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横浜の埋め立てはこれからどうなるの?

ココがキニナル!

横浜は埋立地が非常に多いイメージですが、現在も埋め立ては着々と進んでいるのでしょうか?今後の埋め立ての見通しなど知りたいです。(須々木さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

現在埋め立て中なのは三渓園の南東に位置する「南本牧ふ頭」のみ。今のところ、ここ以外に埋め立ての構想は決まっていない。

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ライター:吉岡 まちこ

意外と古い、横浜の埋め立ての歴史



横浜
の埋め立ての歴史は長く、まだ江戸時代に入って間もない1667年の「吉田新田」に始まった。

今の阪東橋・伊勢佐木長者町のあたりが一面沼地だったのを埋め立てたのだ。その後、中華街付近(横浜新田)に続き、幕末に関内駅県庁通りの間が埋め立てられた。

明治も近い1860年の様子がわかる一枚の浮世絵がある。
険しかった野毛の切通しから、今の関内方面を見たものだ。「横浜村」「吉田橋(今の関内駅付近)」「本丁大通り」等の文字が読め、埋め立ての様子がよくわかって興味深い。
 


「野毛村切通シヨリ横浜入口吉田橋野毛橋本町ヱモン坂大門遊女屋町并横浜本村遠景(部分)」
(川崎市中原図書館臓 転載許可済み)※作品全体図と解説は、こちら


港が栄えるにしたがって、坂が多い地形ゆえ人工的に平地を確保しながら港を整備し、産業を伸ばしてきた横浜。そして、昭和42年(1967年)に貿易の転換期が訪れた。貿易にコンテナが使われるようになったのだ。それからの時代は、コンテナ船が停泊できるふ頭の埋め立てが急がれた。

また、高度成長期には京浜工業地帯として埋立てが拡大する一方、昭和58年(1983年)に今のランドマークタワー付近にあった三菱重工横浜造船所が本牧・金沢に移され、みなとみらい21の都市計画が動き出した。
その後、金沢海の公園や八景島なども整い、現在の姿になった。
 


埋め立ての歴史がよくわかる!「横浜港変遷図」(横浜市港湾局HPより引用)




超大型コンテナ船に対応するふ頭、建設中!



現在工事が進んでいる埋立地は「南本牧ふ頭」だ。
横浜市港湾局に確認したところ、次の構想はまだ決まっていないという。
では、南本牧ふ頭というのはどんな役割をするのだろうか?それには世界の海運の現状を知る必要がある。

アジア諸国のめざましい経済発展に伴いコンテナによる輸送量は増え続け、しかも欧州・北米航路のコンテナ船はどんどん大型化している。
現在世界最大級のコンテナ船は14,000個のコンテナを積めるのだが、さらにその約3割増しの18,000個を積む超大型コンテナ船の完成が間近だという。

船が大きくなるぶん、水深が深い港、かつ短時間に一気に積み降ろしができる効率の良い港、すなわち停泊時間が短くてすむ低コスト・高サービスの港が求められる。
横浜は、アジア地域の東端のファーストポートとして太平洋を渡ってきた船を受け入れ、送り出せる好立地にありながら、このままではスケールでも処理能力でもシンガポール・中国・韓国に遥かにおいて行かれてしまうのが現状だ。

そこで完成が待たれているのが、将来的には4つのコンテナターミナルが揃う「南本牧ふ頭」なのだ。
 


横浜の未来を担う、南本牧ふ頭(写真提供/横浜市港湾局)


4つのコンテナターミナルのうち「MC1」「MC2」という2つのコンテナターミナルは、すでに10年前から稼働している。水深16mをもつターミナルは当時日本初だった。
それに続き「MC3」ターミナルが来年完成する。MC3の水深は20m。この深さをもつのは日本で唯一ここだけだ。世界最大級のコンテナ船を南本牧に寄港させることも、世界の主要港と競い合うのも夢ではない。
また、「MC4」ターミナルの具体的な着工時期や規格は構想中とのこと。
 


ここが、コンテナ船が接岸する「MC1」「MC2」ターミナル


一隻のコンテナ船が入港 することで、その経済効果は2億円と言われている。
大型船を曳くタグボート業務、荷さばきやコンテナの輸送に関わる会社をはじめ、船の燃料、乗務員のための食料品や水の補給等にそれだけお金が動くということだ。
さらにコンテナが寄港する港が近いことで、横浜の企業や工場も活性化し、新たな誘致も可能になる。
国際競争に負けられない理由はまさにこれなのだ。

ちなみに横浜港で取り扱われている貨物は、輸出では完成自動車、工業製品、自動車部品など。
輸入では農作物、機械類、衣料品、東南アジアからの日用雑貨が中心だ。