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海岸線を40km、特別列車「京急サイクルトレイン」とは?

ココがキニナル!

5月15日の「京急サイクルトレイン」。京急電車に自転車を積み込んで三浦半島をサイクリング。レポートを!!(黒霧島さん)マイ自転車を載せて…。予約制だったかな?(マッサンさん)

はまれぽ調査結果!

三浦半島の海もマグロ料理も最高の40kmだった。サイクル好きでトレイン好きならもう行かない手はないので次回秋の京急サイクルトレインをお楽しみに

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ライター:永田 ミナミ

色とりどりのMy自転車、品川駅に集まる



GWのある日の夜、編集部・山岸から「5月15日は空いてますか」という連絡がきた。空いてますよ、と答えると「自転車にカゴはついているか」と言う。ついてませんよ、と答えると「じゃあ京急サイクルトレインに乗りませんか」と言う。

「サイクルトレイン」という言葉の響きがとても魅力的で、送られてきたリンクを開く前につい「行きます」と答えたもののリンク先を開くと写真に本格的な気配を察知。それにしても素晴らしい景色である。
   


行きたい。でもろくな運動経験もなくて走れるかな、とよぎる不安
 

少しひるんでいると電話の画面に「お、ではよろしくお願いします」というメッセージが現れた。「でもママチャリですよ。でも7段変速です」とアンビバレントな返事をすると「カゴがないなら大丈夫なはず」ということになった。

翌日、My自転車の写真を撮って送ったが、感想だけで可否については特にコメントはなかったので、まあいいのかなと15日の早朝、家を出た。
 


そして5月15日、午前7時に品川駅高輪口に到着。いい天気である
 

京急の改札付近にはサイクルジャージに身を包んだ人たちが集まっている
 

目に入るのはみな本格的なサイクリストたちである
 

荷台がついた自転車はどこにも見当たらないし、ギンガムチェックのシャツなどひとりもいない。カメラのネックストラップが汗で貼りつくのが嫌だなと襟付シャツを選んだ初歩的ミスであった。

ママチャリのハンドルを握りしめながら続々とやってくるロードバイクやクロスバイクに圧倒されていると「あ、はまれぽさんですか」と声をかけられた。
 


振り返ると京浜急行電鉄広報課の宮本さんが笑顔で迎えてくれた。今日はよろしくお願いします
 

宮本さんは「カゴはついていないしギアはついているし、大丈夫ですよ」と不安を吹き飛ばしてくれたのだった。
 


My自転車を積み込む前に



さて、京急のイベント列車は2015(平成27)年11月7日に京急川崎~小島新田間の往復でおこなわれたジャズの生演奏を楽しめる「京急ジャズトレイン」、2016(平成28)年2月27日に品川~三浦海岸駅の片道でおこなわれたお花見列車「みうら河津桜号」に続き、第3弾である。

三浦半島は仏ミシュラン社も認める、海岸や程よい高さの眺めのよい丘が連続する変化に富む地形を有し、その自然環境がサイクリストの人気を集めていることから、2013(平成25)年10月に「自転車半島宣言」をしている。
 


スマートフォンを利用してスタンプを8ヶ所集めるスタンプラリー春編も開催中
  

しかし、三浦半島を自転車で走るために三浦半島まで行こうとすると、都内からだとほぼ自動車に積んで行くか分解して京急に乗っていくかしか手段はない。

そこで京急・三浦市双方の意図が合致するかたちで、自転車を折りたたまずに積み込めるサイクルトレインで、サイクリストたちを品川駅から三浦海岸駅まで送り届けようということになったのである。
 


ロータリーには輪行してきた参加者が自転車を組み立てるスペースも用意されている
 

「輪行」というのは「鉄道など公共交通機関を利用して、分解折りたたむなどした自転車を運びながら移動すること。遠く離れた場所でサイクリングする場合などに用いる手法(大辞林)」である。
 


参加者は品川駅まで走ってくる「自走」か「輪行」で集合するのである
 

などと言っている間に受付をすませホームへ
 

乗降客の通行を妨げないよう、無線機で連絡を取りあいながらサイクリストたちを構内に誘導するスタッフのよどみない連携と、良識あるサイクリストたちのスムーズな動きは見事であった。

もちろん駅構内はエスカレーターを使わず自転車をかついで階段を上るのだが、ロードバイクやクロスバイクは車体が軽いので問題ないようだった。
 


長い階段はなくMy自転車も大丈夫だった
 

「貸切」の文字の嬉しさ
 

ホームには1~6号車に分かれて乗車を待つ参加者たちと愛車が整然とならぶ
  

今回のサイクルトレインの旅程は、往路は「8:22品川発→9:29三浦海岸着」。復路が「16:06浦賀発→17:11品川着(高輪改札外で解散)」である。
 
三浦海岸駅から金田湾(東京湾)の海沿いの215号線を走り、三浦半島を時計回りにぐるっとまわって半島の先端の城ヶ島公園まで行き、三崎港で昼食。参加費7000円(小児6500円/予約制)に含まれる「まぐろ料理食事券」で新鮮なまぐろを頬張ったら26号線、134号線と半島の中央を走り抜けて三浦海岸に戻ってきたら今度はそのまま134号線を北上し、ひたすら海沿いを観音崎まで走ったら浦賀駅まで戻って乗車。
 


地図で見てみると半島の南東部をほぼ走破することになると知り、手に汗握る
 

全行程約40kmというのはさておき、コースといい「まぐろ料理食事券」といい、ウキウキするような痛快なサイクリングである。
 


リカンベントはご勘弁



乗車まではまだ時間があるので、参加者たちの様子を見に行くことに。1号車まで歩いていくと、以前から街で見かけるたびに難しさと無防備さを感じていた自転車が出発を待っていた。
  


この自転車に乗っている人に話を聞ける人生初のチャンス到来
  

声をかけてみると東京都葛飾区から自走してきたこちらの3人が乗るこの自転車は「リカンベント」というタイプだという。recumbentは「横になった/背もたれのある」という意味で、何と100年ほどの歴史を持つ自転車。
  


てっきり自転車界のニュータイプだと思い込んでいた
   

仰向けに近い姿勢なので空気抵抗が少なく速度が出るため、レースへの出場が禁止になったほどだという。ただしそれはもっと車高が低いもので、みなさんのリカンベントは速さよりも「姿勢が楽」なタイプだそう。
  


乗ってみていいよと言われてまたがってみると、頭と手足が混乱
 

転ぶときはどうしたらいいんだろうと、ただただ天を仰ぐばかりであった
 

そうこうしているうちに乗車の時間となり、My自転車のもとへ
 

車内は自転車が固定できるように準備されている
 

そして順番にMy自転車とともに乗車すると、スタッフが手際よく自転車を固定してくれ、優先席に座って発車を待つだけなのであった。
 


隣の車両の壮観な眺めには自分がママチャリであることも忘れ興奮