ちも鎌倉。現在も鎌倉市内の工場で生産されている。発祥の地が横浜市に編入されていた

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ライター:岡田 幸子

1898(明治31)年創業の大船軒、社名のとおりJR大船駅を中心とした各所で、駅弁販売や駅そば屋の運営などを行っている。

そんな大船軒の定番人気駅弁といえば、100年以上も前に江ノ島近海で多く獲れた鯵を使ったことから始まった「鯵の押寿し」と並んで、「鎌倉ハム」を使用した「大船軒サンドウイッチ」が思い浮かぶ。

 

 神奈川駅弁の雄!


創業者の富岡周蔵(とみおか・しゅうぞう)氏が、黒田清隆(くろだ・きよたか)元首相から勧められ、駅で販売を始めたサンドウイッチは、日本で最初の駅弁サンドウイッチだったそうだ。

 

 大船軒創業者の富岡周蔵氏(大船軒HPより)
 

 外遊時の味が忘れられず発案に助言したとされる黒田清隆氏(大船軒HPより)


大船軒サンドウイッチのキモともいえる鎌倉ハムが、鎌倉産でないとしたら、ちょっぴりがっかりしてしまうかも。そんな思いから調査を始めてみた。


 

日本で最初のサンドウイッチ駅弁を実食!


 
現在では大船駅を始めとするJR各駅の売店や百貨店、スーパーなどでも購入することができる大船軒サンドウイッチ。いきなりのはまれぽエリア外スタートで申し訳ないが、東京駅で探してみた。

 

 諸事情により都内スタートで恐縮です!
 

 新幹線中央乗換改札前の「駅弁屋 踊」へ
 

 あった!

 
浅草今半の「牛肉弁当」や、東京名物「深川めし」と並び、「鯵の押寿し」、「湘南しらす弁当」、「大船軒サンドウイッチ」と大船軒の商品が堂々とラインアップされている。

 

 早速購入、530円也。「鎌倉ハム ボンレスハム使用」とある

 
JR上野東京ライン開通で東海道線の東京始発がなくなって、通勤がツラいなぁ・・・。
 
とぼやきつつ、駅構内のベンチでいざ、実食。

 

 鎌倉ハムのロゴとサンドウイッチの歴史も


ハムの塩気にパンの甘み、マスタードがほんのりきいていて飽きない味わいだ。具沢山のアレンジサンドウイッチが隆盛のこの時代に、ハムだけで勝負したシンプルさもいい。

 

 厚めのハムがいいね
 

 食べ終わると同時にやってきた電車に乗り込み・・・

 
小一時間で大船軒の本社がある大船駅に到着した。サンドウイッチとハムの真相を探りにお邪魔してみよう。


 

サンドウイッチは埼玉産でもハムは鎌倉産!


 

 昭和初期の建物をそのまま残したレトロな雰囲気の本社は過去記事でもご紹介済み

 
ご対応いただいたのは営業部の星路昭(ほし・みちあき)部長と、商品開発課の小川英恵(おがわ・はなえ)主任だ。
 
さて、大船軒サンドウイッチと鎌倉ハムの生産地とは?
 
「弊社は株式会社日本レストランエンタプライズ(NRE)のグループ会社となっており、大船軒サンドウイッチは、現在NREの工場で生産しています」と、星部長。NREの工場が横浜にあるということか?
 
「いえ、NREの工場は埼玉県にあります」

 

 ラベルを引っ張り出すと「埼玉県戸田市美女木」とある(お目汚し失礼!)


さ、さいたまははまれぽエリア外です!

「とはいえ、サンドウイッチのハムは、弊社が鎌倉ハム富岡商会に発注しているもので、これは昔も今も鎌倉で生産されているはずですよ」

ほっ。

 

 大船駅での立ち売り風景
 

 「鉄道ニ関スル諸控帳」明治32年4月11日の頁には
 

 「サンドウヰッチ 折詰九個入 金弐拾銭也」とある

 
創業者の富岡周蔵が考案した「サンドウイッチ」だが、当初は輸入ハムを仕入れて製造していたという。その後、大船軒は自社内でのハム製造に着手。これが評判となる。

 

 製造を行っていた大船軒本社裏手の山には自然の冷蔵庫とした洞窟跡も
 

 当時の社屋設計図を見ると(大船軒資料より)

 

 この扉の奥が洞窟へと繋がっていたようだ(大船軒資料より)


多数の業者からハムのみの注文が殺到したことを受けて、富岡は1900(明治33)年にハム製造部門を独立させ、本格的なハム製造を開始。これが、鎌倉ハムメーカーである「鎌倉ハム富岡商会」誕生の背景だ。

 

 創業当時の鎌倉ハム富岡商会(大船軒資料より)


つまり、大船軒と鎌倉ハム富岡商会は、そのルーツを同じくしている。

大船軒が最初にハム製造を始めたのは、現在の本社と同じ場所・鎌倉市岡本。そして現在鎌倉ハム富岡商会があるのも鎌倉市岩瀬だ。ということは、鎌倉ハム生誕の地は鎌倉と結論してよいのだろうか。

 

 左下隅が大船軒、右上隅が鎌倉ハム富岡商会


「鎌倉ハムの歴史についてはとても詳しい人物が鎌倉ハム富岡商会にいます。ぜひそちらに話を聞いてきてください!」

星部長と小川主任の熱いご推薦を受けて、鎌倉ハム富岡商会にアクセスしてみた。

 

 いざ、鎌倉ハム生産の現場へ!