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初代ゴジラが上陸したといわれる観音崎とは?

ココがキニナル!

初めてゴジラが上陸したといわれる観音崎。海水浴場に灯台に美術館。まさに今の時期にふさわしいスポットなのでぜひ取り上げてください。今でもゴジラとのつながりはある?(コムギさん、るぱんさん)

はまれぽ調査結果!

東宝は、観音崎を含め、上陸地を特定していない。1958年、観音崎に作られたティラノサウルスの滑り台がゴジラとつながっていったと推察される

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ライター:やまだ ひさえ

ゴジラ登場



2016(平成28)年夏、ゴジラがまたまた日本にやってくる。
 


2016年7月29日公開 『シン・ゴジラ』 (提供:東宝)
 

『シン・ゴジラ』は、突如、海上に姿を露わにした巨大不思議生物が、次々と街を破壊しながら進んでいくというもの。そして、その作中では、川崎市街で「ゴジラ」と名付けられた巨大不思議生物と、自衛隊の一大決戦の火蓋が切られる。
 


川崎市街での決戦がはじまる(同)
 

人間に為す術はあるのか(同)
 

ゴジラは、1954(昭和29)年に東宝によって公開された特撮怪獣映画。当時、社会問題になっていたビキニ環礁の核実験から着想を得て、製作されたといわれている。

高さ50メートルに達する怪獣ゴジラは、登場するやいなや、すぐに話題になった。

投稿にあるように、ゴジラは本当に観音崎に上陸したのだろうか。その都市伝説を裏付けるものが観音崎の「たたら浜」にあったというゴジラの滑り台だ。
 


「たたら浜」は観音崎の南側にある
 

東京湾に面した「たたら浜」
 

滑り台があった場所には案内板とゴジラの足跡があった。
 


両足跡がある
 

10分の1の縮尺のゴジラの足跡
 

「ゴジラが初出現」と書かれている
 

「上陸」から「出現」に変わったが、本当に出現地なのか、製作した東宝に問い合わせてみたが、映像事業部の広瀬(ひろせ)さんによると「出現地は特定していない」とのことだった。

配給元である東宝が言うのであれば、仕方がない。しかし、「特定していない」だけで、なにかゴジラと観音崎を結びつけるものがあるかもしれない。そう思って、さらに調べてみると興味深い新聞記事を見つけた。
 


観音崎のゴジラの滑り台を特集していた新聞記事
 

記事によると、ゴジラ第1作のなかで「観音崎北東15マイルの海中を北西に向け移動中のゴジラを発見し、京浜地区に警戒警報が流れた」とある。

作中でゴジラは横須賀の地を踏んではいないが、その映画を親子で見ていた当時地元で「観音崎観光」という旅行会社を経営していた木村茂雄(きむら・しげお)さん(故人)は、「子どもたちが安心して遊べる観光地にしたい。地元にゴジラの滑り台を作ろう」と思い立ち、滑り台を設置したという。

しかし設置に際し、「ゴジラ」というネーミングの使用許可が下りなかったため、「ゴジラ」でなく、「ティラノサウルス」という断り書きも添えた。それでも子どもたちの間では「ゴジラの滑り台」として人気が広まっていったとのことだ。
 


1958(昭和33)年に設置された「ゴジラ」の滑り台
 

取材の最中、たたら浜のゴジラの滑り台で遊んだという人にお会いすることができた。観音崎公園の入口で食堂を営んでいる中島裕之(なかじま・ひろゆき)さんと若杉利治(わかすぎ・としはる)さんだ。
 


中島さん(左)と若杉さん
 

中島さんによると、当時、滑り台は子どもたちに大人気で、毎日のように遊んでいたとのことだった。
 


1971(昭和46)年ころの「ゴジラ」の滑り台(中島さん提供)
 

しかし、人気の滑り台も潮風による腐敗と老朽化が進み、1973(昭和48)年に取り壊された。
 


足跡だけが残っている
 

ゴジラは観音崎から、横須賀から姿を消してしまったのだろうか。
そうではなかった。

中島さんと同じように、同浜の滑り台で遊んだ楽しい思い出を持つ横須賀商工会議所青年部のメンバーが中心となって署名と募金活動を実施。

その行動が結実し、1999(平成11)年11月、「くりはま花の国」の冒険ランドに「ゴジラの滑り台」が復活。現在も人気のアトラクションになっている。
 


全長10.04メートル。堂々としたゴジラの滑り台だ
 

たたら浜の最寄駅である京浜急行の「浦賀駅」では、2008(平成20)年11月から電車の接近を知らせる駅メロディーにゴジラのテーマを使っている。
 


電車に乗るたび、あの興奮が!
 

ゴジラに対する横須賀市民の思いは受け継がれている。